「宗達:創造の波」展

宗達 日本美術史上最も有名な謎の画家

«風神雷神図屏風»をはじめ«蓮池水禽図»«源氏物語関屋澪標図屛風»などの国宝と、多数の重要文化財の作者として知られている俵屋宗達。17世紀前半に京都で活躍した宗達は、日本美術史にとって最も重要な画家のひとりですが、意外なことに、その生涯についてはほとんど何も分かっていません。まさに謎の画家と言ってよいでしょう。
宗達は、京都の上層町衆や公家、寺社ともつながりのあった本阿弥光悦(1558~1637年)や角倉素庵(1571~1632年)ら文化人たちとの交流を基盤として「俵屋」という工房を発展させたと考えられています。初期には扇絵や料紙装飾などを手がけますが、やがて屏風や障壁画といった大作の制作も請け負うようになったようです。

フリーアと宗達

その宗達の最高傑作が米国、ワシントンDCにあるフリーア美術館に所蔵されています。«松島図屛風»と«雲龍図屛風»です。日本にあれば間違いなく国宝指定を受けている作品です。チャールズ・ラング・フリーア(1854~1919年)は、鉄道車両会社で成功をおさめ、40代半ばで引退した後は、美術品の収集に精力を傾けました。数回にわたって日本を訪れたフリーアは、近世を中心とする日本美術を収集し、その質と量はボストン美術館のコレクションに勝るとも劣らないものとなりました。宗達の2点は、その代表的な作品です。しかし、フリーアはコレクションを米国連邦政府に寄贈するにあたって、その条件として館外への貸し出しを一切禁じたため、これらの名品を見るためにはフリーア美術館に行かなければならないのです。

20世紀の宗達

宗達に私淑した尾形光琳、光琳に私淑した酒井抱一らが、今日では「琳派」の系譜として位置づけられていますが、そのような見方が広まるのは明治時代後期であり、意外なことに、宗達が一般に知られるようになったのは大正時代のことでした。フリーアが2点の宗達作品を購入したのはそれ以前だったのですが、そのことは宗達芸術に対するフリーアの先見の明を示すものと言ってよいでしょう。
大正時代以降、すなわち20世紀には多くの日本画家たちが宗達の個性豊かな表現に魅せられていきました。今村紫紅、小林古径、平福百穂、福田平八郎、山口蓬春、前田青邨、小倉遊亀らです。彼らの表現は単純に宗達を真似るということではなく、自己の表現を通して現代に宗達を蘇らせる試みだったと言うことができます。

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