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ルシネ・サルグシャンさんの写真
アルメニア国旗

アルメニア → 日本

ルシネ・サルグシャンさん

お互いの「違い」を戦わせない

国際交流基金が日本の外務省の協力を得て、国際交流基金関西国際センターにて毎年実施している「専門日本語研修(外交官・公務員)」。諸外国の政府や公的機関で、日本語の習得を必要としている若手の職員を約8ヶ月間招へいし、日本語や日本の事情について、研修を行うプログラムだ。2016年度専門日本語研修(外交官)の参加者のひとりである、アルメニアの外交官のルシネ・サルグシャンさんにお話を聞いた。

日本の印象について

「私の国との共通点がとても多く、驚きました。日本とアルメニアはとても離れているにもかかわらず、不思議なことですが、文化や言語など、似ているところがとても多いのです。例えば、文法や文章構造などです。日本語では「すみません」を「ありがとう」の代わりに使いますが、アルメニア語でもそうです。あとは、私たちの国でも、誰かに何かを頼むとき、「お邪魔してすみませんが」を冒頭につけます。さらに、アルメニア人は緑茶が好きで、日本人と同じように、どこでも緑茶を勧めたがります。このように、共通点が本当に多いのです。

あとは、日本のどの都市、どの町、どの地域でも、それぞれの文化があり、その独自性がひとつになって日本文化をつくっているということに、とても感動しました。」

このプログラムで学んだこと

「日本語学習のプログラムですので、もちろん日本語を学びました。今は、日本語はぺらぺらではないですが、少しだけできます。この研修を通して、これから自分たちで日本語学習を続けていくための基礎作りができました。

また、30カ国以上の国から来た、多様な文化を持つ国の人たちと共同生活することを学ぶという、とてもユニークな経験でした。外国人が参加する外国語学習プログラムは多く、この研修の何がユニークなのか、と思われる方も多いかも知れません。確かに、外国語学習プログラムはたくさんありますが、このプログラムのユニークなところは、キャリアのファーストステップを踏んだばかりの若手の外交官や公務員向けのプログラムであるということです。8ヶ月というかなり長い期間の中で、ただ人と知り合うだけでなく、様々な国から来た参加者同士が友情を育んでいくということは、外交官としてのキャリアの中でとても重要なことです。

さらには、プログラムを通して日本の生活を体験できました。日本の生活様式や言語を学ぶだけでなく、実際に体験することができます。もし、観光客として日本に来るのであれば、観光スポットを見るだけで終わってしまいますが、このプログラムでは、日本人が生活するように生活することができました。」

外交にとっての国際文化交流の重要性

「国際交流基金のモットーが言っているとおり、われわれは異なる文化の中でも、共通点を見つけていくべきだと思います。お互いの「違い」は戦わせるのではなく、協調し合わせるべきです。このプログラムでは、30カ国以上の国の人々がともに生き、同じ釜の飯を食べ、勉強し、旅をしながら、新しい場所や新たな感情を発見することができます。日本の人々との交流というだけではなく、参加者それぞれが多文化交流をする、とても良い機会となりました。」

  • 専門日本語研修(外交官・公務員)

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