理事長挨拶

新理事長ご挨拶

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このたび、令和2年(2020年)10月1日付で国際交流基金理事長に就任いたしました。

私は、約1年間の在スイス大使、約3年間の在イタリア大使在勤中、両国との国交150周年を記念する事業やミラノ万博をはじめ、数多くの文化・芸術イベントの準備調整や実施に直接に関わり、日本の優れた文化・芸術が多くの人たちに大きな喜びや感動を与え、それが日本に対する敬愛の気持ちを増進し、ひいては日本外交にとり大きな資産となっていくことを現場で目撃することが出来ました。特に、イタリアにおいては日常的に大使館とローマ日本文化会館との間で緊密に協力して様々な事業を実施する中で、国際交流基金の事業が、日本のソフトパワー外交の推進に大きな役割を果たしていることを強く実感いたしました。今後、その国際交流基金の運営や事業実施に関与することが出来るのは、私にとり大きな喜びであるとともに、その責任に心が引き締まる思いがいたします。

国際交流基金は、1972年の設立以来、文化芸術、日本語教育、日本研究・知的交流の3つの事業を軸として、世界各国で国際文化交流事業を総合的に展開し、世界との絆を育んでまいりました。しかしながら、本年初頭より世界各地に広がった新型コロナウイルス感染症の影響により、世界の多くの都市で、都市封鎖や外出制限が行われ、国を越えた人の移動や大人数のイベントの実施が困難となり、国際交流基金の活動にも甚大な影響を及ぼしております。コロナ禍は日本国内においては一定の収まりを見せていますが、世界の中には、いまだ感染者の拡大が続いている国々も多く存在し、予断を許さない状況です。

コロナ禍に加え、国際社会において自国中心主義や内向き志向が強まり、国と国との交流や連携が停滞しがちな現下の状況においてこそ、文化を通じた日本と世界のつながりを維持し、さらに発展させていくために、より積極的な取り組みが求められています。国際交流基金では、オンラインでの日本語教育、日本文化発信、知的対話の事業を強化、拡充してまいります。同時に、人と人との対面での交流や生身の肉体が生み出す実演芸術などの重要性は何ものにも代えがたいことから、各国・地域の状況に応じた感染症防止策を十分に講じた上で可能な部分については文化事業を実施し、「オンライン」と「リアル」を組み合わせた形での新しい国際交流の可能性を探っていきたいと考えます。

国際交流基金は、2022年に設立50周年を迎えます。私は、国際交流基金理事長として、この大きな節目を視野に入れながら、国内外の関係者の方々の声に真摯に耳を傾け、新たな時代のニーズに対応した国際文化交流を展開することで、組織ミッションの達成に向け、全力を尽くしてまいりたいと存じます。

2020年10月
国際交流基金理事長
梅本和義

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