国際交流基金の事業
文化[文化芸術交流]
多様な日本の文化・芸術の海外への紹介
国際相互理解の増進のため、伝統芸能から現代アートまで多様な日本文化の魅力を、公演、展覧会、翻訳・出版、映画上映、テレビ放送等、さまざまな形で世界の人々に向けて紹介しています。
また、文化・芸術分野における人材育成やネットワーク形成等のため、専門家の派遣・招へい、ワークショップ等を行っています。
展覧会
第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」展
Photo : ArchiBIMIng
120年の歴史を誇り、世界の注目を集めるヴェネチア・ビエンナーレ。2019年には第58回国際美術展が開催され、国際交流基金は日本館における展示を主催しました。下道基行氏(美術家)、安野太郎氏(作曲家)、石倉敏明氏(人類学者)、能作文徳氏(建築家)、服部浩之氏(キュレーター)の5人のチームによる「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」展は、35万1000人を超える来場者を集め、好評を博しました。
また、全世界に向けた継続的な事業展開として、2019年度も17の展覧会を世界各国に巡回。陶芸・工芸・日本人形から現代美術・写真・建築・デザインまで、多様なテーマで構成された展覧会を、46か国・地域の75都市において開催し、合計約31万人の来場者数を記録しました。
舞台公演
メキシコにおける 神里雄大/岡崎藝術座『+51 アビアシオン,サンボルハ』公演
(c) Carlos Alvar
日ペルー交流年(日本人移住120周年)の節目に、神里雄大作・演出により、日系移民のルーツを辿る作品、『+51 アビアシオン,サンボルハ』を、岡崎藝術座がペルーとメキシコで上演。現地紙に高く評価され、日本の現代演劇が進出する機会が少ない地域で功績を残しました。
またケルン日本文化会館開館50周年を記念し、ドイツとスイスで梅若研能会による能楽公演を行いました。ベルリン音楽祭の公式プログラムとして、格式あるベルリン・フィルハーモニー大ホール初の本格的能楽公演となるなど評判を呼びました。
この他、日韓交流おまつりin Seoulには、伊丹市立伊丹高校吹奏楽部「ICHI☆ITA JAZZ Ensemble」と秋田県の「西馬音内盆踊り」が出演。更に米国ワシントンD.C.の全米桜祭りや英国のロンドン・ジャパン祭り等でもハイライトとなる公演を実施しています。
ドイツ・ケルン・フィルハーモニーの能楽公演
日露映画交流事業
ロシアでは、2018年「ロシアにおける日本年」で実施した日本映画祭等の実績を踏まえ、将来的な日露交流の深化に繋げるべく、10都市において新作を中心とした日本映画祭を開催しました。作品上映に加えて、日本からプロデューサーや監督を派遣し、現地でアニメーションを学ぶ学生を対象としたワークショップや日本映画ファンとの交流の機会を創出しました。また、ロシアでは日本のクラシック映画に対しても高い関心が寄せられていることから、モスクワとサンクトペテルブルクで、山田洋次監督の特集上映を実施し、日本映画祭とあわせて約2万人のファンが日本映画を楽しみました。
モスクワにおける「第53回ロシア日本映画祭」オープニング
中国各地で日本映画を上映
中国では、2017年「日中国交正常化45周年」、2018年「日中平和友好条約締結40周年」に実施した事業の成果を踏まえて、映画の相互交流の促進を図り、かつ、中国における日本映画の上映機会を更に確保するために、8都市において日本映画を上映し、6700人以上の観客が日本映画を楽しみました。
広州の上映会場にて。『ブルーアワーにぶっ飛ばす』箱田優子監督(中央)とファンたち
北京の上映会場にて。『引越し大名!』犬童一心監督(中央)とファンたち
テレビ番組紹介
日本のコンテンツが放送されにくい国・地域を対象に、日本理解のきっかけとなるようテレビ番組を紹介する事業を実施。2019年度はドラマ、アニメ、バラエティ、映画、ドキュメンタリー等、84か国・地域で、のべ722番組が放送されました。
『ジャングル大帝 勇気が未来をかえる』
(c) Tezuka Productions/Fuji Televison
『日曜劇場 天皇の料理番』
(c) 2015 Tokyo Broadcasting System Television, Inc.
『京の摺師~パリに渡った浮世絵~』
(c) KANSAI TELECASTING CORPORATION