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国際交流基金の事業

言語[海外における日本語教育]
海外における日本語教授法及び日本語学習者の能力評価の充実

より一層の日本語普及のためには、日本語学習者の利便性向上に繋がる教育内容の国際標準化と、学習奨励にも資する能力評価の充実が重要になることから、主に次の事業を行いました。

日本語能力試験(JLPT)の実施

日本語を母語としない人を対象とした世界最大規模の日本語能力試験を1984年から実施しています。
2019年度は、ブータン、ベナンの2か国、さらに紹興、鄭州、信陽(中国)、カガヤン・デ・オロ(フィリピン)、セーラム(インド)、オタワ(カナダ)、サラマンカ(メキシコ)、バレンシア、ラスパルマス(スペイン)、カザン(ロシア)の10都市で新規に試験を実施し、国内(47都道府県)を含む全世界合計87か国、307都市と実施国・都市数を拡大。国内外の応募者数(136万2167人)・受験者数(116万8535人)ともに年々増加しており、1984年からの国内外の累計応募者数は1439万7803人、受験者数は1235万4410人となりました。

カザン(ロシア)での日本語能力試験(JLPT)の写真

カザン(ロシア)での日本語能力試験(JLPT)実施

eラーニングの開発・運営

日本語学習プラットフォーム「みなと」において「漢字A1-1」、「ひらがな・カタカナ」(スペイン語)、「書道」コースの開講等、コンテンツの拡充と利便性向上及び広報に努めた結果、ユーザー数は14万1681人と前年度末に比べて倍増しました。
また、日本語学習ポータルサイト「NIHONGO eな」をモバイル端末でも使いやすいように全面リニューアルしました。

日本語学習プラットフォーム「みなと」の写真

日本語学習プラットフォーム「みなと」

日本語教授法に関する情報発信と素材の提供

JF日本語教育スタンダード」の活用促進のため、ウェブサイトやSNS等を通じた情報発信を行ったほか、準拠教材『まるごと 日本のことばと文化』の現地出版やサポート教材の多言語化、「JF生活日本語Can-do」及び新教材『いろどり 生活の日本語』の公開、また、NHKワールドJAPANのラジオ番組『Easy Japanese(やさしい日本語)』の監修等を行いました。

*「課題遂行能力」と「異文化理解能力」の育成を重視した、コースデザイン、授業設計、評価を考えるための枠組みです。

「JF日本語教育スタンダード」準拠教材『まるごと 日本のことばと文化』の写真

日本語国際センター

海外での日本語教育を総合的に支援するため1989年に設立。海外の日本語教師を招へいして日本語、日本語教授法、日本文化等の研修を実施しています。また、日本語教材の制作や「JF日本語教育スタンダード」の普及事業を行っています。

海外日本語教師研修(日本語)日本文化体験ワークショップの写真

海外日本語教師研修(日本語)日本文化体験ワークショップ

関西国際センター

海外の日本語学習者を支援する日本語研修施設として1997年に設立。各国の外交官、公務員や日本研究者等を招へいし、職務や研究に役立つ専門日本語の研修を行うほか、日本語学習者等の訪日研修を実施しています。また、研修事業で得たノウハウを基に、日本語オンラインコース、日本語学習サイトやアプリなどのeラーニング教材の開発を推進しています。

日本語学習者訪日研修の写真

日本語学習者訪日研修

新たな外国人材受入れのための日本語教育事業

2018年12月の関係閣僚会議決定「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に則り、「特定技能」外国人材向け日本語事業を開始しました。海外事務所、日本から派遣した日本語教育専門家・生活日本語コーディネーターと連携して、図の4つの柱を中心に、政府が指定した9か国(中国、モンゴル、インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ネパール)を対象として、日本での生活・就労を目指す人々の効果的・効率的な日本語能力習得を支援する取り組みを行いました。また、日本語学習支援のための新教材『いろどり 生活の日本語』を開発して、無料のオンライン公開を開始しました。

タイの生活日本語コーディネーターの写真

生活日本語コーディネーター(タイ)

「特定技能」外国人材向け日本語事業の4つの柱のイラスト

新教材『いろどり 生活の日本語』の写真

新教材『いろどり 生活の日本語』はウェブサイトから無料ダウンロード可能

ミャンマーの生活日本語コーディネーターの写真

生活日本語コーディネーター(ミャンマー)

海外日本語教育機関調査

海外の日本語教育の現状を把握するため、3年に一度「海外日本語教育機関調査」を全世界で実施。2018年度調査の集計作業を進めた結果、1974年の調査開始以来、過去最多の142か国・地域で日本語教育の実施が確認され、日本語教育機関数、教師数、学習者はいずれも前回(2015年度)から増加し、世界全体の日本語学習者数は約385万人に達したことが分かりました。2018年度調査を含むこれまでの調査結果については、国際交流基金ホームページで公表しています。

2018年度海外日本語教育機関調査速報値の記者発表の写真

2018年度海外日本語教育機関調査速報値の記者発表