J-LEAP1年目活動報告

シルバー・クリーク・ハイ・スクール
植條 菜摘

カリフォルニア州について

北アメリカの西海岸に位置しているカリフォルニア州は、人口でアメリカ最大を誇り、面積は日本より少し大きく、アメリカでは3番目に大きい州です。人口の27%が外国生まれの移民であるため、多種多様な異文化が存在しています。ラテンアメリカやアジアからの移民が多く、近年では特にアジアからの移民が増えてきています。日本人の比率はハワイ州につぎ、全米2位となっており、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンノゼには日本町があります。
この1年を通してアニメやゲーム、ポップカルチャーをきっかけに日本語に興味を持った生徒が多いと感じました。カリフォルニア州における日本語教育は学校教育以外にも、土曜日を利用して日本国内の学校で行われている国語等を学習する日本語補習校があります。補習校は現地校に通学する生徒が再び日本国内の学校に編入した際にスムーズに適応できることを目的としていましたが、アメリカ在住の子供たちに日本文化と日本語を習得させること、日本語を話す友達を作ることなどを目的に補習校に通わせる家庭が多くなってきているそうです。今後は日本語ブーム時から日本語教師をしている先生方が定年を迎えるにあたり、新たな世代の日本語教師の確保が1つの課題となっています。

シルバークリーク高校について

派遣先のサンノゼはサンフランシスコから車で約1時間の位置にあり、グーグルやフェイスブックなど多くのテクノロジー企業が拠点を置くシリコンバレーの中心部として知られています。日系企業も多く進出しているため、日本人も多く、日系スーパーや日本食レストランもたくさんあります。
受入校のシルバークリーク高校は全校生徒約2500人、教師数約100人という大きな学校で、アジア系とラテン系が生徒数全体の約80%を占めています。学校区で唯一日本語プログラムがある学校です。シルバークリーク高校では2年間の外国語の授業が必須となっており、生徒はスペイン語、フランス語、ベトナム語、日本語の中から1つ選択します。日本語クラスは1、2、3、APの4レベル6クラスに分かれており、合計183名の生徒が日本語を学びました。私は主に日本語1・2のクラスに入ってリードティーチャー(以下、LT)とチームティーチングを行いました。アシスタントティーチャー(以下、AT)として、日本語1・2レベルのアクティビティの作成、発音、テストや宿題の添削、授業中の生徒のサポートを担当していました。

クラブ活動とコミュニティ活動について

シルバークリーク高校では火・水・木の放課後にジャパンボウルクラブの活動をしています。ジャパンボウルはクイズ形式で日本について問うもので、毎年一度全米の高校生たちがその知識を競い合っています。競技では、日本語の学習達成度を競うだけには留まらず、日本という国についての知識も問われます。シルバークリーク高校の生徒たちは日本の文化、歴史、オノマトペ、時事問題、日本語などをスタディガイドに沿ってレベル別に週に一度自習形式で勉強しています。今年度のジャパンボウルではロサンゼルス大会で日本語2レベルのクラスが優勝、日本語APクラスが2位、全米大会では日本語2クラスが優勝という素晴らしい成績を残しました。 地域活動として、サンノゼ日本町の日系教会で日本語クラスのお手伝いをさせていただきました。6週間1コースの日本語クラスを新たに始めることとなり、少人数での会話練習の相手をしました。受講者の日本語レベルや年齢は様々ではありましたが、日系人として日本語を話せるようになりたいと熱心に勉強していました。半年に1度程度、日本語のクラスを開講する予定であり、次回も引き続きボランティアとして参加したいと思っています。

2年目に向けて

初めてのアメリカ、初めての日本語教師、分からないことだらけだったこの1年は、ホストファミリーやLT、友人など周りの人々に支えてもらった1年だったと思います。アメリカの授業は日本で受けてきた授業とは全く違い、テクノロジーやアクティビティを多く取り入れています。新しいテクノロジーを導入したり、アクティビティを作るときは生徒の興味を引くために身近な題材を取り入れたりと試行錯誤した1年でもありました。また、この1年を通して一番嬉しかったことは卒業した日本語クラスの生徒が大学で日本語を専攻したり、日本への留学を考えていたりしていることです。高校卒業後も日本語学習を続けてくれることは教師をしていてとても嬉しく感じました。2年目は新しい学校、LTに変わるので生徒やLTとのコミュニケーションを大切にし、学校行事にも積極的に参加して早く馴染めるように努めたいと思っています。2年目も笑顔で明るく元気に過ごし、一人でも多くの生徒に日本語学習を続けていきたいと思ってもらえるように、LTと日本語クラスを盛り上げていきたいです。

  • 派遣先での写真1
  • 派遣先での写真2
  • 派遣先での写真3