2年間を終えて

グレンブルックサウス・ハイスクール
神田 恵理

アシスタントティーチャーとしての業務

アシスタントティーチャー(以下、AT)として主に、小グループでの指導、授業のプラン作り、教材作成、会話モデル、宿題チェックなどをしていました。授業時間は90分と長時間のため、生徒が集中力を切らさないように、スピーキング、パソコン学習、リーディングなどバランスを考えていつも授業をしていました。この二年間を通し、変化したこととして「教室で生徒たちが日本語で話す、コミュニケーションをする習慣がついた」とリードティーチャー(以下、LT)に言っていただきました。教師は、ほぼ日本語で授業し、生徒もクラス目標で「日本語で話す」としていたため、その成果がでたのだと思います。また、どのクラスでもウォームアップはパラレルティーチングで二つのグループに分かれて指導していました。これをすることによって、生徒と接する時間が多くなり、生徒が日本語を話す機会も増えました。そして、LTとATは自然な会話をすることを心掛けていたため、わかる単語から内容を推測する力がつきました。
KAKEHASHIプロジェクトでLTが不在だった時に、自分でプランを作って授業をしました。普段は、LTと話し合って授業をしていたため、LT不在でのクラスは私にとってチャレンジでした。しかし、この経験を通して授業作りの楽しさ、難しさをより知ることができました。これまでLTから学んだことを発揮し、また自分を見つめ直す良いきっかけとなりました。

学校外での活動

コミュニティでは、毎週土曜日に行われる楽しい日本語クラス、週に2 回のチューター、図書館でのプロジェクト、サマーキャンプでのすしキャンディー作り、シカゴ日本祭りのボランティア、小学校で行われたインターナショナルナイトへホストとしての参加、コミュニティでの墨絵・習字指導、Japan Culture Fairでの日本語ミニレッスン等を行いました。
その中でも最も印象深かった活動は、約9ヶ月間行った楽しい日本語クラスでの指導です。このクラスは、日本語継承クラスで、小学生から高校生までの日系の子供たちに日本語を教えていました。クラス全体は8人程で、教師2~3人で指導していました。既存の教材を使い自分でプランを考え授業を進めていきました。高校生に指導していた時は、チューターのような形でその生徒が学校の日本語クラスで使用している教科書を使いテスト対策などを行っていました。また、小学生には、ゲームをしたり動画を見せたり体を動かしたりすることをメインに、日本語の基礎を教えました。小学校のクラスでは、集中力が切れやすいため、なかなかうまくいかないこともありましたが、ゲームなどを取り入れながら何とか運営することができました。今まで小学校低学年の子どもに教えたことがなかったので、とても良い経験になりました。

日米交流“Japan Festival”への参加

私は、この2年間を通して学校外やコミュニティで日本文化を発信する機会を多く設けたいと思っていました。そのため、図書館や地元の小学校、コミュニティセンターなどを通じて日本文化を紹介したほか、Japan Festival Chicagoへも参加しました。Japan Festival Chicagoは、イリノイ州きっての大きな日本に関連する行事であり、毎年たくさんの方々が足を運び、コスプレコンテストをしたり、有名な歌手を招いたり、とてもにぎわっています。1年目は1人のボランティアとして参加しただけだったのですが、2年目はキッズコーナーのボランティアリーダーに任命していただき、計画にも携わりボランティアのシフト作成や日程作りをしました。当日は、とても多くの子どもたちが来て、キッズコーナーで楽しんでくれていました。後日、日本祭り史上、2番目の観客動員数とお聞きし、少しでも日米間の交流の役に立てたことを嬉しく思いました。
これらの活動は、今まで日本のことをあまり知らなかった方々には、少しでも日本のことを知ってもらい、また日本に元々興味があったみなさんには、更に日本のことを好きになってもらうきっかけになったのではないかと思います。

今後J-LEAPに参加される方へ

一年目は仕事を覚えるので一杯いっぱいだと思うのですが、少しずつ自分が教師として何ができるのか、どうやって日本の魅力をクラス、学校、コミュニティに広げるかを考えていただけたらと思います。2年間は、長いようであっという間です。そのため何事にも積極的に行動し、色々な所に足を運んでネットワークを広げ、多くの出会い、そして、機会をつかんでほしいです。私の場合、ありがたいことに同じWorld languageに所属していた先生が近くに住んでいたため、コミュニティでのコネクションをたくさん作ってくれました。地域で活動するには、まず、コネクションが大切だと思います。そのためにもたくさんの人に話しかけ良い情報を得てほしいと思います。
また、日本語以外のたくさんの授業を見学して頂きたいです。私は、ドイツ語やスペイン語、特別支援学級、大学の授業を見学しましたが、それぞれのクラスで新しい発見がありました。もっとたくさんのクラスを見学すれば良かったと後悔しています。良いこと悪いことを含め、ぜひ色々なクラスを見学し吸収してほしいと思います。そして、それを日本語のクラスに役立てて下さい。
私は、この二年間で培った経験を活かし今後海外で日本語教師として働き、日本と外国との架け橋になりたいと思います。

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