平成14年度 国際交流基金賞/奨励賞 プロフィール > 大岡 信氏

国際交流基金賞

大岡信氏写真

大岡 信   詩人

詩人として、また評論家としての「ことば」による広範な文学活動は、歴史家としての深い分析と相俟って、日本語の魅力を内外に広めることに多大なる貢献をなした。とりわけ世界初の試みである各国の詩人・文学者等との連詩の活動の展開は、文学の分野における文化交流、国際交流の新しい地平を拓くものであり、日本文化と日本文学の「文化大使」として高く評価されている。

連詩のこころみ
諸外国の詩人たちと、常に初対面に近い状態で、共同制作の詩を数日間差し向かいで作る創造行為で、大岡氏が提唱し、20年以上にわたって続けているもの。日本古来の詩歌制作の根本原理の一つであった連歌・連句という集団制作の伝統を現代詩に甦らせ、「連詩」として創始したこの試みは、海外の日本現代詩研究者や詩人たちの関心を集め、同氏の主導のもとに欧州や米国各地で各国の詩人たちが翻訳者を介しての連詩活動を行なっている。いまやRenshiは各国に定着した感がある。

経歴

1953 東京大学文学部国文科卒業
1953~63 読売新聞社外報部勤務
1970~87 明治大学教授
1974~ 財団法人日本文芸家協会理事
1979~81 日本現代詩人会会長
1988~94 東京芸術大学教授
1989~94 社団法人日本ペンクラブ会長
1995~ 日本芸術院会員

受賞歴等

1993 東京都文化賞      
1993 芸術文化勲章オフィシエ章(フランス)
1995 恩賜賞・日本芸術院賞
1996 朝日賞
1996 ストルガ詩祭(マケドニアの世界詩人祭)
「金冠賞」
1997 文化功労者

著作等

「記憶と現在」(第1詩集)(書肆ユリイカ、1956)
「蕩児の家系―日本現代詩の歩み」(思潮社、1969、第7回歴程賞受賞)
「紀貫之」(筑摩書房、1972、第23回読売文学賞受賞)
「折々のうた」(岩波書店、1980、第28回菊池寛賞受賞)
「ヨーロッパで連詩を巻く」(岩波書店、1987)
「故郷の水へのメッセージ」(花神社、1989、第7回花椿賞受賞)
「詩人・菅原道真」(岩波書店、1989、第40回芸術選奨文部大臣賞受賞)
「連詩の楽しみ」(岩波書店、1991)
「地上楽園の午後」(花神社、1992、第8回詩歌文学館賞受賞)
「あなたに語る日本文学史」(新書館、1994)
「私の万葉集(全5巻)」(講談社、1993~1998)
「日本の古典詩歌(全5巻)別巻1冊」(岩波書店、1999~2000)他多数。

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