『教科書を作ろう』について
『教科書を作ろう』は、国際交流基金日本語国際センターが、海外における日本語教育への支援の一つとして開発した初級日本語素材集です。海外で日本語を勉強する中等教育段階の学習者向け教材を作成するときの参考となるように制作されています。 1999年3月に『教科書を作ろう』を、2001年5月に『続 教科書を作ろう』を刊行し、ご使用いただいた先生方からの多くのご意見を受け、2002年3月に『教科書を作ろう(改訂版)』を刊行しました。 例文・解説などを収録した「せつめい編」、練習などを収録した「れんしゅう編」(2冊)、「れんしゅう編」付属のカセットテープ(2本)またはCD(2枚)が、本シリーズに含まれる内容です。
※本教材は、2015年6月をもちまして、冊子、カセットテープ、CDの配布を終了しました。「せつめい編」「れんしゅう編」に収録されているデータは、すべて「『教科書を作ろう』を入手したい方へ」のページからダウンロードすることができます。また、音声は「みんなの教材サイト」で提供していますので、ご利用ください。
利用の際のお願い
国・地域によって、日本語教育の目的、学習時間、学習環境はさまざまです。みなさんの国・地域の学習者に合った教科書や教材を作るには、翻訳が必要なところ、もっと詳しい説明が必要なところ、学習者が親しみやすいように語彙をかえた方がいいところなどがあるでしょう。
『教科書を作ろう』を利用するみなさんとわたしたちの共同作業の結果として、生徒がページを開くときに楽しくなるような教科書や教材が、多くの国で開発されることを期待しています。
『教科書を作ろう』に収録されている素材を使ってみなさんが教科書や教材を作る場合、国際交流基金日本語国際センターから著作権に関する利用許諾を得る必要はありませんが、利用にあたっていくつかのお願いをしています。
みなさんがどのような教科書や教材を作成したのか、『教科書を作ろう』がどのように役立ったのかを、今後の国際交流基金の事業に参考にさせていただくために、ぜひ知りたいと考えています。そこで、以下のことをお願いします。
1. 完成した教科書、教材(カセットテープやCD-ROMなども含む)を3部、国際交流基金日本語国際センターに送ってください。
送付先
〒330-0074 埼玉県さいたま市浦和区北浦和5-6-36
国際交流基金日本語国際センター教材開発チーム 「教科書を作ろう」事務局
"Kyokasho o Tsukuro" Jimukyoku
Research and Development Section
The Japan Foundation
Japanese-Language Institute, Urawa
5-6-36 Kita-urawa, Urawa-ku, Saitama-City, Saitama 330-0074, Japan
TEL:048-834-1180 / FAX:048-834-1170
※なお、お送りいただいた教材は、国際交流基金の各種報告書等の出版物、ウェブサイトで紹介させていただくことがあります。あらかじめご了解ください。
2. 印刷教材を出版したり、WEB教材をインターネット等で公開される場合には、『教科書を作ろう』を使ったことを書いてください。
記載例
- この本は、国際交流基金日本語国際センターが作った『教科書を作ろう』を一部翻訳して作りました。
- この本は、国際交流基金日本語国際センターが作った『教科書を作ろう』から一部を転載して作りました。
3. 本書は日本語教育以外の教育、または営利目的の利用を想定していません。利用される方は本書の制作の趣旨をご理解のうえ、ご利用ください。
よくある質問と回答
- 『教科書を作ろう』は何ですか。
- 『教科書を作ろう』はどんな人のための本ですか。
- 『教科書を作ろう』はどんな学習者を考えて作られていますか。
- 『教科書を作ろう』には何がありますか。
- 「せつめい編」には何がありますか。
- 「れんしゅう編」には何がありますか。
- 『教科書を作ろう』はどんなレベルの教材を作るときに使えますか。
- 海外の中等教育のための素材集として、どんな特徴がありますか。
- 『教科書を作ろう』を使って、どんな教材を作ることができますか。
- 『教科書を作ろう』は何語で書かれていますか。読むときにどのぐらいの日本語力が必要ですか。
- どのようにしたら『教科書を作ろう』を使って学習者用の教材を作ることができますか。
- 文型の学習を中心にする場合、「せつめい編」と「れんしゅう編」を使ってどのように授業の準備をすることができますか。
- 場面やことばの機能を中心にする場合、「せつめい編」と「れんしゅう編」を使ってどのように授業の準備をすることができますか。
- 『教科書を作ろう』は日本国内でも使えますか。
- 『教科書を作ろう』を使って教材を作ったりコピーして使ったりしたいときに、どんな手続きが必要ですか。
- 『教科書を作ろう』はどこで買うことができますか。
- Q1. 『教科書を作ろう』は何ですか。
- A1. 海外の中学生や高校生向けの日本語の教科書や教材を作るための素材集です。必要な部Iをとりだしたり、ことばや例文をいれかえたり、翻訳をしたりして、自由に使うことができます。生徒のための教科書ではありません。
- Q2. 『教科書を作ろう』はどんな人のための本ですか。
- A2. 『教科書を作ろう』はどんな人のための本ですか。 海外の中学生や高校生向けの日本語の教科書や教材を作る人のための本です。授業のための教材を作る先生にも役に立つでしょう。
- Q3. 『教科書を作ろう』はどんな学習者を考えて作られていますか。
- A3. 海外で日本語を学ぶ中学生や高校生を考えて作られています。しかし、直接使うのは教材を作る人や先生で、生徒ではありません。
- Q4. 『教科書を作ろう』には何がありますか。
- A4. 「せつめい編」と「れんしゅう編」があります。
- Q5. 「せつめい編」には何がありますか。
- A5. 文法項目の構造と使い方の説明があります。また、中学生や高校生の生活にあった例文があります。文型や助詞などをわかりやすくするためのイラストや図や表もたくさんあります。
- Q6. 「れんしゅう編」には何がありますか。
- A6. 単語や文型の練習から、学習者同士のコミュニケーションを体験する練習までいろいろな段階の練習があります。ペアで行うインタビュー、グループでおこなうゲーム、ひとりで読んだり書いたりする練習、クラスのみんなでテープを聞く練習など、いろいろな種類の練習があります。
- Q7. 『教科書を作ろう』はどんなレベルの教材を作るときに使えますか。
- A7. 初級の前半ぐらいの日本語です。旧日本語能力試験の4級ぐらいのレベルです。
- Q8. 海外の中等教育のための素材集として、どんな特徴がありますか。
- A8.
- 高校生の生活を話題にしています。
- 学習者どうしのコミュニケーションを目的とした練習があります。
- ゲームやクイズなど、楽しみながら学習できる練習があります。
- Q9. 『教科書を作ろう』を使って、どんな教材を作ることができますか。
- A9. 「せつめい編」から、学習者用の簡単な文法書、教師用の例文集を作ることができるでしょう。「れんしゅう編」から、会話集、聴解教材、読解教材、作文教材、教室活動集を作ることができるでしょう。
- Q10. 『教科書を作ろう』は何語で書かれていますか。読むときにどのぐらいの日本語力が必要ですか。
- A10. 日本語で書かれています。文法用語など少しむずかしい言葉がありますが、中級以上の日本語力がある先生が読めるように書かれています。漢字には全部ふりがながつけてあります。
- Q11. どのようにしたら『教科書を作ろう』を使って学習者用の教材を作ることができますか。
- A11. かんたんにできることとして、下のようなことがあります。
- 例文や会話例などに使われていることばを学習者がよく知っているものや理解しやすいものにかえます。
- 説明の部分を学習者の母語に翻訳します。
- Q12. 文型の学習を中心にする場合、「せつめい編」と「れんしゅう編」を使ってどのように授業の準備をすることができますか。
- A12. 「せつめい編」のサンプル「Vました」を例にしてみます。
- (1)「せつめい編」の「文-11Vました」のページを開きます。
- (2)構造図、基本〔例文〕〔解説〕の欄などを参考にして、学習者にとってわかりやすい例文や説明の方法を考えます。
- (3)次ページ発展〔「れんしゅう編」の練習〕の欄に書いてある「れんしゅう編」の練習を見ます。
- (4)「れんしゅう編」の練習のページを見ます。「5-2」テレビを見ましたか(簡単な会話の練習)、「5-5」休みのこと(テープの聞き取りと会話を合わせた練習)、「5-6」手紙(読み書きの練習)が参考になります。このようにして授業の準備に使うことができます。
- Q13. 場面やことばの機能を中心にする場合、「せつめい編」と「れんしゅう編」を使ってどのように授業の準備をすることができますか。
- A13. 「れんしゅう編」のサンプル「自己紹介」例にしてみます。
- (1)「れんしゅう編」の「1-6自己紹介」のページを開きます。
- (2)〔手順〕の欄のようにテープの聞き取り練習から始めて、実際に自己紹介をするという方法を参考に授業の流れを考えます。
- (3)次々ページ〔先生へ〕の欄を読んで自己紹介の構成の説明を考えます。
- (4)自己紹介でよく使う文型の説明や練習を考えます。「せつめい編」の欄にある「文-01」Nです、「文-02」NはNがすきです の解説や例文が役に立つでしょう。
- Q14. 『教科書を作ろう』は日本国内でも使えますか。
- A14. 文法項目の説明や、ことばの定着のための練習、コミュニケーションの練習のアイディアは国内でも使えるでしょう。日本の生活場面 の練習がほとんどないので、くわえる必要があるでしょう。
- Q15. 『教科書を作ろう』を使って教材を作ったりコピーして使ったりしたいときに、どんな手続きが必要ですか。
- A15. 国際交流基金が著作権を持っていますが、コピーをしたり、一部を作り替えたり、翻訳したりして使うときには手続きは必要ありません。ただし、作った教材を日本語国際センターに送ってください。毎日の授業の教材のような小さいものはかまいせん。
- Q16. 『教科書を作ろう』はどこで入手することができますか。
- A16. 『教科書を作ろう』を入手したい方へのページをご覧ください。