所長あいさつ

佐藤所長の写真 2020年4月から、砂川裕一前所長の後を受けて、国際交流基金日本語国際センター所長に就任いたしました。1989年のセンター設立から30年余りの実績を踏まえ、これからもさらに活動を充実させるべく尽力したいと考えております。 近年、様々な目的で日本を訪れ、また日本で生活する外国の人々が大幅に増えていることは、日本社会の大きな変化の一つと言えるでしょう。外国人が日本語を話すことは日常の光景です。海外で様々な方法で日本語を学習する人の数は右肩上がりで増え続けています。 日本語国際センターは海外で日本語教育に携わる日本語教師に向けて、その技量を向上するための各種の研修事業や、教材の開発、日本語教育に関する情報発信を行ってきました。これからの日本社会にとって、海外での日本語教育を担う日本語教師への支援の重要性はますます高まることでしょう。 日本語教育は日本語という言語の教育にとどまるものではなく、日本社会や日本文化のさまざまな側面との密接な関わりで成り立っています。相互理解はことばの上だけでできるのではなく、社会的、文化的な意味や意義を理解し、相互の違いを許容しようとする態度も必要となります。 日本語国際センターではこうした側面を忘れることなく事業を展開してきました。今後さらに日本で生活する外国人が増加するであろうことも念頭に、日本語教育を通して様々な文化的背景を持つ人々の相互理解や共生にも貢献すべく、海外の日本語教師が日本語、日本の文化や社会に素養を持つ人材を育てられるよう、その活動の充実を図りたいと思います。 また、埼玉県、さいたま市をはじめとした自治体、地域の国際交流団体、教育機関等さまざまな組織との連携・協力を深めながら事業を展開してまいります。皆様のご協力、ご助言をお願いいたします。

2020年4月
国際交流基金 日本語国際センター 所長
佐藤 郡衛