国際交流基金 日本語教授法シリーズ
国際交流基金 日本語国際センターでは、1989年の開設以来、海外で活躍する日本語教師のためのさまざまな研修を行ってきました。1992年に、その研修用教材として『外国人教師のための日本語教授法』を作成し、日本語国際センター実施の「海外日本語教師長期研修」の教授法に関する授業で使用してきました。
近年、各国・地域の日本語教育を取り巻く環境は大きく変化しています。また、日本語教授法に関する研究も飛躍的に進んでいます。それにともない、日本語国際センターが実施する研修の内容もさまざまに変化、発展を遂げてきました。
こうした状況を受け、日本語国際センターでは、これまでに培ってきた日本語教授法をまとめ直した『国際交流基金 日本語教授法シリーズ』全14巻を制作しました。
この『日本語教授法シリーズ』は、日本語を母語としない日本語教師をおもな対象としていますが、あらためて日本語教授法を学習・研究する方々など、多くの日本語教育関係者のみなさんにご活用いただけるものと考えます。
- 『日本語教授法シリーズ』の目的
- ・自分で考える力を養う
・客観性、柔軟性を養う
・現実を見つめる視点を養う
・将来的にも自ら成長できる姿勢を養う - 『日本語教授法シリーズ』の特色
- ・実際に研修指導を行った日本語国際センター講師が執筆
・教育理論をふまえた実践に役立つ教授法を紹介
・教師自身の教え方をふり返り、自身で考えるための質問を豊富に掲載
・テーマごとに独立した巻になっているので、個々の目的に応じて学習することが可能
第1巻 | 日本語教師の役割 / コースデザイン | 日本語を教える上での全体的な問題をとりあげます |
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第2巻 | 音声を教える | 各項目に関する基礎的な知識の整理をし、具体的な教え方について考えます |
第3巻 | 文字・語彙を教える | |
第4巻 | 文法を教える | |
第5巻 | 聞くことを教える | |
第6巻 | 話すことを教える | |
第7巻 | 読むことを教える | |
第8巻 | 書くことを教える | |
第9巻 | 初級を教える | レベル別の教え方について総合的に考えます |
第10巻 | 中・上級を教える | |
第11巻 | 日本事情・日本文化を教える | 各テーマの教え方について深く掘り下げます |
第12巻 | 学習を評価する | |
第13巻 | 教え方を改善する | |
第14巻 | 教材開発 |
「『日本語教授法シリーズ』サポートページ」(ひつじ書房)もご覧ください
「第1巻 日本語教師の役割/コースデザイン」
まず自分自身の日本語教師としての仕事を振り返り、ネイティブ・ノンネイティブそれぞれの立場で教師の役割を考え直す。さらに教師として理解しておくべきことをいわゆるコースデザインという広い枠で捉えなおし、学習者の特性、教師の特性、シラバス、教授法、教材教具などについて考察する。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判76頁 |
初版発行 | 2006年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 580円 |
「第2巻 音声を教える」(音声・動画・資料 Web付属データ)
「学習者の発音を直したいけれど、どのように直せばいいかわからない」という教師は多い。この教材では、日本語の音声について理論を説明するだけでなく、学習者にとって何が問題で、それをどう練習すればいいかという実践面を重視している。母音と子音、拍とリズム、アクセントとイントネーションについて、これまで現場で行なわれてきた様々な指導法をふまえつつ、非母語話者教師でも発音が教えられるよう、客観的でわかりやすい練習方法を紹介する。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判182頁 |
初版発行 | 2009年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 1,500円 |
「第3巻 文字・語彙を教える」
とかく単調になりがちな文字や語彙の学習を、楽しく継続的に取り組めるようにするにはどうしたらよいか、認知・記憶・動機づけの面から考える。導入や練習における様々な工夫、段階的に指導する方法など、日本語教師が教育現場で必要な情報をわかりやすく提示するとともに、世界の日本語教師の具体的な取り組み(活動例・教材例)も豊富に紹介する。そして、それぞれの活動の目的、実践する際の組み立て方や注意点をタスク形式で考える。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判123頁 |
初版発行 | 2011年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 1,100円 |
「第4巻 文法を教える」
文法を教えるときの教師の役割は何だろうか。この教材では、文法の説明をして言語知識を与えるだけでなく、文法を使って「聞く」「読む」「話す」「書く」活動を設定すること、及び、その活動のフィードバックをすることも、文法指導における教師の重要な役割であると考える。そして、実際の場面で使えるようになることを目標に、文法提示、練習、誤用訂正の方法に、工夫を加えるポイントを紹介する。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判106頁 |
初版発行 | 2010年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 800円 |
「第5巻 聞くことを教える」(音声ダウンロード)
聞くことは、コミュニケーション活動の中心でありながら、海外の日本語学習者の弱点である。この教材では、聴解を単なるメッセージの理解行為ではなく、言語習得の源泉であると捉え、自然なインプットの少ない海外において聴解指導について工夫すべきことを考える。「何を聞きとったか」をチェックするだけでなく、「どのように聞くか」を支援することを重視し、「モニターする」「予測する」「推測する」などのストラテジーを積極的に導入した教え方を紹介。実際の教室活動の体験とふり返りを通して授業設計について理解を深めていく。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判136頁 |
初版発行 | 2008年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 1,000円 |
「第6巻 話すことを教える」
日本語に触れる機会が少ない学習者の話す力をいかに伸ばすかを考える。話すプロセスやコミュニケーション能力など会話能力に関連する理論と、実際の教室活動とを結びつけて整理し、学習者主体の活動を追求する。インタビュー、ディスカッション、ロールプレイ、スピーチなどを例に、それぞれの特徴を整理した上で、初級から超級までの各レベルに応じて、普段の授業に活動を無理なく取り入れる方法を考える。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判104頁 |
初版発行 | 2007年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 800円 |
「第7巻 読むことを教える」
私たちがふだん文章を理解するために行っているさまざまな「読み」の過程を理論的に概観する。それをふまえた指導法を具体例で紹介し、初級から中級レベルまで、いずれの段階の学習者でも読む目的に応じて多様な読み方ができるようになる活動や、それを取り入れた授業の進め方について考えていく。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判78頁 |
初版発行 | 2006年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 700円 |
「第8巻 書くことを教える」
授業の中に「書く」活動を取り入れることは時間的な制約から難しい場合が多い。しかし、従来行われてきた文型練習の一環としての作業や、与えられたテーマについて書く作文だけでない、学習者がより積極的に「書く」活動を検討し、「書くこと」を見直してほしい。「書く」学習に忘れられがちなコミュニケーションの一環としての言語活動を取り入れ、意味のある文や文章を書く機会を増やす必要性とその具体的な活動例を扱う。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判124頁 |
初版発行 | 2010年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 900円 |
「第9巻 初級を教える」
初級クラスがいつも同じ教え方になっていないだろうか。自分なりに工夫しているつもりでも、文法の説明ばかり、あるいは楽しい活動を増やすことばかり考えてはいないだろうか。この教材では、初級の学習者に身につけさせたい能力とは何かを考え、その能力を育てる授業実践のために、目標の設定、学習項目の分析、授業の組み立てなど、ポイントを1つ1つ丁寧に見直していき、各自の教育現場への応用を具体的に考える。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判88頁 |
初版発行 | 2007年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 700円 |
「第10巻 中・上級を教える」
中級レベル、上級レベルとはどのようなレベルなのか。この教材では、多様化する学習者のニーズを考慮して中級・上級レベルではどのような能力を育成すれば良いのかを考える。その上で、複数の技能を組み合わせて現実的な運用に結びつける方法を検討する。さらに国内外のさまざまな教授環境のもとで、どのようなリソース(人・もの・場所)が実際に活用できるのかという点を重視し、具体的な教室活動の作り方や授業全体の流れを実際例とともに考える。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判189頁 |
初版発行 | 2011年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 1,300円 |
「第11巻 日本事情・日本文化を教える」
日本語教育において、日本事情や日本文化を扱うことは必要だと思っていても、時間がない、機会がない、情報がないという現場も多いだろう。しかし、「何を教えるか」より「どう教えるか」「どう取り上げるか」を大切にすることで、時間や環境が充分整わなくても、日本事情や日本文化を取り上げることはできる。この教材では、そのために、言語と文化を結びつける効果的なリソースを検討し、学習者と共に発見し考えながら、楽しんで教えることができる方法を提案する。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判97頁 |
初版発行 | 2010年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 900円 |
「第12巻 学習を評価する」
評価は、教師と学習者が学習成果を共有し、今後の方向性を考えるための材料である。また、学習の動機にも大きな影響を及ぼす。この教材は、目的に応じたテストの作り方、テスト結果の分析やフィードバックのしかたなど、評価に関する基本的な理論や方法を実践例とともに解説する。知識を測るだけでなく、技能や運用を評価する方法(インタビュー・テスト、ポートフォーリオ評価、Can−Do−Statements等)も積極的に紹介する。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判139頁 |
初版発行 | 2011年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 1,100円 |
「第13巻 教え方を改善する」
教師なら誰もが「学習者の日本語力が思うように伸びない」「もっと上手に教えられるようになりたい」などの問題に出会うだろう。この教材では、教師が自分自身の授業の進め方や指導技術を見直し、工夫することが解決の第一歩だと考える。教案の分析や授業観察など具体的な解決方法の実例を学びながら、ふだん気づかない自分の教え方の特徴を確認し、そこから改善したい点とその改善方法を考え出し、実行に移す能力を身につけることを目標とする。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判96頁 |
初版発行 | 2010年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 900円 |
「第14巻 教材開発」
教材開発を進めるために必要な基礎 知識と方法論を、教材作成のプロセスを疑似体験しながら、実際に直面する問題解決を通して学ぶ。教材作成のプロセスを実際に体験することで、「自分のコースについて現状の課題を整理する」「既存教材を客観的に分析する」「自分の言語学習に対する考えや、教授実践をとらえなおす」「教師同士が、お互いの言語学習に対する考えや教授実践を共有する」こともできる。
著者・編者 | 国際交流基金 |
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判型・頁数 | B5判120頁 |
初版発行 | 2008年 |
出版社 | ひつじ書房 |
販売価格(税別) | 800円 |
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