平成26年度中国大学日本語教師研修
研修参加者代表 ジャンさん(蒋 敬誠さん/中国/広西大学)
落ち葉が風に舞う季節に、美しい日本のあちらこちらが紅葉に染まり初めたこのよき日、このホームシックのシーズンに、お陰さまで、わたくしどもは、思い出多い国際交流基金日本語国際センターをあとに、国に帰ることになりました。この間、所長始め講師の諸先生方それに職員の皆様、ホストファミリーの皆様には、大変お世話になりました。 52日間というのは、短いようで長い期間であります。晴れの日も雨の日もありました。総合日本語、日本語教授法、日本文化と日本文化体験、特別講演、ホームステイ、地方研修等々、楽しくて充実した毎日でした。先生方の親切なご指導、教師研修チーム・図書館・受付・食堂・管理室のスタッフの素敵な笑顔、ホストファミリーの美味しい料理とふわふわした暖かいお布団...いま思い起こしてみますと、得るものがたくさんあったことを強く感じました。 私どもにとって、日本語国際センターはもちろん日本語力を高めたり、日本語教授法を改善したり、日本文化をより深く理解したりするよい場所ではございますが、素晴らしい友情を培う場所でもあります。私どもと日本の皆様との友情、私どもと他の国々からの研修参加者との友情、私ども中国大学日本語教師間の友情とネットワーク、この素晴らしい友情は、私どもの日本語教授事業に、私どもの将来の人生においていかに貴重であるかはこれから分かることでしょう。先生方と関係者の皆様におかれましては、どうぞ今後も変わらぬご指導・ご愛顧を賜りますようお願いいたします。
1クラス代表 コセイさん(黄 虎清さん/中国/江西師範大学)
金木犀は私たちが来るのを迎えてくれて、紅葉は私たちが帰るのを送ってくれます。時間がたつのは速いものですね。いよいよ別れる時が参りました。別れる言葉はいつもつらいですけれども、秋は悲しくてさびしいことばかりの季節のみならず、収穫の季節でもございますから、今日はこの場で収穫と感謝だけ話させていただきます。 この51日を振り返ると私たちは収穫がとても多かったと思います。
まず、教師をしている私たちは何年間または十何年間ぶりに学生生活に戻りました。緊張で楽しい学生生活を楽しみながら、中国各地方の文化や各自なりの日本語の教え方などを分かち合うと同時に、私たちは兄弟のように一緒に勉強したり、旅行したりいたしました。 次に、私たちはさまざまな日本語の教授法の理論や文化知識を学びました。私たちは日本語の教師をしておりますが、日本語の教授法の理論をほとんど習ったことがございませんでした。このセンターの先生方は熱心で、まじめで、わかりやすくさまざまな日本語教授法などを教えてくださったと同時に日本の文化知識や日本語と文化の関係なども教えてくださいました。その上に、私たちの悩みに色々な助言をしてくださいました。これから、私たちは日本語の教授法の理論で、日本語教育の研究やより良い授業ができるようになるでしょう。また、私たちは日本文化、日本人、日本などに対する理解が深まりました。このプログラムにホームステイ、地方研修などの文化体験の時間がたくさんございました。おかげさまで、私たちは大勢の日本人と直接に交流できましたし、自分の目や耳で、本などにないものにも触れましたし、いい勉強になりました。 皆さん、茶道では一期一会と言う言葉がございますが、私たちがここで出会ったのも何かの縁だと存じます。これからも大切にしていきたいと思っております。また、この間、習った知識や体験したことは私たちにとって、「鬼に金棒」という効果があると信じておりますから、帰国後、私たちはもっと人気があり、優れた教師になるために授業法の理論を研究したり、活かしたりしようと決心しております。皆さん、一緒に日本語教育に力を尽しましょう。
2クラス代表 セキさん(石 碧さん/中国/南京農業大学)
センターには、部屋や図書館や食堂など、すべて完備されていて、生活にも研修にも何の不自由なこともなく、研修に専念できました。また、同行の先生の間のネットワークもできました。研修は、短い時間でしたが、多くの時間を共有したからこそ、研修に参加された先生は、約2か月前に全然知らない他人同士なのに、今はもう家族のような存在になりました。2ヶ月の研修生活で、センターの素晴らしい先生の講義を受けたり、真剣に議論をしたり、色んな発表などを通して、日本語と教授法について、たくさん学びました。きっと一生の貴重な思い出になると思います。 研修の終了の日を迎えて、本当に時間がたつのは何と早いことだなあと実感して、胸いっぱいです。ただ、終了したのは研修期間だけです。言うまでもなく、これからが本番です。私たちは、帰国後、ここで勉強したいろいろなものの実践を進めていきます。キャンドゥの理念、JF日本語教育スタンダード、ボトムアップ、ロールプレイ、生教材、スキーマ、また一番人気の三つのPなど、今は頭の中にいっぱい入っています。帰国後、自分の授業に活用して、効率的に今までの教え方を改善できると信じております。授業に対する教師の見方は、日々、研鑽を積む中で、より良いものになっていきます。今度の研修を通して、自分の見方を問い直すことができました。ありがとうございました。 教育を通して、授業を通して、中国における日本語学習者の成長、発達を願うという点において、私たちは共通しております。今の日本語学習者が、将来を担う日中友好の架け橋となることを願っています。 私たちの活躍を見守って下さるセンターの先生方がいらっしゃることを心に留め、日々、精進していこうではありませんか。
3クラス代表 ミカさん(李 美花さん/中国/延辺大学)
楽しい金沢、京都地方研修から戻ったばかりで、まだドキドキしています。日本語国際センターでは授業を振り返り、石川県の那谷寺では生まれ変わり、帰りの新幹線の中で、これからの日本語教育において、清水の舞台から飛び降りる気持ちで頑張っていきたいと決心しました。 さて、研修期間2か月をふり返ってみると、本当に楽しくて実のある時間の連続でした。久しぶりに学生に戻ったような気がして、正直とても幸せでした。国では仕事に追われ、なかなか落ち着いて勉強する時間が取れなかったのですが、このような学習の機会を与えていただいて、本当に有難く思っております。 研修を終えて、あらためて実感したのは、この研修の内容の豊富さです。総合日本語、教授法演習、日本文化体験、特別講義などの4つの研修目標を持ち、現場で直接使われるさまざまな教授法を学びました。JFスタンダード、can-do、振り返り、授業の改善策、チェックリスト、ロールプレイカード、評価シートなどのキーワードには、奥深い内容が含まれていると思います。授業内容はもちろん、先生方の姿、授業風景、センターでの思い出などが浮かんできます。 また、盆栽見学、人形見学や歌舞伎観賞、市民交流会、ビジターセッション、地方研修、ホームステイなどを通じて日本文化を体験することもできたし、本当の日本も知ることができました。 今回の研修での一番の成果はやはり教授法の改善、意識の変化だと思います。国内で何回も耳にしていたcan-doの理念が明確になり、これからの授業で生かせそうになり、研修目標がほぼ100%達成できて、とても満足しております。 これから私たちはそれぞれの教育現場に戻りますが、帰国してからは今回の研修で学んだ知識を生かして、より効果的な授業を目指して頑張っていきたいです。こちらで体験したことや学んだことを基に、今まで以上に色々工夫を加えながら、授業に取り組んでいき、今後も積極的に研修やセミナーに参加し、常に自分自身を磨き続けて行きたいと思っております。 今回の研修で出会ったすべての人との出会いを大切にしたいです。
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国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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