平成28(2016)年度大韓民国中等教育日本語教師研修

研修参加者の声

(修了式・歓送会での、ご本人による日本語のスピーチから一部を抜粋しました)

地方研修での着付け体験(金沢)の集合写真
歌舞伎鑑賞

チョ ギョンファンさん(趙景煥さん/CHO, KYEONG HWAN/春川女子高等学校/団長)

チョ ギョンファンさんの写真 研修期間を振り返ってみますと、実りの多い充実した1ヶ月でした。「外国人が日本語を教える」という講義を始め、教授法演習と発表会、文字・語彙指導、学習の評価、文化の扱い方等の授業で教えていただいた内容は学校の現場で実際に使える楽しい授業に役立つと思います。 グローバル社会や国際社会の環境の変化にしたがって教育政策や学校現場での教師の役割も変わっていかざるを得ない状況になっています。多様な教授法や文化体験等を通じて学習者に楽しく教えること、日本語を学んで自分の人生で何が役に立ったのか、こういう目的を達成するためにはそれぞれの教育環境を自らハンドリングできる能力を備えることこそ今回の研修の重要な目標ではなかったのかと思っております。 24時間の1日を十分に活用して授業や討論、グループ別活動等のいろいろな授業を受けました。その他、一般的な授業だけではなく実際の日本の文化を体験して授業とつながるアイディア、資料および情報交換を通じて獲得したことを学校の現場で生かしていくのが大切だと思います。学習目標をうまく達成するためにそれぞれの教室環境を再編成していくのが自らできれば、今回の研修の成果ではないかと思っております。つまり、早く変化していく教育環境の中で基本的な目標や方針を守りつつ、楽しい教室活動になるように研修から学んだことをいかしていくと、実りの多い成果が得られると信じております。 31日間の研修は短くも長くもない時間でありますが、日本語の教師としてとても有意義な時間になったと思います。帰国後、短期間の授業の改善にとどまらず、学んだことを長期的に続けていくことも大切です。お互いに共有しながら頑張っていきましょう。 最後になりますが、世界の日本語の教育のために第一線で重要な役割を担当している日本語国際センターのますますのご発展とともに皆さんのご家庭の幸せをお祈りいたします。この暑さに負けずに頑張ることができたのは皆さんのお蔭です。改めまして心を込めて感謝を申し上げます。


チェ サンヨルさん(崔商烈さん/CHOI, SANG YEOL/鳳儀高等学校)

チェ サンヨルさんの写真 日本語国際センターに着いてからあっという間に1ヶ月が経ちました。施設案内を受けて、オリエンテーション、開講式、写真撮影等を終えて、本格的に硏修が始まったのが昨日のようです。防災訓練も初めての経験でしたので楽しい気持ちで参加できました。課題解決のためのいろんな教授法を教えていただき、大変勉強になりました。また、埼玉見学、名古屋での地方研修、高校生交流、ビジターセッション、ホームステイ、歌舞伎鑑賞等、文化体験を通じて得た知識や経験は帰国して自分の授業に十分活用できると思っています。特に1度も行ったことのない名古屋へ地方研修で行けたことは嬉しかったです。のぞみに乗って旅立つ気持ちは最高でした。歌舞伎鑑賞もすごく良かったです。正直に申し上げますと少し寝てしまいましたが、ぐっすり眠ることもできませんでした。なぜなら、床を「とんとん」とたたく音や俳優の高い声、それに客席で「成駒屋」「なになに屋」と叫ぶ声にびっくりして何回も起きざるをえなかったのです。 チェ サンヨルさんの写真その他、研修期間中怖い経験もありました。センターに着いて1週間も経たないうちに地震で2回も建物が揺れたので、すごく不安になりました。大きな地震が来るかもしれないとのテレビニュースを見てもっと不安と恐怖感を感じざるをえませんでした。地震で建物が揺れた夜、ドアを開けて廊下に出ましたが、誰も出てきません。それで部屋に戻って、白いヘルメットを被ってひもを調整しながらトイレの鏡を見ました。ちょっと格好良い気がして、怖い気分を忘れることができました。皆さんも地震で揺れて不安な時はヘルメットを被ってトイレの鏡を見てみてください。怖くなくなるかも知れません。韓国では防災ずきんやへルメットを被ったり机の下に入ったりした経験がなかったので、防災訓練は興味深かったですが、訓練と実際の状況とは全然違います。地震で胸がどきどきした経験も長い間忘れられない思い出になるでしょう。 まだまだ、日本語センターで習い残したことがたくさんありますが、韓国で新たな気持ちで、頑張りたいと思います。ここ、日本語国際センターで教えていただいたこと、経験させていただいたことを忘れずに、存分に、力を発揮して参りたいと思います。この1ヶ月間、いろんな場面が思い起こされますが、今思うと、授業や体験活動ひとつひとつが宝石のようにキラキラ輝いて、先生方と職員の皆さんの笑顔だけが浮かんできます。いたらない私がこの研修期間やってこられたのは皆さんのおかげです。特に優しくて温かい先生や立派な先生方に恵まれたことは本当に幸せだったなあと、今、改めて思っています。心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


キム スンビンさん(金承彬さん/KIM, SEUNG BYHN/文成高等学校)

キム スンビンさんの写真 私はもともとフランス語の教員でした。32年前にフランス語の教師としてスタートして高校で18年間フランス語を教えました。その後色々な韓国の教育課程の事情で2002年に1年間韓国教員大学で日本語を専攻しました。それから日本語教員の免許を取って2003年から今まで同じ高校で日本語を教えています。歳を取ってまた新しい外国語を習って教えることは容易なことではありません。 単語を覚えることも、会話も、漢字もとても難しいです。より一層日本語力を向上させるためには周りの環境が重要だと思いますが、日本語で話す機会はあまりありません。韓国で日本語の授業は基礎的なことを教えているだけなので私の日本語力には全然役に立ちません。しかし、今回の日本語国際センターの研修は私にとって日本語を使う機会がたくさんありました。ビジターセッションで日本人と日本の色々な生活について話し合いました。高校生交流の時には日本の高校生たちから部活や学校の制度などについて聞いたり、韓国の生徒たちの学校の生活について話したりしました。また何よりも、センターの食堂で他の国から来た日本語の先生たちと日本語で会話することは非常に有意義でした。 これからもこのような研修のチャンスがあったらまた参加したいです。ここで今まで学んだ教授法をもとに、韓国に帰ってうちの学校の生徒たちに最善を尽くして日本語の授業をしたいです。それから韓日間の文化交流を通して学生たちに良いイメージの日本を知らせたいと思っています。この1ヶ月間、韓国は猛暑でとても蒸し暑い日が続いて、毎日すごく大変だとニュースで聞きました。でも私たちはこのセンターを守ってくれる神様の助けであまり暑くなかったので元気に研修を終えることができて本当に良かったと思います。研修の間いろいろお世話になったセンターの皆様に深い感謝の気持ちを持って国へ帰ります。本当にどうもありがとうございました。


イ チヨンさん(季知營さん/LEE, JEE YOUNG/崇義女子高等学校)

イ チヨンさんの写真 日本語国際センターで、私たちは誰かの母でも妻でもなく、また誰かの担任でもない、ただ1人の日本語教師としての自分自身に出会うことができました。もう1度、大学生だった10年か20年前のように日本語だけを考え、いい日本語の教師になりたいということだけを考えていたこの30日間は、幸せそのものでした。 日本語の授業ではARCSモデルや文化の扱い方などを学び、やる気がなくなっている生徒たちの意欲を高めようと改めて考えるきっかけになりました。また、地域や年齢も違う研修参加者たちがひとつのグループになって色々な話し合いができた教授法の授業はとても楽しかったので、帰ったらとても懐かしくなると思います。授業中の話し合いの時に、日本語で話さなければならないのに韓国語で話してしまうこともあり、先生に申し訳ないな、と思ったこともあります。でも、先生はいつも笑顔と親切な声で話しかけてくださいました。また、きれいな手書きのフイードバックは感動的でした。 ここで、私たちには32名の友だちや日本語国際センターの先生方のように、頼りになるサポーターができました。それに、北浦和での思い出も胸いっぱいなので、韓国に帰る今は、日本語の教師として心のお金持ちになっている気がします。1ヶ月間、本当にお世話になりました。

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国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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