日本語教育指導者養成プログラム(修士課程)17期生
(研修期間:平成29(2017)年9月~平成30(2018)年9月)

日本語教育指導者養成プログラム(修士課程)は、各国の日本語教育界において指導的役割を担う人材を養成する目的で、平成13年度に開設された政策研究大学院大学との連携プログラムです。平成29年度のプログラム(研修期間:1年)は、2か国から2名が参加し、全員、日本語教育の修士号を取得しました。

研修参加者の(左から)

アセーリさんとマリーナさんの学位記授与式での写真
学位記授与式(平成30(2018)年9月14日、政策研究大学院大学にて)

アセーリさん(スルタナリエワ アセーリ/SULTANALIEVA ASEL/キルギス/ビシケク人文大学)

【研究テーマ】中級学習者を対象にした通訳授業の改善-まとまった話をする能力養成を目指して-

アセーリさんの写真 学生のとき、学生交換留学プログラムで北海道教育大学に留学したことをきっかけに、日本での体験や知識をほかの人にも使えたいと思い、日本語の教師になりました。日本語や通訳の授業をどうすればもっとよく教えられるかについて考え、国際交流基金の日本語教育指導者養成プログラムに挑戦してみました。 勉強はかなり忙しかったですが、教授法を始め、現代日本の教育システムや社会についての知識を得ることができ、大変勉強になりました。効果的な教授法を考えるために、時代とともに学習者のニーズも変わるので、教え方のふりかえりをしながらその時のニーズに応えるよう、学習者のニーズやビリーフ調査を行う必要があると気が付きました。自分の国で日本語教育の勉強ができるチャンスがなかなかないので、非母語話者日本語教師のためにこのようなプログラムがあり、勉強しやすい環境の中に住みながら1年間で修士号を取れることは大変ありがたいと思います。また、教授法の勉強だけでなく、特定課題研究報告を書きながら、研究のやり方やデータの分析などについても勉強できました。課題やレポートの締め切り、そして研究課題の提出は次々とあり、忙しい毎日でしたが、この1年間あっという間に終わりました。 帰国してから所属の大学でこの1年間で習得した知識を生かしながら、通訳授業に関する研究を続けたいと思います。また、機会があれば、ぜひキルギスの先生方にこの1年間の勉強をシェアしていきたいと思います。


マリーナさん(マリーナ バハー ハビーブ/MARINA BAHAA HABIB/エジプト/アインシャムス大学)

【研究テーマ】感覚に着目したオノマトペの学習活動-日常生活のリソースを用いて-

マリーナさんの写真 私は2008年にエジプトの国立アインシャムス大学外国語学部日本語学科に入学し、日本語を4年間学習しました。エジプトで日本語は珍しい言語なので、挑戦してみたかったのです。2014年に、同大学に勤めて、日本語教師として仕事をしはじめました。 大学の日本語教師として、大学院に進学しなければならなかったので、日本での留学プログラムをいろいろ探していました。国際交流基金日本語国際センターの修士プログラムのお知らせを見つけた時、1年だけで修士号が取得できるということは非常に魅力的だと思い、申請しました。エジプトからこのプログラムに参加した人がいないため、どんなプログラムになるか、どんな生活をするかなどについて、何も知らずに、日本に飛んできました。 初めての留学なので、とても楽しみにしていました。ただし、こんなに忙しくなることを全然想像しませんでした。日本語の教授法をはじめ、第二言語習得理論、日本語学、異文化コミュニケーション、現代日本の教育や社会についての授業を受け、自由時間がほとんどないほど課題やレポートなどが毎日ありました。しかし、そのおかげでたくさんの知識を得ることができました。また、自分の研究を進められるような環境を与えていただいたため、研究のやり方、データの見方、分析の仕方などを学ぶこともできました。 このプログラムに参加していろいろな意味で成長したと思います。これからは国に帰って、この1年間で学んだことを活かし、自国の日本語教育に貢献したいと思っています。

お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)