平成30(2018)年度 海外日本語教師長期研修

参加者の声

(修了式・歓送会での、ご本人による日本語のスピーチから一部を抜粋しました。)

平成30年度 海外日本語教師長期研修参加者の集合写真
地方研修で訪れた日光

1クラス
マリアナさん(マリアナ ブリット/MARIANNA BRITO/ブラジル/リオデジャネイロ連邦大学公開講座)

マリアナさんの写真 この研修に参加できたことは、今でも信じられません。どうしてかというと、私は子供のころ、日本のアニメを見て、日本語に興味を持ち始め、日本へ行くのが夢だったからです。もし、そのとき日本のことに全然興味がなかったら、きっと今ここにいなかったと思います。
研修に参加する前は、自分の日本語が本当に心配でした。他の人たちと比べてばかりで、自分のことを見失っていました。いつも自分の足りなさを感じて、自分のいいポイントを見ることができませんでした。 しかし、この研修に参加して、1クラスで特に皆さんや先生方がやさしくしてくださったおかげで、私だけではなくて、きっとみんなが自分のいい所を見つけることができるようになったと思います。でも、日本語の勉強はまだ長い道のりで、本当の勉強は始まったばかりです。これからもっとがんばりたいと思っています。
ここで過ごした180日の1日1日は、まるでパズルのようでした。毎日新しい1ピースを置いて、絵を完成させていきました。その絵は、さまざまな国から来た理想の教師と理想の授業です。私たちは、日本語教育を共通点として出会って、毎日日本語教育について話し合い、共同生活をしました。すばらしい経験になったと思います。
1クラスは、インドネシア、コスタリカ、ブラジル、クロアチア、インド、バングラデシュ、チュニジア、トルコなど、さまざまな国から来た人が集まって、家族のように温かい雰囲気でした。日本文化以外に異文化理解もできました。
研修での経験は、全部深く印象に残っています。これから、研修で学んだことを授業にいかしたいです。
センターの先生方、スタッフの皆さん、6か月間大変お世話になり、どうもありがとうございました。私達はセンターを家のように感じています。日本で会った人々を忘れたくないです。これから体は別のところにいますが、心は、ずっとここにあります。研修に参加させていただき、どうもありがとうございました。


2クラス
リザさん(リザ デスミタ/LIZA DESMITA/インドネシア/プカンバル第四高校)
ガヤニさん(ウィーラシンハゲ ドーナ ガヤニー ニサンサラー/WEERASINGHEGE DONA GAYANI NISANSALA/スリランカ/スリ ラーフラ 女子高 マーベラ)

リザさん(左)とガヤニさん(右)の写真 この長期研修の参加者は29か国から来た42人ですが、私達2クラスは9か国(インドネシア、フィリピン、ミャンマー、スリランカ、キューバ、ホンジュラス、ウルグアイ、ウズベキスタン、トルクメニスタン)から来た9人でした。
違う国、違う言語、違う文化、違う意見を持っていましたが、みんな同じ点がありました。それは、みんな日本語の先生であり、日本語を教えるのが好きな人ということです。
この6か月の間、たくさん勉強したり、宿題や発表などをしました。大変なときもありましたが、終わったあとは大きな満足感を得ました。また、私たちの日本語能力も伸びました。自分の国で日本語を話すチャンスがあまりありませんでしたが、ここでは、日本語で話すチャンスが毎日たくさんありました。
一番心に残ったのは、文化体験プログラムでした。茶道や地方研修など実際に自分の目で見たり、体験したりして、日本文化が理解できるようになりました。帰国した後、生徒達に日本の文化を面白く紹介できるようになったと思います。日本の文化を教えてくださった先生方にも感謝いたします。
そして、2クラスのみんな。毎日一緒に勉強したり、笑ったり、食べたり、遊んだり、旅行したり、楽しく過ごしましたね。違う文化、違う意見なので、考え方が合わなかったときもありましたが、自分の意見を言い合って理解しあうことで、ひとつの家族のようになりました。
特に、2クラスの担当の先生に感謝しています。私達がとてもうるさくても、長い時間かかっても、いつも明るくて笑顔で、私達の話を聞いてくださいました。日本語や日本文化だけではなく異文化についてたくさん話をして、興味を持たせてくれました。そして、いつも勉強を応援したり、一緒に笑ったりして、先生であるだけではなく、私達の一番いい友達になりました。先生、この6か月間いろいろお世話になり、ありがとうございました。今一番言いたいことは「この研修で2クラスは最高だった」ということです。
半年間一緒に暮らした長期研修のみなさん、6か月の間に勉強したことや日本で新しく発見した文化を、帰国した後で、自分の学生に教えましょう。そして、もっといい先生になるように頑張りましょう。いい友達がたくさんできたので、これからも連絡しあいましょう。国へ帰っても、日本語の勉強を続けて諦めないで頑張りましょう。
最後に、私達は「さようなら」と言いません。もう一度、また会いましょう。


3クラス
アユさん(セプティ アユ マウラニ/SEPTI AYU MAULANI/インドネシア/チレボン看護大学)
ドゥックさん(ホアン ヴー ドゥック/HOANG VU DUC/ベトナム/チュン・ヴン高校)

アユさんとドゥックさんの写真 6か月の長期研修を無事に終えることができたのは、センターのスタッフのみなさんや先生方の丁寧であたたかいご指導のおかげです。大変感謝しています。
3クラスといえば、「発表のクラス」でした。何の授業でも、何のテーマでも、発表がありました。一週間に1~2回ぐらい発表をしました。大変でしたが、楽しかったです。発表がたくさんあったからこそ、今の私は自信を持って、皆の前で日本語ですらすら話せるようになりました。でも、実は発表のおかげで、自分の話す能力が上がっただけではなく、友達の発表を聞いて自分の知識も広げられるようになったことが分かりました。3クラスの発表生活は大満足です。
以前の自分と比べてみると、私はとても変わりました。自分の成長は蝶の一生のようです。蝶は蝶々になる前は、青虫ですね。蝶々と青虫が見ている世界は、同じではありません。以前の私は、青虫のように、自分が見ている世界は広いと思っていましたが、実は狭かったのです。でも、ここに来て、いろいろなことを学んで、目が覚めました。今まで見ていた世界は葉っぱの広さだけでしたが、蝶々になった今の私が見られる世界はとても広くなりました。 この広い世界の中から私達を選んで、長期研修プログラムを受けさせていただき、本当にありがとうございました。何よりも一生忘れられない思い出になりました。
帰国の日を目の前にして、悲しいか、嬉しいか・・・。今、心の中で闘っています。帰国したくない気持ちもありますが、国で私達を待っている家族や学生達のために、国へ帰らなければなりません。
この研修は終わりますが、私達はそれぞれ自分で自分の新しいドアを開けていきます。今、蝶々になった私達は自信を持って自分の羽で大空に羽ばたくことができます。この羽に色んな夢、期待を背負って明るい将来に進んで行けると信じています。
ここで身につけた、いろいろな力があれば、教師の仕事でも生活の中でも自信を持って輝いてうまくやっていけると思います。仕事だけではなくて、これからも新しい関係、新しいチャンスもどんどん広げていけるはずです。
そして、今まで私達が築いたネットワークを続けましょう。SNS、メール、手紙、年賀状などを送り合えば、皆さんがどこの世界にいても、心と心の距離が近くなると思います。うれしいことだけでなく悩みも共有して、これからも良い関係を続けていきましょう。どうもありがとうございました。


4クラス
ウダーニさん(バーラスーリヤ ムディヤンセーラーゲー ウダーニ スガンディカー バーラスーリヤー/BALASOORIYA MUDIYANSELAGE UDANI SUGANDIKA BALASOORIYA/スリランカ/ケラニヤ大学)
アリーナさん(ハリウリナ アリーナ/KHALIULLINA ALINA/ロシア/カザン連邦大学)

ウダーニさん(左)とアリーナさん(右)の写真 私たち4クラスは10か国から11人が集まった、とてもまじめでにぎやかなクラスだったと思います。いろんな国から集まった11人でしたが、それぞれ個性的で魅力的な仲間でした。
4クラスの私たちをいつも見守ってくださった先生に対する感謝の気持ちは、言葉で表せません。日本語教師としても、人間としても、これから私たちがどのように成長していくかをよく考え、いろんな授業や活動を準備してくださって、本当にありがとうございます。さまざまな科目を指導してくださった先生方にも感謝の気持ちを伝えたいです。
数ある授業や活動の中で、特に印象に残ったのは模擬授業です。1学期に勉強した内容をうまくいかし、2学期の模擬授業を作り上げました。テーマを選ぶところから教案を完成させるまで、いろいろな困難がありましたが、先生方の指導のおかげでそれぞれの課題を解決できたと思います。
この長期研修では29か国から来た42人がセンターで出会いました。はじめは知らない人ばかりでしたが、今はまるで兄弟のように親しいです。これまで世界地図のどこにあるかも知らなかった国々からの日本語教師たちと出会い、日本語を通してそれぞれの文化の素晴らしさを感じることができたと思います。これからもみんなとの「兄弟感」を大切にして、日本だけではなく日本語を学んでいるいろんな国とつながり、ネットワークを作っていきたいと思います。
日本語教師としてまだ経験が少ない私たちは、この長期研修に参加して多くのことを経験しました。経験を通して自分の中にある自分なりの教師像を探せたと思います。帰国後も、ここで得た貴重な知識を、同僚や学生たちに広げていきたいと思います。また、今まで学生の興味が薄かった授業を興味深いものにして、日本、日本語、日本文化に興味を持つ人材を育てていきたいと思います。 国際交流基金日本語国際センターは日本語教師教育の本家で私たちはそこで育った子どもです。本家で育てられた私たちはこれから世界中に旅立ち、活躍していきます。
いつかまた本家に戻ってきます。「さようなら」。また会う日まで。


研修参加者代表
イドゥリスさん(ラービディ ドゥリス/LAABIDI DRISS/チュニジア/カルタゴ大学ボルジュ・セドリア先端科学技術学院)

イドゥリスさんの写真 長期研修の参加者の中には、日本に初めて来た人が42人中、26名います。私も初めて日本に来た一人です。さいたま市は、とても安全で静かな所で、集中して勉強することができました。また、私はジョギングが好きで、よく夜遅くまで走っていました。浦和、赤羽、大宮、上尾などを走っていると、たくさんのすばらしいところが発見できました。きれいな公園や魅力的な通りなどを思い出すたびに、心は今もあたたかくなります。
11月には、ホームステイを体験させていただいて本当にうれしかったです。私たちは、日本に来て家族からはなれていて、ちょっとさびしかったですが、ホストファミリーの皆さんの雰囲気はとてもあたたかくて、自分の家にいるように感じました。そして、家族の皆さんにとても優しくしていただきました。
ほかに、11月には羽生第一高校、1月にはさいたま市の3つの小学校も訪問させていただき、貴重な経験ができました。生徒の皆さんはとても元気で、勉強にも部活にも前向きに取り組んでいるのがよくわかりました。先生方はとても忙しそうでしたが、私たちと交流してくださいました。1月には、北浦和のもちつき大会に参加させていただいて、とても面白かったです。自分で、もちつきをしてみて、日本の伝統的な文化がもっとわかるようになったと思います。 帰国後は、ここで学んだことをいかして、日本語や日本文化を教え続けたいと思います。もちろん、自分で日本語の勉強も続けたいと思います。そして、私の家になったさいたま市にぜひまた来たいと思います。
みなさんとまたお会いできるのを楽しみにしています。ありがとうございました。


お問い合わせ

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教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawa@jpf.go.jp
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