令和元(2019)年度 海外日本語教師基礎研修

研修参加者の声

(修了式・歓送会での、ご本人による日本語のスピーチから一部を抜粋しました。)

東京見学にて集合写真
東京見学にて

1クラス
マヘーシカーさん(チャラニ マヘーシカー/AMARATHUN ACHCHI COLAMBAGE CHALANI MAHESHIKA/スリランカ/コッターワ アーナンダ マハー カレッジ)

マヘーシカーさんの写真 私たちが去年の9月に日本に来てから、もう6か月になります。家族や友人と離れて一人ここに来たばかりのころは、心ぼそくて、不安でしかたがありませんでした。ですが、たくさんの人たちに支えられ、少しずつ気持ちを切り替えていくことができました。研修を終えた今、達成感と感謝の気持ちでいっぱいです。 研修では、日本語、日本文化の授業に加えて、茶道、浴衣着付けや、和太鼓デモンストレーションなどの文化体験、また、ホームステイ、学校訪問、地方研修など、様々なプログラムを実施していただきました。それらはいうまでもなく、私たちにとって最高の経験となり、大きな収穫となりました。 特に、ここまでご指導くださった先生方には感謝しております。日本語や日本の文化、生活、習慣、教授法についていろいろなことを教えてくださいました。ずっと私たちの手を握り続けるように支えてくださった先生方、本当に、本当にお世話になりました。 また、この期間の中でたくさんの日本の方たちと出会えたおかげで、日本の社会、文化、生活などの最新事情を肌で感じ、理解することができました。日本の皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。言葉でどう伝えればいいかわからないぐらいです。ぜひ私たちの心からの気持ちを受け入れてください。皆様のおかげで、今、わたしたちは日本語にも自信がつき、教師として視野が広がり、人生をさらに豊かに生きることができるようになりました。 そして、一緒に暮らしてきた仲間に伝えたいことがあります。この6か月間はぐくんだ友情は、これからも変わりません。私たちはいつまでも励ましあえる仲間です。助け合い、励まし合い、楽しい時間を過ごしたことは、一生忘れません。 明後日いよいよ帰国しますが、センターのスタッフの皆様、先生方、各国からの友達との関係は、ずっとこれからも続いていくと信じています。ここでの出会いは、人生の宝物です。 最後に、1クラス全員の気持ちを込めて、この半年間あたたかく見守り続けてくださったみなさまに、あらためて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


2クラス
アルシルさん(アルシル マハワン/ARSYL ELENSYAH RHEMA MACHAWAN/インドネシア/ジョグジャカルタムハマディヤ大学)
マリアさん(フェシキ マルヤム/FESHKI MARYAM/イラン/バラン言語学校)

アルシルさん、マリアさんの写真 いよいよ帰国する時間が近づいてきました。日本で過ごした6か月間はあっという間に過ぎ、この6か月の間、私たちは色々な勉強や体験をしました。6か月前、どきどきしながら、日本に到着しました。9月の初めてのホームルームでは、全く知らない人と同じクラスになって、はじめは少し不安でしたが、今は「2クラスに入ったのは幸運すぎる」と思っています。本当の家族のように、一緒に学んだり、お互いに手伝ったり、冗談を言ったり、笑ったりして、楽しい時間を過ごせました。研修で、特に印象に残っているのは、模擬授業です。徹夜した日もあり、準備は大変でしたが、PCPPの流れを意識した楽しい授業になるよう、頑張ったと思います。 また日本語の授業を通して、日本語能力が伸びたと感じています。センターの先生方、スタッフの皆さんのおかげで私たちは日本と日本語についての知識を深めることができて、日本語教師として前よりもっと自信が持てるようになりました。先生方は私たちに日本語の知識だけではなく、日本の習慣や生活のこと、また私たちが興味のあるいろいろなテーマについて教えてくださいました。発表を通して、今は自信を持ってみんなの前で、日本語ですらすらと話せるようになりましたし、話す能力が上がっただけではなく、友達の素晴らしい発表を聞いて自分の知識を広げられるようになったと感じています。 文化体験では、茶道、書道、浴衣着付け、紅葉狩り、三味線、和太鼓、温泉、お正月の遊び、など様々な体験ができてうれしかったです。地方研修では、初めて京都へ行き、金閣寺や伏見稲荷大社も見学できました。また好きな漢字の博物館に行って、漢字にもっと興味を持つようになり、日本の事がさらに好きになりました。今は、ここで学んだことや体験したことなどを国に帰って早速活かしていきたいという気持ちでいっぱいです。 次に、日本のCMをアレンジして作った詩を、みなさんに送りたいと思います。 私達は違う。
髪の毛の色も、肌の色も。
でも、同じように学ぶ。
私達は違う。
生まれた場所も、母語の言葉も。
でも、同じようにありがとうを言う。
私達は違う。
望むものも、信じるものも。
でも、皆日本のことを愛する。
私達は違う。
それぞれの考えも、得意なことも。
でも、皆は最後まで助け合う。
私達は違う。私達は同じだ。
私達は違う。私達は同じだ。
これから、日本語教師として、この貴重な経験や学んだことなどを生徒たちに伝えていきたいです。この基礎研修を通して視野が広がり、少しずついい先生に近づいていて、新しい扉が開いたと感じます。今日から、自信をもって、しっかりと前を向いて、未来へ向かって行きましょう。皆さんの優しさを忘れません。 最後に、私達をいつも励まし支えて下さった多くの先生方と日本語国際センターの皆様に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
またいつかお会いしましょう。「さよなら」。


3クラス
エカテリーナさん(チェクンコーワ エカテリーナ/CHEKUNKOVA EKATERINA/ロシア/エリツィン記念ウラル連邦大学)

エカテリーナさんの写真 研修生の皆さんは日本に来る前には「6か月間は長いだろうか」、「短いだろうか」という質問を自分にしていたかもしれません。1年前、このプログラムに申し込んだあと、ホグワーツ魔法魔術学校の手紙をハリーポッターが待っていたように国際交流基金からの返事を私たちも待っていました。そして来ることが決まった時は、半年はとても長い期間だと思いました。ですが、実際には研修の6か月はあっという間に経ってしまいました。 研修参加者としてみんなで集まれるのは今日が最後ですね。これは、うれしいことでもあり、悲しいことでもあります。うれしいのは、宿題も、提出期限も、もうないだろうということです。けれども、基礎研修の授業を受けるチャンスはもう一生ないと思うので、これは悲しいことなのではないでしょうか。それに、日本の生活に慣れてきた私たちは駅のホームで発車メロディとか、地震の揺れなどが国に帰ってからも、きっと懐かしくなるはずです。しかし、一番悲しいのはみんなと離れるということですよね。クラス関係なく一緒に笑顔で楽しく忘年会でいろいろな遊びをしたり、歌ったりしたことや、3クラスの皆さんと一緒に最後のスピーチの準備をしたことなどの素敵な思い出が心に残っています。 このセンターに来たばかりのときは日本での生活がうまく行くか、他の国の人と仲良くなれるか、日本語の授業の内容が理解できるか、などの色々な不安を抱いていました。ですが、センターの皆さんが私たちを温かく歓迎してくださったおかげで、安心して、勉強に集中することができました。いつも優しくご指導くださった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。大変お世話になり、ありがとうございました。 研修を通じて、日本語、教授法、日本文化という分野の知識を深めることができました。和太鼓、茶道、書道などを体験しながら、日本の見えない文化が少し見えるようになりました。さらに、センターではいろいろな国や言語の人たちがいる異文化環境で勉強でき、チームで努力しなければなりませんでした。そして、文化、社会、世界平和についてのディスカッションもたくさんし、異文化の人の考え方も少し分かるようになりました。このような環境で私たちは教師としても人間としても成長することができたと思います。 32か国から集まって来た私たちは日本語でコミュニケーションがとれて楽しい毎日を送ることができました。研修で得た知識や情報などを仕事で生かし、たくわえたエネルギーを使って、より良い自分になるためにこれからも頑張ります。別れるのは悲しいですが、皆さんと過ごした時間はとても素敵な思い出になりました。これからもこの思い出を大切にしていきたいと思います。本当にありがとうございました。


4クラス
フアンさん(モラン フアン アンドレス/MORAN TABLAS JUAN ANDRES/エルサルバドル/ホセ・シメオン・カーニャス中米大学)

フアンさんの写真 まず、今回このような貴重な研修の機会をくださった国際交流基金の皆様、授業をしてくださった先生方、毎日栄養を与えてくださった食堂の皆様、いつも暖かい笑顔で迎えてくださった受付と管理人室の皆様に心から感謝しております。そしてもちろん、基礎研修の皆さんにも感謝しています。 基礎研修のみなさん、4クラスのみなさん、この半年間、大変お疲れ様でした。経験は山ほどたくさんあり、みんな日本語教育だけじゃなくて、色々学んできたと思います。課題もたくさん乗り越えましたね。実は、恥ずかしいですが、色んな意味で私にとって3分で半年間の感想をまとめるのは多分一番難しい課題です。 この半年間はあっという間に過ぎてしまったと言っても過言ではありません。
楽しい時もあり、大変な時もありました。4クラスの皆さん、一番楽しかった時、辛かった時、覚えていますか。例えば、複合カフェの起業・開発という課題の時、みなさんでアイディアをまとめて一つの一貫性を持ったプロジェクトを完成させるのにどれほど各グループが苦労したか。でも、そのおかげでコミュニケーションと繋がりが深まったと感じられました。一方、授業で楽しい課題もありました。異文化コミュニケーションを身に着けるため、ひょうたん島という架空の国の「カチコーチ」という面白い挨拶をしたことは一生忘れられません。その他にも、毎日の授業、クラスメートと先生とのやりとり、自律学習で色々な思い出があって、そしてみなそれぞれ成長したと確信しています。ここで受けた素晴らしい授業と教授法で学んだ色々な方法をモデルに、帰国後は自分の学習者に同じような授業をみんなでやっていけたらと思っています。
日本語を共通点としてこんなに多くの国から素晴らしい人たちがここに集まったことは時々不思議に感じます。色々な国の新しい仲間を作ることができ、正に一期一会でした。 そして、4クラスの全員がもう知っていると思いますが、私の趣味の一つは漢字なので、基礎研修の皆様にこの機会を借りて、もう一つ素敵な四字熟語を紹介したいと思います。
それは、「百花繚乱」です。百本の花、たくさんの花が美しく咲き乱れるという意味です。
基礎研修の皆さんを見ると、本当にたくさんの立派な日本語教師の姿が感じられます。
基礎研修は今日で一つの「終わり」でも、色々な意味で出発点でもあると信じています。終わりは名残惜しいですが、これから1年後、5年後、10年後、私も含めてみなさんのこれからの展開、咲き方を見るのを楽しみにしています。
この貴重な思い出になる基礎研修の時間は私たち一人一人が自分の新しい目標、新しい課題、新しい挑戦の始まりになるに違いないと信じています。
これからはずっと自律学習・自主研修の時間になります。有意義に使い、咲き続けましょう。

研修参加者代表
カズさん(ティノコ カズヨシ/TINOCO FERNANDEZ ISRAEL KAZUYOSHI/ペルー/愛気文化センター)

カズさんの写真 皆さん、私たちの大冒険がついに終わりました。 来日したとき、「6か月は本当に長い」と私は思いました。しかし、気がつくと、いつの間にかその時間がすぐに終わってしまいました。なぜでしょうか。それは日本語と日本文化の知識を深めながら、一緒に楽しい時を過ごしたからだと思います。 全く違う国で異なる文化背景があるにもかかわらず、仲良くして、いい友達になってくれて、ありがとうございました。これはやはりお互いをつなげてくれた日本語のおかげです。 日本語や教授法の授業、文化体験、食堂でした課題の相談、遅くまでしていた自律学習、娯楽室で遊んだ夜なども今は大切な思い出です。 この6か月がたち、今、目の前にいる皆さんは単に基礎研修参加者ではなくて、素晴らしく頼もしい日本語教師の仲間であり家族でもあります。それぞれの国に帰るのは悲しいですが落ち込まないでください。一緒に過ごしていた日々が今皆さんの心の中に深く刻んであります。何十年たっても忘れないでしょう。 また、国際交流基金日本語国際センターの皆さんに心から感謝いたします。帰国したら学んだことを活かし、日本語だけではなく、生徒に体験したことがない日本文化についても伝えていきたいと思います。 そして、勉強や生活をサポートしてくださった他のスタッフの皆さん、そしてホストファミリーの皆さんにも感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。 最後に皆さんに質問です。お別れをするとき日本語でなんと挨拶をしますか。
「さようなら」よりも、「また会おう」と言ってください。
いつか、どこかで、また会いましょう。

お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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