令和4(2022)年度海外日本語教師基礎研修

研修参加者の声

(修了式・振り返りの会での、ご本人による日本語のスピーチを一部編集しました。)

1クラス
アンドレアさん(サンチェス アンドレア ガブリエラ/SANCHEZ OSIO ANDREA GABRIELA/ベネズエラ/ベネズエラ日本語教師会)

アンドレアさんの写真

今回の基礎研修は特別だと思っています。どうして特別かと言うと、私にとって初めての日本での研修だからという理由じゃありません。私は、コロナ禍の前、2019年にこの研修に応募しました。3年待ってようやく参加できましたが、コロナ禍の前の基礎研修とくらべたら、時代、ルール、社会、状況などがとても短い間で変わったと思います。日本だけじゃなくて、世界はとても変わりましたね。皆さんもこのことがよく分かりますね。コロナ禍という難しい状況にあっても、研修参加者、先生方、センターの皆さんが、毎日、ベストをつくしてきたと思います。

2022年度の基礎研修には30か国から44人が参加しました。研修の前にオンラインコースで会った人も、日本ではじめて会った人もいます。皆さんの文化が違うからこそ、いろいろな考え方をお互いに理解できて、とても仲良くなりました。

1クラスは、どんなクラスだったと思いますか。1クラスは、授業中もよく冗談を言うクラスでした。でも、冗談を言うだけではなくて、たくさん質問したり、難しくても説明したりして、お互いのことを尊敬して、理解しようといつもしていました。

そして、1クラスの中だけではなく、他のクラスとも、交流したり、意見交換したりすることがよくありました。例えば、毎週金曜日には「ハッピー金曜日」という卓球大会をしていました。その時に、卓球をしながら、楽しく日本語でいろんなことについて話して、おたがいの知らなかった一面を知ることができました。このように、たくさんの経験を通して、研修参加者みんなが家族のような雰囲気になったと思っています。

それから、この研修ではたくさん新しいことを学ぶことができましたね。日本語:日本語のレベルが高まりました。文化:異文化理解が深まりました。もちろん、教授法もよく勉強して、たぶん今、皆さんに「一番学んだことはなんですか」と聞いたら、「PCPP(*)!」と答えますよね。それでは、ホールに集まる最後の機会なのでちょっと復習しましょう...というのは冗談で、みなさん、安心してください、もう皆さんはこのことについても、よく分かっていると思います。

このように、日本語教師としての知識も深まって、教師としても成長し、研修の目標も達成できたと思います。今、自分自身のことも、みなさんのことも、とても誇りに思っています。今までありがとうございました。世界は変わりましたから、みなさんとまた会うことができると思います。また会いましょう。

(*)PCPPは、教授法で学んだ授業の流れの一つです。P…Presentation、C…Comprehension、P…Practice、P…Productionの略です。


2クラス
アンジーさん(ゴメス ソト アンジャリ マリア/GOMEZ SOTO ANGHIARY MARIA/ニカラグア/中米大学)

アンジーさんの写真

6か月。6か月と言ったら長い時間と感じられるでしょう。半年なのです。しかし、あっという間に6か月がすぎて、もうさようならの時間になってしまいました。寂しいです。なぜかというと日本に来るのに3年かかりましたから。新型コロナウイルスのせいで研修は2回中止になり、もう来るのは無理だと思いました。やっと日本に来ることができて、夢を見ているような気持ちでした。私は初めて日本に来ました。この経験が将来忘れられない貴重なものになると思います。

2022年度海外日本語教師基礎研修に参加させていただき、内容の深い素晴らしい研修を受けることができ、感謝申し上げます。日本語国際センターの皆様、先生方、スタッフ、食堂の皆様、本当にお世話になりました。

今回30か国からの44人の研修参加者と交流しながら日本語能力と教授法、また日本文化の理解を深めるため、日本で、このセンターで生活しました。皆さんそれぞれ母語は違いますが、日本語のおかげで仲良くできていい時間を過ごせました。特に2クラスの皆さんにお礼がしたいです。この6か月楽しく一緒に勉強させていただき、ありがとうございました。授業中、先生が質問した時誰も何も答えないことがよくありました。みんなは慎重な人ですよね。でも、いつも決まって最初に話をしてくれる人がいました。それからみんなそれぞれが彼のあとに続いて話しました。でも、やるべき時は一所懸命頑張りましたから、皆さんのことをとても尊敬します。それに加えて、皆さんと一緒に見学旅行をしたり、日本の伝統的な食事をしたりして楽しく過ごしました。毎日がとても楽しく感じて6か月が短く感じました。

研修では、総合日本語、教授法、文法、読解、映像視聴、実用文、日本の生活と文化など、色々教えていただき、大変勉強になりました。先生方、ありがとうございました。

残念ながら、いよいよ金曜日から帰国となりますが、「さようなら」と言いません。この研修でできた絆を忘れずにいつか、どこかで、また会えるように願っています。国際交流基金日本語国際センターの皆様、改めて感謝いたします。自分たちの国に帰ってから学んだことを活かし、日本語だけではなく、体験した日本文化のことも学習者に伝えていきたいと思います。皆さんももっとうまく日本語を教えられるように一生懸命頑張りましょう。本当にありがとうございました。


3クラス
チェタンさん(グプタ チェタン/GUPTA CHETAN/インド/国際交流基金ニューデリー日本文化センター)

チェタンさんの写真

~フィル ミレンゲ「また会いましょう」~

国際交流基金日本語国際センターの皆様、基礎研修のみなさん、半年、大変お世話になり、心から感謝しております。3クラスのみなさんにも感謝しています。

みなさん、突然ですが、PCPPという言葉をまだおぼえていますか。皆さんも気づいているとはおもいますが、私たちはどんな時も、この言葉を考えられるようになってきました。
この研修をPCPPとして考えると、ここに来る前にみんなPCPPの最初のPの部分のために、それぞれの目標を立ててきました。多分、最後の産出(プロダクション)までたどり着いた先生もいますし、今、Cの理解かPの練習のところにいて、帰国後そこから進む先生もいますね。

しかし、研修はPCPPだけではありませんでした。研修が始まった時のオリエンテーションを思い出してみると、「北浦和がみんなのふるさとになれば、うれしいです」と研修リーダーの先生はおっしゃってくださいました。長い冬休みが終わって旅行から帰ってきたときや地方研修から戻ってきたとき、ふるさとにかえってきたという感じがありましたか。みなさんにとってきっともうふるさとになったでしょう。

授業のことを考えてみると、協働学習や授業で多くのことを学ぶことができたおかげで、私たちの知識も、考え方も、異文化理解能力も、ずいぶん変化したのではないかと思います。

クラスメイトの誕生日の時、誕生日カードをかいて、渡したこともとてもいい思い出でしたね。誰かの手伝いが必要な時、クラスメイトのみなさんで助け合いましたね。

何回ハッピー金曜日はあったでしょうか。たしかではありませんが、20回はあったのではないでしょうか。こんな素晴らしい機会を作ってくれたみなさん、本当にありがとうございます。

皆さん、この半年でたくさん思い出を作れましたか。この6か月間はあっという間に終わってしまったと感じている人もいるかもしれませんが、そういう気持ちになったとき、みんなが好きなポートフォリオをだしてみましょう。ポートフォリオを開けてみると、ポートフォリオにあるものはもちろん、ないものもおもいだすことができますね。
学期おわりにはいつも先生方からレポート課題という素敵なプレゼントをもらったことも大変でしたが、楽しかったです。
そして、それだけではなくて、3クラスの皆さん、担任の先生からいただいた大事な言葉のプレゼントをおぼえていますか。それは「どうして」です。いつもやっていることの後ろにある理由まで想像させていただきましたね。レポートやポートフォリオを出す日の前のクラスの集まりもとても面白いおもいでです。

皆さん、30か国からの私たち44人、本当に仲間みたいになりました。終わりやさようならのような言葉を言いたくないです。でも、このまさに一期一会の研修はもうすぐおわりです。たくさん学んだ私たちは、帰国して日本語教師として仕事を続けます。たくさんのことを学んだ私たちの新しい旅がこれから始まります。きのう受けたワークショップでディスカッションしたことばですが、リ・エントリーショック(逆カルチャーショック)も楽しみです。

また対面でいつ会えるのか、わかりませんし、国で仕事を始めると忙しくなりますが、SNSでこれからも話していけたらうれしいです。皆さん、これからも一緒にがんばりましょう。


4クラス
チャンさん(チャン イーハン/CHAN YEE HAN/マレーシア/国際交流基金クアラルンプール日本文化センター

チャンさんの写真

日本語国際センターのみなさん、6か月間、お世話になりました。心からお礼を申しあげます。

まずは、研修生のみなさん、お疲れ様でした。30か国から44人の日本語教師が参加しているこの基礎研修はそろそろ終わるところですが、ここで一緒に過ごした日々はきっと大切な思い出になるでしょう。私にとっては、一番印象に残ったのは、「そなエリア東京」で一緒に地震の発生から脱出までの体験です。最初、シミュレーションの真っ暗なエレベーターにいるとき、私はちょっと怖かったですが、そこで一緒にいるみなさんから安心感と体験コースを続ける勇気をもらいました。そのとき気づいたのは、一人では難しいことでも、同じ目標を持った人が集まって、助け合いながらどんな困難でもきっと乗り越えることができるだろうということです。これから帰国しても、自分は一人じゃないということを絶対に忘れないでください。本研修を通して、様々な国の日本語教師と交流することができて、私自身にとっては、視野を広げて、大きく成長できるチャンスだったと思います。みなさん、それぞれの国の日本語教育の事情を教えていただき、誠にありがとうございました。

次に、4クラスの仲間たちにも感謝を伝えたいと思います。この6か月間、一緒に勉強したり、遊んだりして、本当に楽しかったです。授業で一緒に完成させた課題はたくさんありました。その中で、私が一番自慢する成果物は、私たち8人が世界平和を願う気持ちを込めて、作った世界で唯一の私たちの「わくわく世界史」ポスターです。7か国から来た私たちは国の歴史も違いますし、文化背景も違います。でも、この課題を通して、日本と自分の国の関係だけではなく、自分の国とクラスメイトの国の歴史的な関係と文化を知ることができました。やはり世界は繋がっています。昔も、今も、未来も。そして、私たちも。帰国したら、もう一緒に勉強したり、遊んだりする機会はあまりないと思いますが、たとえ離れ離れになっても、ここでできた絆を忘れないでくださいね。世界中に日本語と日本文化を普及するために、これからも交流を続けて、一緒に頑張りましょう。

また、基礎研修担当の先生方、日本語、教授法、文化体験授業など、いろいろ教えていただき、感謝を申し上げます。いつも優しくご指導いただき、誠にありがとうございました。 最後に、改めて日本語国際センターのみなさんにお礼を申し上げたいと思います。所長、担当職員さん、先生方、事務室、受付、管理室、清掃、図書館、食堂のスタッフみなさんのおかげで、研修生たちが毎日安心安全に研修を受けることができました。ありがとうございました。
この6か月間は学びの多い充実した時間でした。ここで学んだことを今後の仕事に生かしていきたいと思います。では、またどこかで会いましょう!


振り返りの会 研修参加者代表
シャフノザさん(カユムホジャエヴァ シャフノザ/KAYUMKHODJAEVA SHAKHNOZA/ウズベキスタン共和国/ウズベキスタン国立世界言語大学)

シャフノザさんの写真

3日後皆さんは貴重な経験、色々な宝物とともに帰国します。
これから教室でのグループ活動で誰が発表者になるかのゆずりあい、管理室での「おかえり」、食堂でのコックさんの「ピザとポテト」の声、娯楽室でのhappy金曜日のコップ、3階のホワイトボードのお知らせなどもありません。私たちは基礎研修の歴史になります。基礎研修で毎日皆さんの温かい気持ちや笑顔に囲まれて、楽しく時間が過ごせました。

総合日本語の興味深いトピックで日本の理解を深めたり、教授法の基礎的な知識を整理するとともに教え方のアイディアを増やしたり、文法の新たな使い方を学んだりできました。PCPP授業の流れも一生忘れないぐらい勉強になりました。

基礎研修で得た知識は記憶に、感情は魂に刻まれました。 それに加えて、茶道、書道、風呂敷、三味線、和太鼓など文化体験、ホームステイ、色々な交流会、東京見学、地方研修、学校訪問などプログラムに参加できて日本と日本文化に関する知識と経験も増やしました。

世界の広がりを感じられたり、いつも新しい経験があったり、心が温まる思い出ができたチャンスをくれた2022年基礎研修、どうもありがとうございました。授業中、授業以外でも私たちの面倒をみてくださった担当の先生たち、講師やスタッフのみなさん、図書館、研修棟、宿泊棟、食堂、管理室、CL室などで基礎研修のプログラムを支えてくれたすべてのみなさんに言葉で表せないぐらい感謝いたします。いくら感謝してもしきれないほど、私たちは「教師の天国」というところで大変お世話になりました。

基礎研修9月――夏のように暑かった9月はお互いを知る、オリエンテーションの月だった
基礎研修10月――心がそまる紅葉の美しさが悲しくても、教室の活動は楽しかった
基礎研修11月――はなと心に残った「キンモクセイ」の香りがなくなった時期、1学期も終わった
基礎研修12月――葉が落ちて木は悲しくなったが、基礎研修参加者は冬休みで楽しみだ
基礎研修1月――外は寒くて、寂しくても、模擬授業の準備でセンターは忙しい
基礎研修2月――冬の終わり降ってくれた雪で、基礎研修参加者は幸せ
基礎研修今日――6か月間得た知識と感情に感謝

一期一会で出会えた皆さんがいつも健康で心の満足感を感じて、毎日楽しい瞬間がいっぱいありますように。2022年基礎研修の皆さんお疲れ様でした。
2022年 基礎研修 大好き


お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)