令和4(2022)年度海外日本語教師オンライン研修(作文の教え方・読解の教え方)

研修参加者の声

1. 作文の教え方

2. 読解の教え方

1. 作文の教え方

えみさん(長井江美/EMI HISAOKA MURAKUKI NAGAI/ブラジル/クリチバ日伯文化援護協会日本語講座)

長井江美さんの写真 「作文の教え方」のオンライン研修に参加しましたが、私にとって、全てが勉強になりました。今まで自分がやってきた事も改善する必要があると感じましたし、知らなかった方法も学ぶ事ができました。事前学習のビデオを見たり宿題があったりと大変な部分もありましたが、ライブセッションで先生方から丁寧なご指導をいただき、他の国の先生方と意見交換などができ、刺激になりました。 特に印象に残ったのは課題の『指示文を書く』という事です。作文の授業では学習者がテーマに合った文章が書けるように、書き手がどんな目的で、誰に対して(読み手)、何について書くのか、文章の種類(ブログ、お礼、ポスター、他)はどれか等、明確に示す『指示文』が必要になります。自分はこれまで学習者に作文を書かせるとき口頭では指示していましたがきちんと文章にしていませんでした。 『外国の人に向けて自分の町を紹介する。』というテーマで指示文を研修参加者同士で考え、実際に思考マップを作成した事も大変勉強になりました。私はベトナムの研修参加者とペアになり、思考マップを見ながらお互いに説明し合いましたが、もし研修に参加しなかったら知る事も無かったであろう異国の町の様子を知る事ができ、とても楽しかったです。推敲の際のピアレスポンスなど生徒感覚で実際に体験したことも良かったです。評価シート、ポートフォリオを使ったやり方も新鮮でした。 今まで自分が行ってきた授業では作文は試験の一部で読み手は「教師」という事がほとんどでした。生徒は教師に読んでもらうために作文を書くというパターンです。これからは幅広くコミュニケーションにつながる作文活動を意識しなければならないという事を痛感しました。このオンライン研修で学んだ事を少しづつ実践していこうと思います。この研修に参加する事によって、更に頑張っていこうという意欲がますますわいてきました。 最後になりましたが貴重な機会を与えてくださった国際交流基金、講師の先生方、一緒に学んだ皆様、本当にありがとうございました。

2. 読解の教え方

ジェンさん(呉秀麗/NG SAU LAI/香港/香港日本文化協会)

ジェンさんの写真 私は文法中心の学校で教えているので、独立の読解の授業を経験したことがありません。読解の文章は日々の授業のほんの一部にしかすぎません。いつも読解文を読んで、答え合わせをして終わりです。同じやり方で繰り返すと生徒の眠気を誘ってしまうのではないかと不安です。読解の授業で他にどんな面白い、効果的な進め方があるのかと思って、オンライン研修「読解の教え方」に参加させていただきました。 このコースの前半では参加者の日常の読む活動を振り返るチャンスが与えられました。子供のときから好きな読み物を読んでいる人が多いです。楽しくやっていて、プレッシャーとか感じないはずです。母語で読むことと日本語で読むことと、いちばんの違いは知らない言葉が多い、文法がわからないなどのことです。教師の役割は、生徒に読む活動の楽しさを思い出させて、そして、生徒が日本語を読むときの負担を減らすことです。 コースの後半はどうやってその目標を達成するかについて考えさせてもらいました。10年以上日本語の教師をしていますが、初心に戻っていろいろな読む活動を体験しました。そのうちに、読解活動の練習問題は一問一答だけでなく、まだまだ教師が工夫できるところが山ほどあると気づかせてもらいました。その活動は楽しさに留まらず、「スキャニング」、「スキミング」、「言い換え」、「内容理解」という4つの読み方のトレーニングにも配慮することができたのです。4つの読み方を把握できたら、読む力も確実に強化されて、より楽しく読めます。そのうち生徒がエンジンがかかったように自ら興味ある読み物を探すようになると思われます。 英語では spoon-feed という言葉があります。いつも生徒に答えを与えても仕方がありません。手取り足取り面倒をみるより、エンジンをかけることが教師の使命だとわかりました。今回のオンライン研修も同じでした。先生方は具体的な読解の授業の進め方を演じた上に、参加者に様々なヒントを与えて、想像力を活かせて自分なりのやり方が見つかるように考えさせてくれました。研修でいろいろな国からの日本語教師と交流もできたので、素晴らしい経験だと思います。

お問い合わせ

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教師研修チーム
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