令和5(2023)年度 海外日本語教師教授法総合研修(夏期)

修了式での、ご本人による日本語のスピーチを一部編集しました。

1クラス

シンさん(沈姿岑/SHEN TZU-CHEN/台湾/国立善化高校)

シンさんの写真

センターの皆さん、先生方、研修参加者の皆さんこんにちは。
私は台湾から参りましたシンと申します。本日、1クラスの代表としてスピーチさせていただける事を、とても光栄に思っております。

まずは、国際交流基金日本語国際センターの皆さん、この度は私たちに研修のチャンスをいただき、心より感謝申し上げます。
7月21日、私はこのホールで20か国・地域の日本語の先生と一緒に津軽三味線を体験しました。その日から研修がはじまり、6週間、日本語教育に関する教授法などを勉強しました。センターが準備してくださった授業内容は私たちにとって素晴らしいものだと思います。たとえば、前から、「まるごと」の名前は知っていましたが、そんなに詳しくはわかっていませんでした。「まるごと」についての授業を受けてから、沢山の参加者が「まるごと」に興味を持ち、自分の個別研修のテーマを「まるごと」に関するものに変えました。また、音声の授業で「音読さん」のサイトを勉強したことで、私は個別研修で作った教材にこのサイトを使いました。これから帰国しても授業に活かしたいと思っています。

また、私は文化プロジェクトが一番大変でした。私のチームは日本の高校生にインタビューする計画を立てたので日本人のボランティアさんと一緒に日本で一番大きいショッピングモールに行き、たくさんの高校生に日本語でインタビューをしました。私にとってはとても貴重な経験になったと思います。
個別研修もとても思い出に残っています。私たちは自分の個別研修のテーマについて、クラス担任の先生と個別面談がありました。先生がとても良いアドバスをしてくれましたが、私は、「自分の力では個別研修を進めることができない」と思い、落ち込んでしまいました。その時、この研修に参加している皆さんが私を励ましてくれました。みなさんのおかげで、私は無事に「ひらがなの教材」についての個別研修を進めて報告会で報告することができました。みなさんの優しさを、一生忘れません。実は私達の担任の先生も報告会のとき、緊張していましたよ。

また、この研修に参加できた私たちは本当にラッキーです。今回は日本文化を理解できただけではなく、20か国・地域から33人の先生達がいらっしゃったので、沢山の異文化を体験することができました。日本語教育事情の授業で、モンゴルの学習者は幼稚園から日本語を勉強し始めると知って、私たちはびっくりしました。そして、カナダでは授業が終わってもテストがないことについても、私たちは「わー」としました。授業以外の時間でも、私たちはいろいろな話をして、びっくりして、いつも大きな声で笑っていました。例えば、牛肉食べない人もいるし、ベジタリアンの人もいました。私たちは異文化理解の能力を理解することができたと思います。

最後に、2023年の夏、私と研修参加者の皆さんは、この埼玉県の国際交流基金日本語国際センターで一緒にいい思い出を作りました。皆さんの笑顔、声は一生忘れられません。研修参加者の皆さん、そして、センターの皆さん、ありがとうございます。皆さんの健康と成功を願っています。

2クラス

グスさん(アルバレス グスタボ ダニエル/ALVAREZ GUSTAVO DANIEL/アルゼンチン/ロサリオ日本人会)

グスさんの写真

皆さん、こんにちは。
あっという間にこの素晴らしい研修の最後の日になりました。さまざまな国々から集まった32人の仲間たちとともに、この最高の経験を共有できたことを、本当に幸運に思っています。

国際交流基金日本語国際センターの先生方とスタッフの皆様、本当にお世話になりました。貴重な知識と経験だけではなく、新しい視点とスキルも提供してくださり、困った時にも手伝ってくださり、心から感謝しています。皆様のおかげで、私たちは日本語教師として成長することができたと思います。これからの人生でこの研修で学んだことを大切にし、活かしていくことをここで誓いたいと思います。

研修に参加した皆さん、本当にお疲れ様でした。この6週間、一緒に笑い、学び、困難を乗り越えてきました。言葉や文化の違いがたくさんあったけれども、共通の目標、夢と経験を通じて、本当の友情が育まれたと思います。一緒に過ごした日々、遅くまでカラオケをしたりロビーで喋ったりした夜、みんなで初めて風鈴を作った体験はとても楽しかったです。居酒屋で楽しみながらみんなが物真似できるほどどんどん仲良くなりました。この短い間に、このような素晴らしい友達ができるとは夢にも思いませんでした。そしてこれからはみんながどこにいても、お互いを応援し、協力し続けることを願っています。
明日からみんなと会えなくなるのは寂しいですが、この絆の終わりではありません。新しい始まりがきっと来るので、私たちのためじゃなくて、自分の生徒たちのためにも、みんな、一生懸命頑張っていきましょう。

最後に、心から感謝の意を込めて、日本の先生方、仲間たち、そしてこの素晴らしい国に感謝します。みんなの笑顔、ジョーク、一緒に過ごした時間の思い出を永遠の宝物として心の中で大切にしたいと思います。皆さんも、ここでの思い出を胸に、新たな一歩を踏み出し、これからの新しい挑戦に自信を持って前に進むことができると信じています。
そして、私から最後の言葉ですが、この研修でみんなが自分らしくいられて良かったと思います。自分の生徒たちも自分らしくいられる環境を作っていきましょう。
みなさま、大変お世話になりました。どうもありがとうございました。

3クラス

ノリエガさん(ノリエガ グズマン カルロス アルベルト/NORIEGA GUZMAN CARLOS ALBERTO/メキシコ/バハカリフォルニア自治大学)

ノリエガさんの写真

国際交流基金日本語国際センターの皆様、センターの先生、そしてここにいる世界中の日本語教師のみなさん。
この度の教授法総合研修に参加させていただき、心より感謝申し上げます。私は仲間の皆さんに選ばれ、3クラスの代表者としてスピーチをすることを大変光栄に思っています。

この夏のコースに参加するために日本に到着したとき、セミの鳴き声と美しい雲が私に、お気に入りの日本映画の一つを思い出させてくれました。「秒速5センチメートル」という映画です。その映画の中には、東京の夏を描写するセリフがありました。※
そして、驚くことに、埼玉のいろいろな場所も出ていました。私が日本で過ごしたこの数週間は、私の目の前でこの映画のように進行しているかのように感じられました。映画のセリフにもあった、蒸し暑い夏、溶けてしまいそうなアスファルト、陽炎の向こうの高層ビル。そして、毎日たくさんの人が電車に乗って、仕事や学校に行く日常。
私たちは毎日、一所懸命このプログラムに参加し、多くの知識や経験を得ました。このことは私たちの国々の日本語教育を向上させるでしょう。ホールでのアイデア交換、個別研修の発表、チームでの活動など、すべてが興味深い瞬間でした。高校訪問では、高校の校長先生がこの経験を一言で「素晴らしい」と要約しました。

私たちが経験した意義深い体験を決して忘れません。これからの未来に向けて、さらに優れた教師になるために努力しようと思っています。今の私たちのできることは、この知識を私たちの学校や学習者に伝えることだと思います。
私たちが再会することは難しいでしょう。私たちは皆、世界の異なる場所へ行ってしまいます。その中には、夏が来てもセミが鳴かず、コオロギの鳴き声が響く場所もあれば、電車が家への帰り道を運んでくれない場所もあります。また、雲がバニラアイスの形をしていない場所や、雨が降ると寒くなる場所もあります。しかし友達が共通の母国語を持たずに遅くまで座って笑うこのような場所はどこにもありません。でも、もしまた同じような機会があるならば、これら素晴らしいセンターの先生やクラスメートの声を再び聞くことができるでしょう。これが一番の喜びです。
その時まで、さようなら。

※スピーチでは、映画でのセリフの引用がありましたが、ここでは省略しました。

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教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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