令和3(2021)年度 海外日本語教師オンライン研修

研修参加者の声

2. 日本語教育と文化 A

4. 日本語教育と文化 B

5. 文法指導法再考

6. ビジネス日本語の教え方―ニーズを調べる

1. JF日本語教育スタンダード

上野さん(上野美香/UENO MIKA/ベトナム/ホーチミン市オープン大学)

上野美香さんの写真 研修が始まる日の朝、私はパソコンの前で緊張していました。オンラインの環境でJF日本語教育スタンダードをきちんと理解できるのか、講師の先生方や他の参加者と充実した交流が可能なのか、不安だったのです。 しかし始まってみると、不安は払拭され期待はどんどん高まりました。事前学習でビデオとテキスト教材を使って内容をおおまかに把握することによって、ライブ授業に参加するのが楽しみになりました。また、事前学習は都合のいい時間に独習できるので、仕事をしながら研修に参加することへのハードルが下がりました。
授業では、事前学習を踏まえ、講師の先生がJF日本語教育スタンダードの理念や特徴、6つのレベルの具体例とCan-doの構造、ポートフォリオの意義など、詳しく丁寧に説明してくださいました。研修前のJFスタンダードは難しいという私の印象は、「JFスタンダードは日本語教育を進めるための大切な指針である」に置き換わっていきました。
特に強く心に残ったのは、わたしの木を描いて交流する活動です。JFスタンダードの木をもとに自分の授業を木として表す活動は、自己の実践を振り返るいい機会になりました。他の参加者の木を見ながら授業の工夫を聞くことによって、授業に取り入れたい言語活動は何か、どんな言語能力が必要か一層明確になりました。 日本に比べ研修する機会が少ない海外で、コロナ禍で人との出会いも制限される中、今回の研修を通して世界中に日本語を教える仲間の輪が広がったと感じています。また、講師の先生が紹介してくださったことによって、国際交流基金のサイトが大変充実しており、貴重な情報や具体例が豊富であることも実感しました。今後、一層活用させていただきたいと思います。素晴らしい機会をいただき、本当にありがとうございました。


ヴォンさん(グェン チィ トゥイ ヴォン/NGUYEN THI THUY VUONG/ベトナム/ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学)

ヴォンさんの写真 国際交流基金日本語国際センターの海外日本語教師のオンライン研修に参加したときは、まだまだ指導経験が約2年間と少ない私は少し緊張して、他の先生と同じように経験を共有できないのではないかと心配していました。しかし、多くの知識と学びを深め、研修に参加している他の国の教師と交流することができ、それによって自分自身の経験を積むことができるので、私も非常に感動いたしました。 授業に参加した後、講師の先生がJF日本語教育スタンダードの理念や特徴、JFスタンダードの木の構造と意味、活用方法、6つのレベルの特徴と基本的な機能、ポートフォリオの目的など、詳しく説明してくださいました。私にとって、これは新しい知識であり、JF基準に基づいてレッスンを調整する必要があることを理解しています。さらに、JFスタンダード使用して各レッスンの目的を方向付け、そこからその目的を達成するための活動を方向付けることも知っています。 まだ学んだことを十分に応用することはできませんが、講師の指導により、応用して授業をより面白くしていきたいと思います。どうもありがとうございました。


カンさん(グエン レ バオ カン/HGUYEN LE BAO KHANH/ベトナム/ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学)

カンさんの写真 私はもともと理系学生として自然科学大学を卒業し、それから現在は工科大学で日本語教育部署に勤めていますので、日本語授業の際に、先輩の教師から教わった指導方法でしか授業を進めていませんでした。主にJLPT試験対策の方針に沿って試験勉強のための教案を作っていました。 本コースに参加するときまで、教育スタンダード自体は何なのか全然わかりませんでした。その結果、授業の効果や学期全体の評価、学習過程のシラバス作成などの業務になるといつも苦戦してきました。
本研修に参加したおかげで、コース目的のように日本語教育スタンダードを順番に理解することができるだけでなく、授業の構成と評価、その後の少しずつ振り返ることもできるようになったと実感しています。最も大事なのは6つレベルとCan-doチェックリストと各種ポートフォリオを通して、講師と学習者の能力を相互理解したり全体評価したりすることが一段と質アップできるということだと思っております。
現在、ベトナム国家大学・ホーチミン市校工科大学では日本語学習者が急増しているため、理系大学の学生が分かりやすい日本語資料と授業の需要、及び知識を簡単に復習できる教材の必要性が高まっています。教授に対する学生のフィードバックによれば、日本語学習の際に困っている主な理由は、教科書の知見を覚えづらく、コミュニケーションがスムーズにいかないことや、言葉を使いこなすために授業外に自分自身で自習を進めたいが、実用的な資料が不足しているということが分かりました。 上記の原因により、本コースに参加する希望は、将来日本に就くエンジニアである理系学生向けの実践的な授業をすることでしたが、コースで身に付けなければならない知識を全体的に把握して、スタンダードの木やCEFRレベルを理解し、そのことをだんだん実現することが可能になりました。それにより、授業内外を問わず学習者が自立した学習を行えることを目指し、自律的な日本語教育のさらなる発展を図ることをターゲットとし、研修に参加することを通じて、長い歴史のある工科大学はその使命を果たしたいと考えております。 また、並行してスタンダードの基本をもとに、現在運営している各日本語教育プログラムのシラバスを系統的に再考しながら、教師と生徒の連携を強化したり日本社会の文化交流を普及したりするための活動をデザインできるようにしたいと思っております。 今後、コースで講師が提案してくださった、日本語授業に役立てる教材と資料をレビューすることで、学習者が面白く予習・復習・自習を行えるようにし、その上で、コロナ感染悪化状況、学校へ登校不可能な状況でも、新規作成した教材を活用することで、問題なく学習を進めることも可能になると期待しております。 この一か月間大変お世話になりまして、講師および関係者に感謝申し上げます。将来はJFの関連するコースがあれば是非参加させて頂きたいと思います。いい勉強になりどうもありがとうございました。


リカルドさん(リカルド・ガルシア/RICARDO GARCIA/メキシコ/メキシコ州日本語協会)

リカルドさんの写真 現在、新型コロナ禍の影響で我々の日常生活が急に変わってしまったけれども、我々は人間として、新生活状況に慣れなければならないと思います。教育的に見ると今は、国際交流基金日本語国際センターが研修などオンラインで教えていることも一例です。つまり我々は、オンライン教育時代に入ったと感じています。私は初めて、オンラインを通し日本語国際センターの研修に参加して、パソコンの前で研修を受けたり、他の国の先生方と一緒に勉強したりするのは最初緊張していましたが、興味深くていい経験になりました。この研修のおかげで、JFスタンダードについて詳しく理解ができて、学ぶことがまだまだたくさんことがあるということが分かりました。例えば、うちの国の他の日本語の教師だけではなく、生徒にもきちんと日本語を教えることと日本語教育を進めるために、私たちは教師研修の講師としてJFスタンダードの方針と目的を把握するのが絶対に必要だと思います。 一方から見れば、コースの中で、私にとって一番大切なのはJFスタンダードの木のことでした。これから、私は自分の授業ではその「木」をもとにして教えたら、たぶん生徒の日本語能力がよくなると思います。コースは時間が短くて他の先生と意見、アイデアなど交換ができなくて残念なことですが、講師の説明、コースの内容・教材・ビデオがとても分かりやすくて、これからは自分の授業のために本当に役に立つと思います。 私は日本語国際センターに長・短期海外日本語教師研修に参加していた時に教えていただいた講師にまたオンラインコースでお会いできていい機会になりました。これからも、私が研修で勉強したことは他の教師と共有していきたいと思います。 国際交流基金をはじめ、国際交流基金の先生たち、スタッフの皆さんにもこの研修に参加させていただいて誠に感謝しています。


2. 日本語教育と文化

ハイルンさん(ハイルン アル ラシド/ KHAIRUN AR RASYID/インドネシア共和国/中村学校)

ハイルン アル ラシドさんの写真 今回の研修に参加させていただいて、本当によかったです。研修は対面授業ではなくても、ライブ授業で他の国にいる日本語教師と一緒に話し合って、一緒に勉強できるのがとてもいい経験でした。グループワークで意見交換を通じて、先輩の教師の話や経験を聞いて、興味深くて、いい勉強になりました。 短い時間でしたが、いろいろな新しいことを勉強できました。一番面白かったのは「表層文化」と「深層文化」のことだと思います。この前は、「文化」と聞いたら、そのような分け方が全然思いませんでしたが、今回の研修に参加するきっかけに、知るようになりました。そのような分け方で、授業で紹介するのにいいことだと思います。「表層文化」を紹介したいとき、自分の学習者にビデオと写真を見せて説明したり、文化体験をさせたりすることで授業を行えます。一方、「深層文化」を紹介したいとき、いろいろな資料や情報を準備しておいて、クラスで学習者と一緒に話し合って、自分の国の文化と日本の文化について比較することもできます。 研修の教材(ビデオとテキスト)の説明はわかりやすくて、とてもいいです。教材を独習して、分からないことがあったら、ライブ授業で質問して一緒に話し合うか、Slackというアプリでも先生と参加者同士に共有できるのが勉強にとても便利です。 現在は新型コロナウイルスの影響で、対面授業がしばらくできなくなって、オンライン授業になっています。今回の研修で経験した授業の流れや仕方が面白いと思いますから、できれば研修で経験したように自分のオンライン授業でしてみたいと思います。それに、経験したことをうちの学校の先生方にもシェアしたいとおもいます。


3. 読解の教え方 

スミレさん(ガルビン 新保 スザナ スミレ/GARBIN NIHO SUZANA SUMIRE/ブラジル連邦共和国/ブラジリア日本語普及協会 ブラジリア日本語モデル校)

ガルビン 新保 スザナ スミレさんの写真 この度、オンライン研修「読解の教え方」に参加させていただき、誠にありがとうございます。
私は初級を多く担当してきたのですが、このごろ中級なども教えることになり、「読解」についてとても不安に思っていました。教科書通りすればいいのか、レベルを決めるにはどうしたらいいのかなど不安に思っていました。また、私には読解の本、レベル別にあまりないような感じがしていました。
この研修に参加して、読解力、自分がどのように日常的に読んでいるかを最初振り返ることができました。今まで授業の振り返りはしていたものの、自分の読解の仕方まで振り返ったことがありませんでした。そして、その読み方を使って授業にも学習者がどのような読み方をすると読解力が高まるかも学びました。 読解の授業の準備はもちろん重要で、読解力にあった質問があって、それによって質問の仕方も考えなければならないことを知りました 。読解の新たな世界と言ったら大げさかもしれませんが、これからの授業に今回の研修を活かして、学習者の読解力を高めさせることができたらと新しい目標ができたと思います。 授業の前に予習するための教材の動画や資料で勉強ができてとても良かったと思います。あと問題の資料もあり、自分でどのくらい内容がわかったか計れたので良かったです。授業ではもっと深く説明があり、いろいろな国の先生方と意見交換などができてとても良かったです。
大変お世話になりました。ありがとうございました。


ハイルンさん(ハイルン アル ラシド/ KHAIRUN AR RASYID/インドネシア共和国/中村学校)

ハイルン アル ラシドさんの写真 私は読解の授業を担当して教えた経験がないので、この研修に参加することにしました。研修の参加者はいろいろな国にいらっしゃる日本語教師で、ライブ授業で充実した交流が可能なのか心配しました。でも、研修が始まって、参加者のみなさんと先生と交流しはじめたら、その心配がなくなりました。 短い時間でしたが、いろいろな新しいことが勉強できました。この研修で参加して、学生の頃の読解を学んだことを振り返りながら、より効果的・効率的に読解の学び方、教え方、テクニックなどの新しいものをわかってきました。興味深いのは「トップダウンの読み方」、「ボトムアップの読み方」、「スキーマ」、「ストラテジー」だと思います。これまでは、その名称で読解の授業を勉強したことがありませんが、この研修で初めて知りました。 ライブ授業の前に、事前学習でビデオとテキストの教材を使って勉強することはとても楽だと思います。仕事しながら、都合のいい時間に独習できるのはとてもよかったです。教材の説明もわかりやすいので、研修の内容を理解するために問題があまりありませんでした。分からないことがあったら、ライブ授業で質問して一緒に話し合うか、Slackというアプリでも先生と参加者同士に共有できるのが勉強にとても便利です。 研修中に、先生や参加者同士からの「みんなの教材」などのような教材に関するサイトや教材リソースももらいました。この研修は教える能力を高めるし、ネットワークを築くいい機会です。この研修で経験したことをうちの学校の先生方にもシェアしたいとおもいます。


マルワさん(マルワ ムハッマド/MARWA MUHAMMAD/エジプト・アラブ共和国/アインシャムス大学)

ヴォンさんの写真 私は10年前に関西国際センターで1か月ぐらいの短い研修で日本に行って、世界中の学生との文化交流をしました。そこではたくさんのことを学び、世界各国からの友達を作ることができ、日本とその文化への情熱が高まりました。それ以来、また日本に旅行する機会を望んでいました。大学生の日本語教師として読解の授業を運営するスキルが足りないので読解講座が必要だと感じました。このコースに参加する前は、JF教育スタンダードについて多くの情報を知らなかったため、読解の授業をうまく管理できませんでした。このコースのおかげで読むことや読解力についてもっとわかるようになり、読解にある質問と読解の色々な読み方の関係もわかりました。また読解授業計画の方法(前作業、本作業、後作業)について理解も深めました。これらのことを踏まえて学生の読解力を伸ばすための教師の役割も理解できました。来学期か来年読解という科目を教える担当者になったら、コースで習ったことを実施すれば、読解授業が学生にとって効果になると思います。 このコースはオンライン研修にもかかわらず、パフォーマンスの質や世界中の同僚との接触に欠けているものは何も感じていません。とても素晴らしかったです。 先生は素晴らしく、講義は整理されていて、教材は興味深くて、情報も説明も素晴らしかったです。実際日本で講座に参加しているような感じがしました。今度はJFのほかのコースにも参加する機会があれば、ぜひ参加するつもりです。


4. 日本語教育と文化 B

ジュムさん(スティラー ソーピタチャー/SUTIRA SOPITACHA/タイ/アムナートチャルーン学校)

スティラー ソーピタチャさんの写真 国際交流基金日本語国際センターの海外日本語教師研修でオンライン研修があることを知って情報を確認してから、「日本語教育と文化」の項目をすぐに選択しました。なぜかというと、以前日本へ研修に行ってきたことがあるからです。そして、現在コロナ禍のためオンライン授業で教えることが多いので、どうやってオンラインで面白い授業を取り入れるか知りたかったのです。さらに、このコースを通して自分の授業も文化を取り入れたら、学習者がもっと日本語や日本のことを理解し、興味や関心を高めるだろうと思いました。 この度、日本語教育と文化というテーマを学び、「表層文化」と「深層文化」、または「見えない文化」と「見える文化」を分けたり、ディスカッションをしたりして、もっと文化のことを理解でき、自分の文化の授業も振り返ることもできました。文化というのは、簡単なことでも面白く教えることができると理解できました。例えば、「名前」のテーマでオンラインで勉強してみて、このやり方だけでも面白かったと思いました。いろいろな先生方と一緒に学んでいるとき、大変勉強になりました。他の国は地域や場所によって文化が違いますが、何か共通点があると自分の国のことも振り返ることができました。勉強してからすぐに終わりにするだけでなく、これからどう続けるかと考えられました。このコースはオンラインコースでも、知識や異文化理解能力などが前より高まったと思います。そして、自習のときもアクティブに学ぶことができました。例えば、宿題や動画を見て、面白くてもっと学びたいと感じました。 最後に、国際交流基金日本語国際センターの先生方やスタッフの皆様、私に大変素晴らしいチャンスを頂き、誠にありがとうございます。大変感謝しております。このコースを通して、私のアイディアや日本の文化についての新しい観点や教え方も、これから少しずつ変わると思います。貴重な経験や体験を得られて何より嬉しく存じます。今後、もし国際交流基金のオンライン研修や実地研修で、また研修することができれば是非参加したいと思います。どうもありがとうございました。


マルコスさん(アントニオ・マルコス・ブエノ・ダ・シルバ・ジュニオル/ANTONIO MARCOS BUENO DA SILVA JUNIOR/ブラジル/国際交流基金サンパウロ日本文化センター)

アントニオ・マルコス・ブエノ・ダ・シルバ・ジュニオルさんの写真 今回、オンライン研修「日本語教育と文化」に参加させていただき、誠にありがとうございます。オンラインで6回のライブレッスンで短い期間でしたが、大変いい勉強になりました。 本研修は「準備」と「実践」の2つのパートに分かれて、「準備」のところで理論を勉強しましたが、自分で分かったことをグループワークで他の国の先生方とインタラクションをしながら、ディスカッションをしたおかげで色々な発見ができたと思います。例えば、異文化理解の能力を持つ人はどんなことができるかについてのディスカッションでは具体的な要素「知識、技能、態度」がつながっていることをグループワークで発見ができました。その結果、異文化理解の能力の育成は「深層文化」の概念にも関連することができるのではないかとの話が印象に残っています。 「実践」のパートでは授業への文化の取り入れ方のタイプの話も大変いい勉強になりました。特別授業や文化体験をしたことがある教師が多かったのですが、通常の授業の中にどのように取り入れられるかについて一緒に考えて分かったことは、簡単なテーマでも「異文化理解能力」の視点で授業を促せることができることを発見でき、とてもよかったと思います。また、ライブレッスンで時間が足りなかった場合はSlackで先生と他の教師とのやりとりもできて、とてもいい方法だったと思います。 「異文化理解能力」についての事前知識を本研修で振り返ることもできましたが、担任講師の方とクラスメイトのインタラクションのおかげで、これからの授業でももっと文化について学習者を考えさせる質問やアクティビティも作っていきたいと思っています。それから、日本語教師育成のための研修やワークショップでも本研修で勉強したことを共有したいと思っています。
日本語国際センター講師の皆様、そして一緒に参加した皆様、大変お世話になりました。


5.文法指導法再考

カンさん(グエン レ バオ カン/HGUYEN LE BAO KHANH/ベトナム/ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学)

カンさんの写真 社会人にとっては普段の生活や仕事で自由な時間が少ないことがよくあると思われています。 大学の休憩のときに雑談していたところ、「あ~あ、教師になってから、毎日忙しい、忙しい...もう何か興味深いことを学ぶ暇もなくなってきたね」と思った瞬間に、先輩と同僚仲間から、国際交流基金のオンライン研修コースの募集情報を教えてもらいました。 実は偶然とは言えないのですが、大学の教員スタッフ向けのトレーニングプログラムの一つとして、このオンライン研修コースがきっかけで、工科大学では日本語教育の改善を目指しながら、今までの仕方をもう一度考えていこうと、日本語教師全員が意識する方針になっています。
だから、採用通知が届いた時に、何の言葉でも表現できないほど嬉しくて、このチャンスを絶対に逃してはダメだという気持ちで精一杯受講してきました。もともと、国際交流基金からの書籍や研究資料、創作などは評価が高いと言われているので、今度の研修においては何かこれまでの自分の日本語教育に関する革新的なチェンジを期待していました。
「読解の教え方」と「文法指導法再考」の研修を受けたあとで、言うまでもないですが、自分の感じられたことと言えば、日本語授業の担当に対する考えに大きな変化が生まれたような気がします。それは、今までの自分のやり方はもう効果的にはならなくて、もう時代遅れだろうと考えるようになりました。その代わりに国際交流基金の先生方が教えてくださった指導方法や実践形式、特定の目的にあった進め方を参考にしたり、関連する資料を活用して、実際の授業で試してみたら、意外に学習者からの進歩がどんどん見えてきたと感じています。この変化はとても新しくてポジティブなインパクトを与えられると実感できました。
なぜならば、「学習者のために、学習者を中心とした授業を常に考慮するようにしましょう」と、毎回の講義で先生方からの意図が分かってきたからです。私もそういう精神を持ち続けて、自分の学習者に積極的に伝えていきたくなりました。彼らは徐々にアクティブになって、勉強のやる気が出てきて、何でも発表したがっていることが上記の変化の喜ばしい結果です。よく考えたら、「自分で発見したことから自分の記憶へ。または、自分が間違えたことから自分の知識へ」という学習方法が私にとっても私の学習者にとっても一番適切なものになっているかと思っています。
少し話題が変わりますが、客観的に言えば、講師が参加者の反応や返事に対して全部対応できないこととか、講師一人でしかお話をしていないこととか、こういった形を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、最近この二つの研修コースに参加した私の考えでは、それらの意見に反対したいです。私たち参加者はときどき黙ったり、疲れたような顔をしたりしていても、先生方はぜんぜん気にしないで全部許し、面白くて質が高い授業をしてくださってとても感激しました。もちろん、私たちを笑わせる授業中のお話がいっぱいありました。質問やもっと知りたいことがある時でも、先生方は時間が制限されることを問題にせず、優しい気持ちいっぱいで熱心に解答してくださって、心より感謝しております。先生方の授業の運営の技術に憧れるようになったのが私の一番言いたいことです。だから、今回、このコース担当の日本語国際センターの先生方の授業を受けることができてすごく嬉しくて勉強になりました。
最後になりますが、まとめの授業で先生が言ったように、日本語教育に興味のある方々に出会えてよかったとのことです。だから、この機会を大事にして、これからいろいろ学んだ貴重な知識を「桜の種」にして、「桜の公園」を作っていきたいと思います。
つまり、同じような関心を持っている参加者仲間で一緒に助け合いするようにして、より広く多様性のある日本語教育ネットワークを築いていこうとの目標の達成ができるために、今は小さなことでもいいと思うので、できることから始めて少しずつ努力するつもりです。
コースは短期間ですが、一生忘れない思い出になっております。
いろいろお世話になりまして、日本語国際センターの先生方および関係者各位に感謝申し上げます。
将来も、オンラインのコースでも訪日のコースでも、両方の国際交流基金の関連するコースがあれば是非参加させて頂きたいと思います。


ギャーさん(ドウ フウ ギャー/DO HUU NGHIA/ベトナム/ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学)

ギャーさんの写真 私はこの「文法指導法再考」から様々な知識を学べました。 最初の印象的なことは先生のプロフェッショナルな授業の仕方です。そして、授業中に先生は様々なインタラクティブな活動で教えてくれたので、納得したことがまだ頭に残っています。 それに、世界中から集まった日本語教師との授業に参加して、異なる文化を感じたり勉強の相談などについてたくさん議論することができました。日本語しか使用しないので、自分自身の文法を教える能力を高められ、日本語の授業としても役に立ちました。 これからも考え続けていきたいこと:(1)インプット理解の練習、(2)言葉によらない指導方法、(3)アウトプット指導、の3つです。 その理由は、

  • (1)学生は自律的に学んだほうが、長期的に覚えている。
  • (2)先生はあまり言葉で説明しない。
  • (3)学生は友だちとたくさん相談して積極的に活発に授業に参加すると効果的、ということです。

1か月半ぐらい先生がたと皆と勉強して、様々な友だちが作れて、豊富な知識が勉強でき、心から感謝します。
また機会があれば、一緒に勉強したいです。先生方、本当ありがとうございました。


吉永さん(吉永幸代/YOSHINAGA YUKIYO/ブラジル/パラナ日伯文化連合会ロンドリーナ・モデル校)

ユキコさんの写真 「文法指導法再考」コースを受講し、多くの学びと気づきを得ることができました。 まず、自分の文法の授業で欠けていたことが分かりました。学習者が習った文法をコミュニケーションで使えるようになるために必要な「インプット理解のための練習」の重要さを学ぶことができたので、早速授業で取り入れています。また理解を深めるための「授業の流れ」も体験することができました。例えば、ライブ授業での講師の先生のアイスブレイクは参加者の身近な話題に触れつつ、文法項目や事前学習の内容に関連付けられていて、授業を設計する上で大変参考になりました。 コース全体の締めくくりとして、最後のライブ授業で講師の先生がしてくださった「振り返り」でも2つの大きなお土産をいただきました。1つ目は、理解の定着です。自分では授業内容が分かったつもりでいても、時間が経つと忘れていることがあり、最後の授業でもう一度コース全体の振り返りをしていただいたことで、理解が深まり知識がより定着したと感じました。2つ目は、参加者がライブ授業で行ったミニ模擬授業についてのフィードバックです。先生のフィードバックは文法授業に関するとても大切なポイントを考えさせてくれるものでした。 1か月という短い期間でしたが、いろいろな国の方々とのディスカッションや授業アイデアの共有など、大変貴重な経験もさせていただきました。一緒に学んだ皆様、そして日本語国際センターの講師の先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。


6.ビジネス日本語の教え方―ニーズを調べる

トゥイさん(フエン ティ トゥ トゥイ/HUYNH THI THU THUY/ベトナム/ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学)

カンさんの写真 私は理系日本語教育という道を2018年から歩み始めました。専門は理系で、日本語教育ではなかったので劣等感を持っていました。ですので、同僚より2倍3倍努力して、猛勉強しました。その時期に国際交流基金日本語国際センターから採用通知を頂き、本当に嬉しかったです。精一杯頑張ろうと通知をもらってからずっと思いました。そして、いよいよ開始日が来て、世界中の教員方々と出会えて、意見交換でき、有意義な時間を一緒に過ごせて、良かったです。 『ビジネス日本語の教え方―ニーズを調べる』を選択した理由としては、日本で新入社員研修受講と社会人経験があった自分にとって非常に興味深く、ベトナムでもそういう研修・教育を実践したいという夢を持っているからです。日本では社員向けの研修実施センター等が多く、教育のプロフェショナル講師も多いです。ベトナムでは、日本語教育機関にビジネス講座等もありますが、まだ連結性・応用性が不足していると感じています。ホーチミン市校工科大学は学生が卒業してからすぐ日本で就職できるように新日本語プログラムを増加しています。ですので、その需要を満たせるように今から積極的に対策を講じています。教員である自分も全体的に勉強しながら微力ですが、貢献したいと思っております。 このテーマを受講して、一番勉強となったことは現在の状況の振り返り、改善方法及び今後の課題を見つけたことです。6週間はあっという間に終了しましたが、今後の教育方針に大きく印象付けしました。また、いつか皆さんと会えて、互いに成長した自分を話し合いできれば幸いです。誠にありがとうございました。 2022年度も、また国際交流基金日本語国際センターより、たくさん勉強させていただきたいです。

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Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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