古川 嘉子(ふるかわ よしこ)FURUKAWA Yoshiko

学歴

マコーリー大学 Macquarie University 応用言語学修士


おもな教授歴

1986~大学
日本語学校で非常勤講師として勤務
1990~現在
専任講師(開所当初、日本語教育専門員)として勤務
1996~1998年
オーストラリア シドニー日本語センター(当時) 主任講師
2004~2007年
インドネシア ジャカルタ日本文化センター 主任講師

日本語国際センターでの担当

1990年に日本語国際センター専門員(当時の名称)として着任しました。これまで短期研修・長期研修、大学院プログラムなど様々な研修の担当をしました。制作事業課(現教材開発チーム)に在籍した際には教材開発やJF日本語教育スタンダード開発にも携わりました。2013年4月から2017年6月まで専任講師主任を担当しました。

海外勤務

シドニー、ジャカルタの両日本文化センターで主任講師を務めました。主な仕事は現地の中等教育に対する支援事業(教師研修、教材開発など)でした。

教材開発

日本語国際センターでの教材開発としては、いずれも共同で『海外中等教育向け初級日本語教育素材集 教科書を作ろう(改訂版)』の作成、「みんなの教材サイト」の開発(https://minnanokyozai.jp/)、『国際交流基金日本語教授法シリーズ 13巻 教え方を改善する』の執筆、JF日本語教育スタンダード開発などに携わりました。
インドネシアでは、同国の2004年カリキュラムに準拠した高校の教材作成プロジェクトに参加し、インドネシア人の先生たち、現地の教育省と、日本から派遣されたジュニア専門家などとの協働作業を経験しました。2007年に完成した『にほんご1,2』は、インドネシアの高校で広く使われました。

日本語教育の実践と研究

2015年に調査報告書「21世紀の人材育成をめざす東南アジア5か国の中等教育における日本語教育-各国教育文書から見える教育のパラダイムシフト-」
http://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/research/five_southeast_asia/index.html を共同執筆し、2016年1月に同タイトルの第21回海外日本語教育研究会でシンポジウムを開催しました。(報告:http://www.jpf.go.jp/j/urawa/about/world/wld_repo_160130.html
また、日本語教育のコースデザイン論について『国際交流基金日本語国際センター紀要第14号』に、「日本語教育におけるコースデザイン論の展開とその課題」という研究ノートにまとめました。
http://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/research/report/index.html


執筆論文、著書、発表など

主な論文

  • 「日本語教育におけるコースデザイン論の展開とその課題」『国際交流基金日本語国際センター紀要第14号』pp.7-18,2018年(単著)
  • 「自分の関わる日本語教育プログラム像を描いてみよう―プログラム可視化テンプレート試用版を用いて―」2016 年 WEB 版『日本語教育実践研究フォーラム報告』2016年(共著)
    http://www.nkg.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/12/2016_SGtokunaga.pdf【PDF:1.1MB】
  • 「グローバル社会における言語教育パラダイムの展開と評価-CEFRとJF日本語教育スタンダードをめぐって-」『日本学研究叢書 第9巻日本語教育の研究』,人民教育出版pp.483-506,2016年(単著)
  • 「インドネシアの高校・大学日本語教師への質問紙調査に見る日本語学習の意味づけの変化」『国際交流基金日本語教育紀要11号』pp.7-19,2015年(共著)
  • 「評価基準と評価シートによる口頭発表の評価-JF日本語教育スタンダードを利用して-」『国際交流基金日本語教育紀要7号』pp.51-67,2011年(共著)
  • 「国際交流基金レポート16 ノンネイティブ日本語教師研修における上級日本語教育の課題〜海外日本語教師短期研修の実践から〜」『月刊日本語学』2011年(共著)
  • 「「国際交流基金日本語教育スタンダード」の構築・「日本語能力試験」の改定、及びその連関」『ヨーロッパ日本語教育14』pp.43-52, 2010年(共著)
  • 「(ICJLE2009シドニー大会を振り返って)評価の分野を中心に」『日本語教育143号』pp.24-32, 2009年(単著)
  • 「社会文化的アプローチから見た「教室」と「教室」を支えるICTの利用」『日本語教育の過去・現在・未来 第3巻 教室』pp.180-204, 2009年,凡人社(共著)
  • 「インドネシアの中等教育向け日本語教材作成プロジェクト」『国際交流基金日本語教育紀要3号』pp.45-62,2007年(共著)
  • 「インドネシアの高校日本語教師の成長を支援する教師研修プログラム」『国際交流基金日本語教育紀要』第2号pp.81-96,2006年(共著)
  • 「海外における日本語教師の教材作成認識-共同作成経験者へのインタビュー・データを中心に-」『共生時代を生きる日本語教育』pp.239-261,2005年,凡人社(単著)
  • 「日本語教師のためのCSCL環境「みんなの教材サイト」の開発と評価-利用者の視点を重視したサイト開発と運用の実際-」『国際交流基金日本語国際センター紀要14号』pp.13-32,2004年(共著)
  • 「インターネットを利用した日本語教師に対する教材制作支援-「みんなの教材サイト」http://www.jpf.go.jp/kyozai/の構築と運用-」『国際交流基金日本語国際センター紀要13号』pp.2-18,2003年(共著)
  • 「海外中等教育向け初級日本語教育素材集『教科書を作ろう』『続教科書を作ろう』」『国際交流基金日本語国際センター紀要12号』pp.137-142,2002年(共著)
  • 「ナラティブ分析によるビリーフ調査の試み- 長期研修生への社会言語学的インタビューを通して-」『国際交流基金日本語国際センター紀要11号』pp.51-67,2001年(共著)
  • Developing Resource Materials for Australian Schools -- Teacher talk in the primary Japanese classroom『国際交流基金日本語国際センター紀要』第9号,1999年(共著)
  • 「オーストラリアの初等教育における非母語話者教師の日本語ティーチャートーク」『国際交流基金日本語国際センター紀要』第8号,1998年 (単著)

その他出版物

  • 『21世紀の人材育成をめざす東南アジア5か国の中等教育における日本語教育-各国教育文書から見える教育のパラダイムシフト』国際交流基金日本語国際センター(共著),2015年
  • 『教え方を改善する』国際交流基金日本語教授法シリーズ13巻,ひつじ書房,(共著)2010年
  • 『JF日本語教育スタンダード試行版』「Ⅳ-2ヨーロッパ言語ポートフォリオ(European Language Portfolio:ELP)」pp.68-91(共著),「Ⅴ-4 ケルン日本文化会館日本語講座」pp.209-233(分担執筆),国際交流基金,2009年

主な口頭発表

  • 「ビジネス日本語教育における言語教育プログラム可視化テンプレートの利用」第20回ビジネス日本語研究会 ポスター発表,2017年
  • 「インドネシアの「2013年カリキュラム」関連教育政策文書に見る新しい資質・能力観を踏まえた「態度」育成について」ICJLEバリ 口頭発表,2016年
  • 「21世紀の人材育成をめざすASEAN5か国の中等教育における日本語教育-教育政策資料の比較分析から-」2015年日本語教育学会春季大会口頭発表,2015年
  • 「プログラム評価を通した日本語教師の専門性の向上」2012年日本語教育国際研究大会パネルセッション「現場日本語教師主体のプログラム評価の提案」, 2012年
  • 「Bレベル学習者の書く能力を高めるための“カギ”-B1・B2学習者の作文の分析を手がかりとして-」2012年日本語教育国際研究大会ポスター発表, 2012年(共著)
  • 「日本語コース設計における目標の構造化−海外日本語教師短期研修「総合日本語」でのカリキュラムの見直し−」2012年日本語教育国際研究大会ポスター発表,中国・天津,2011年(共著)
  • JF Standard for Japanese-Language Education 2010”,The First Annual International Symposium of Foreign Language Learning, SEAMEO Regional Centre for Quality Improvement of Teachers and Education Personnel(QITEP) in Language(インドネシア・ジャカルタ), 2010年
  • 「日本語教育コーディネート能力」伸長プロセスのモデル化」パネル発表「日本語教育の国際化と日本語教師のキャリア形成―日本語教師養成における「国際的連携」強化を目指して―」日本語教育学会2010春季大会『予稿集』pp.75-77, 2010年
  • 「JF日本語教育スタンダード試行版と現場の協働」 パネルセッション「JF日本語教育スタンダードの開発と運用」JSAA-ICJLE2009 国際研究大会 (豪州・シドニー), 2009年
  • 「「日本語教育スタンダード」の役割―JF日本語教育スタンダードの構築を通して―」第14回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(ドイツ・ベルリン自由大学), 2009年
  • 「JF日本語教育スタンダードの開発」日本語教育国際シンポジウム「東南アジアにおける日本語教育の展望」(タイ・バンコク),2008年

ひとこと

浦和のセンターでは、本当に多くの、様々な日本語教師に出会います。センターも開所してから30年近くたっていますが、最近は、国・地域、教える場、学習者の特徴は違っても共通する「日本語教師性」のようなものを感じます。大事にしていることや、目指すことが似ているのです。その間の教育の世界のグローバルな変化があったからかもしれません。これからも、日本語教師のみなさんの「声」に耳を傾けていきたいと思います。

海外の現場やJF日本語教育スタンダードの開発を経験して、特にカリキュラムの開発、運営、評価を見ていく「プログラム論」が重要だと考えるようになりました。今後も、ツールの開発も含めて、調査や研究を続けていきたいと思っています。