日本語教材・教授法等の開発

JF生活日本語Can-do

はじめに

国際交流基金は、日本語を母語としない外国人が、例えば在留資格「特定技能」等で来日する場合、日本での生活場面で求められる基礎的な日本語コミュニケーション力をCan-do Statement(「~できる」という課題遂行力を表す形)で記述し、「JF生活日本語Can-doJF Can-do for Life in Japan)」としてリストにまとめました。本リストのCan-do数は、2019年8月現在(※)、381項目です。

※本リストは、継続的な検証を予定しており、微修正を行う可能性があります。

また、このうちCan-do 248項目を学習目標とした教材を開発しています(2020年3月末にウェブサイト上で公開予定)。

開発の背景と目的

2018年に「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、新たな在留資格「特定技能」が創設されました。この資格では、1号特定技能外国人に求められる日本語能力水準として、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有する」ことが基本(※)とされています。

JF生活日本語Can-doは、日本での生活場面を中心に、この「特定技能」の資格等で来日する人に求められる基礎的なコミュニケーションを例示したものです。就労場面については、業種を問わず必要になると思われる、ごく一般的なコミュニケーションに限定して記述しています。

JF生活日本語Can-doは、日本で生活する外国人が、来日前にどのような日本語の能力を身につけておく必要があるのかを具体的に知る手がかりとなります。「特定技能」の資格等で来日を希望する人のための日本語教育においては、学習目標の設定や学習成果の評価に活用できます。また、国内では、日本語を母語としない外国人を受け入れる機関や地域の方々に、コミュニケーションの目安として活用されることも期待しています。

JF生活日本語Can-doJF日本語教育スタンダードとの関係

2010年に、国際交流基金日本語国際センターは、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages: CEFR)を参照して開発したJF日本語教育スタンダード(以下、JFS)を発表しました。JFSのレベルはCEFRのレベルと同じA1レベルからC2レベルの6段階に分類されています。

JF生活日本語Can-doは、このJFSの理念や考え方に基づいて開発(※1)したものですが、そのレベルは、JFSのA1レベルとA2レベル(※2)に対応しており、A1レベルの項目は158項目、A2レベルの項目は223項目あります。このJF生活日本語Can-doには、JFSCan-doJF Can-do)をそのまま利用したものや、ごく一部を変更したものも含まれています。利用したJF Can-doの項目番号は、JF生活日本語Can-do一覧内に明示されています。

※1 「JF生活日本語Can-do」の開発にあたっては、「『生活者としての外国人』に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案について」(文化審議会国語分科会2010)、「日本語教育における学習項目一覧と段階的目標基準の開発-報告書-」(国立国語研究所2009)、「リソース型生活日本語」(AJALT https://www.ajalt.org/resource/別サイトへ移動します)も参照しました。

※2 前述の「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」はA2レベルを目安にしています。

JF生活日本語Can-doのカテゴリーについて

JF生活日本語Can-doでは、日本での生活・就労場面における日本語によるコミュニケーションを、「出かける」、「暮らす」、「働く」の3つの大カテゴリーに分類しています。各大カテゴリーは、さらに、具体的なコミュニケーション場面を示す小カテゴリーに分類されています。

図1 JF生活日本語Can-doのカテゴリー一覧

JF生活日本語Can-do(381)の表。
大カテゴリー「出かける(128)公共空間でのコミュニケーション。やりとりの相手は、店員や施設の職員など公共の役割を担う人々。」の小カテゴリーは交通機関を利用する、街を歩く、飲食店を利用する、買い物をする、郵便局/銀行を利用する、公共機関を利用する、娯楽施設を利用する、地域の行事/活動に参加する、美容院を利用する、クリーニング店を利用する、医療機関を利用する、緊急時に備える/対応する。
大カテゴリー「暮らす(179)さまざまな場所での私的なコミュニケーション。やりとりの相手は、友人や知り合いなど(外出先でのやりとりでも友人との私的なやりとりはこちらに含む)。」の小カテゴリーは生活の中で聞いたり話したりする、生活の中で読んだり書いたりする、テレビを見る/ラジオを聞く、会話を円滑に進める、緊急時に備える/対応する。
大カテゴリー「働く(74)職場でのコミュニケーション。やりとりの相手は、職場の上司や同僚など(同僚との休憩時間や忘年会、交流会に関するやりとりも含む)。」の小カテゴリーは職場で聞いたり話したりする、職場で読んだり書いたりする、緊急時に備える/対応する。

JF生活日本語Can-do一覧の見方

図2 JF生活日本語Can-do一覧(抜粋)

下に添付しているJF生活日本語Can-do全体リストPDFのから一部抜粋された、キャプチャ画像。クリックすると拡大画像にリンク。
項目 説明
番号 JF生活日本語Can-doの整理番号
大カテゴリー 「出かける」「暮らす」「働く」の別
小カテゴリー JF生活日本語Can-doで取り上げているコミュニケーション場面(図1参照)
JFS種別・整番 JF Can-doの整理番号
<例>
JF 455:既存のJF Can-doを利用したもの。
JF) 476:既存のJF Can-doのごく一部を書き換えたもの。( )で示し、元となるJF Can-doの整理番号を表示しています。
レベル JFSの該当レベル
JF生活日本語Can-do JF生活日本語Can-doの記述文
言語活動 Can-doの言語活動の種類。「受容(読む)」「受容(聞く)」「産出(話す)」「産出(書く)」「やりとり(口頭)」「やりとり(文書)」で表示しています。

JF生活日本語Can-doダウンロード 

JF生活日本語Can-do一覧のダウンロードはこちらから。

  1. JF生活日本語Can-do全体リスト
    1. 全体リスト【PDF:590KB】
    2. 全体リスト【EXCEL:156KB】
  2. 大カテゴリー別のJF生活日本語Can-doリスト
    1. (1)「出かける」【PDF:318KB】
    2. (2)「暮らす」【PDF:363KB】
    3. (3)「働く」【PDF:226KB】
  3. 教材で扱うJF生活日本語Can-doリスト【PDF:390KB】

お問い合わせ先

国際交流基金日本語国際センター
教材開発チーム
電話:048-834-6561
Eメール:nc_shinkyozai@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)