平成14年度 国際交流基金賞/奨励賞 授賞式 川口外務大臣の祝辞


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本日は、皇太子同妃両殿下並びに高円宮同妃両殿下の御臨席を賜り、国際交流基金が設立30周年を迎え、国際交流基金賞並びに国際交流奨励賞授賞式が盛大にとり行なわれることをお慶び申し上げます。

まず、国際交流基金賞及び国際交流奨励賞を受賞された皆様方に、心よりのお祝いを申し述べたいと思います。

基金賞を受賞された大岡信氏は、日本文化の対外発信だけでなく「詩」という共通のジャンルで国際的に共同制作を行なうという新たな交流の形を作られ、また、ジェラルド・L・カーティス氏は、日本の政策決定過程につき鋭い分析を行ない、我々日本人も紐解く著書を多数書いてこられました。ここに改めて御両名の功績に深い敬意を表します。

また、相互理解の基本となる人と人との交流の成功に心を砕いてこられた東京YWCA「留学生の母親」運動、タイ国元日本留学生協会の活動、そして我が国に関する質の高い研究を続けてこられたワルシャワ大学東洋学研究所日本韓国学科の活動を高く評価いたします。

本年は国際交流基金の創立30周年にあたり、この栄えある国際交流基金賞・奨励賞も第30回を数えます。

国際交流基金が設立された当初、日本は顕著な経済的発展により世界から注目を集めながらも、日本のものづくりや日本的なアプローチの背景にある日本の歴史、風土、思想、文化は十分広く知られてはいませんでした。

爾来30年、国際交流基金の努力もあり、世界における対日関心や理解は着実に高まってきております。私は、2000年7月に環境庁長官となるまでの5年3ヶ月の間、国際交流基金日米センターの評議会委員を務めておりました。その自らの経験からも、これまでの国際交流基金の歩み、貢献を評価しております。

川口外務大臣写真2

今日の国際社会では、グローバリゼーションやIT化が深まる中、社会に恩恵がもたらされる一方で、異文化間の接触の機会が増え、人々の心の中に異なる文化に対する不寛容さが生まれる場合も見られます。

 異なる文化への寛容さをはぐくみ、「多様な文化の共生」を図ることの重要性は、特に昨年9月11日のテロ事件以降、国際社会の中で一層強く認識されています。
 国際交流基金、そして、今回受賞された方々のように国際相互理解、国際友好親善の促進に努めてこられた方々の果たす役割は一段と重要になってきているのです。

 皆様の今後の益々の御活躍、御発展に期待を寄せつつ、お祝いの言葉とさせていただきます。

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