国際交流基金賞 特別企画~受賞者が見るコロナ下での国際交流~
山海塾 主宰 天児牛大さんからのメッセージ

山海塾の写真

2013年受賞

山海塾

―この一年、コロナは活動にどのような影響を及ぼしましたか。

ちょうど1年前の2020年1月にフランスから日本に帰国したところ、COVID-19の猛威が広がり始め、準備を進めていた東京での山海塾の『ARC 薄明・薄暮』『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』公演が延期となり、その後のヨーロッパツアーも都市のロックダウンですべて中止となりました。

例外として、フランスの海外県のひとつであるレユニオン島から、11月初旬のフェスティバルのオープニングで『卵を立てることから―卵熱』を上演してほしいと数年前から望まれてきていた公演があります。フランス本土はロックダウンの都市も多く、開催が危ぶまれていましたが、レユニオンはマダガスカルの近く、インド洋に在る島ですのでロックダウンせず、開催の決定の知らせがようやくあり、かなりタイトな日程で準備を進め、公演に行くことができました。3公演を無事にやり遂げ、踊り手、スタッフとも皆健康で行き来してくれ、幸いでした。

―今後の国際交流の在り方、展望についてお聞かせください。

今年、来年と公演の問い合わせはあるものの、今の状況の沈静化し、何より国境が開かれ、各国の経済が回復してくれなければ、我々の活動は困難です。

我々の仕事は身体での表現です。劇場という暗箱に作品によって未だ見ぬ世界と時間を展開するライブの公演です。その場に来てくださる方々との出会いの場こそが根幹です。

先が見えない不安に耐え、未来を見据え、世界を構築する意志が、創造という行為には不可欠だということを改めてかみしめています。

山海塾 主宰
天児牛大

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