【取材のお願い】ウクライナ詩人 オスタップ・スリヴィンスキー氏招へい事業 ~戦時下で変容する言葉と言論を考える、日本とウクライナの文化人対話~

2023年12月26日

国際交流基金(JF)は2024年1月12日(金)から22日(月)にかけて、ウクライナの詩人オスタップ・スリヴィンスキー氏を日本に招へいします。ロシアによる侵攻を受けて戦時下にあるウクライナで、戦闘が激しい東部から逃れてきた避難者やその支援に携わる市民、元兵士らの証言を集め、文芸ドキュメント『СЛОВНИК ВІЙНИ(邦題:戦争語彙集)』にまとめたスリヴィンスキー氏。招へい期間中は同書を日本語に翻訳した日本文学研究者ロバート キャンベル氏とともに、作家の桐野夏生氏や平野啓一郎氏、哲学者の鷲田清一氏ら日本の文化人と対話し、ウクライナ人留学生や東日本大震災の被災者らと交流します。

この度初めて来日するスリヴィンスキー氏は、ウクライナ西部リヴィウ在住の詩人。翻訳家や文芸評論家、研究者としての顔も持ち、ウクライナ・カトリック大学で教鞭をとるほか、国内外の文学賞の受賞や、翻訳家としての功績が認められ、過去にはウクライナ政府から表彰されています。2022年2月のロシアによる侵攻開始後は、ボランティアとして避難者の支援活動を行うかたわら、日常的に使われている言葉の戦時下での変化に気づき、人々の声に耳を傾けて、独白を記録していきました。こうして書き留められた証言77篇を一冊の辞書に見立てて編み、文芸ドキュメント『СЛОВНИК ВІЙНИ』として出版。現在、欧州を中心に10数か国語に翻訳されています。日本では、キャンベル氏が日本語に翻訳し、自身が2023年6月にウクライナを訪れた際の記録を新たに加えて、『戦争語彙集』(岩波書店、12月22日発売)として刊行されました。

滞在期間中には3件の一般公開事業を実施します。早稲田大学国際文学館と共催する国際フォーラム(1月18日)では、チェロ奏者溝口肇氏の奏でる音色に乗せて、出版されたばかりの『戦争語彙集』に収められている証言を俳優の紺野美沙子氏やスリヴィンスキー氏が朗読するほか、日本留学中のウクライナ出身の学生らと交流します。また、東欧史や文学の研究者との公開座談会も行います。日本ペンクラブ協力による座談会(1月19日)では、同会長で作家の桐野夏生氏、同国際委員長の平野啓一郎氏らと戦時下で変容する言葉や言論をテーマに議論します。東日本大震災の被災地である仙台市で、市民による震災のアーカイブ活動「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を運営する「せんだいメディアテーク」におけるイベント(1月21日)では、哲学者で同館長の鷲田清一氏と戦時下の人々の日常と言葉の変容や、戦災や震災を語り継ぐことをテーマに討論します。

オスタップ・スリヴィンスキー氏の画像
来日予定のオスタップ・スリヴィンスキー氏 

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