【取材のお願い】第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館展示キュレーターは青木淳氏に決定
2024年7月11日
国際交流基金(JF)は、2025年5月10日(土曜日)から11月23日(日曜日)にかけて、イタリア・ヴェネチアにおいて開催される「第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館展示を主催します。このたび、展覧会概要が決定しましたので、 お知らせいたします。
ヴェネチア日本館 改修イメージ図
(c)藤倉麻子+大村高広
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館展示 概要
- タイトル
- 中立点 - 生成AIとの未来(英題:IN-BETWEEN – A Future with Generative AI)
- 主催/コミッショナー
- 国際交流基金(JF)
- キュレーター
- 青木 淳(建築家、AS Co. Ltd.代表)
- キュラトリアルアドバイザー
- 家村 珠代(インディペンデントキュレーター、多摩美術大学教授)
- 出品作家
- 藤倉 麻子+大村 高広(アーティストと建築家によるユニット)
砂木(木内 俊克と砂山 太一による建築ユニット)
第19回 ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 全体概要
- 会期
- 2025年5月10日(土曜日)~11月23日(日曜日)
- 会場
- ジャルディーニ地区(Giardini)、アルセナーレ地区(Arsenale)、他ヴェネチア市内各所
- 総合ディレクター
- Carlo Ratti
- 総合テーマ
- Intelligens. Natural. Artificial. Collective.
- 公式ウェブサイト
- La Biennale di Venezia
青木 淳(あおき じゅん)
撮影: 前谷開 1956年横浜生まれ。1982年に東京大学修士課程建築学修了。磯崎新アトリエ勤務を経て1991年、青木淳建築計画事務所(現在、ASに改組)を設立、主宰。
代表作に、「馬見原橋」、「潟博物館」、「青森県立美術館」(1999年建築学会作品賞)、「ルイ・ヴィトン名古屋・栄」、「大宮前体育館」、「三次市民ホール きりり」、「京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)」(西澤徹夫との共作、2021年度建築学会作品集)など。
2005年に芸術選奨文部科学大臣新人賞、2021年に毎日芸術賞を受賞。京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)館長。東京藝術大学名誉教授。
公式ウェブサイト
キュレーター・ステートメント
幾何級数的なデジタル技術の進化のなか、ごく近い将来、生成AIが私たちの社会、環境、あるいは私たちの内面をも、まったく異なる様相に変えてしまうのではないかという不安が、現在、全世界を覆っています。とくに日本は、SNSなどデジタル技術の普及のなかで、ポリティカルにコレクトで、ただミスや欠点がない、最大公約数的で凡庸な社会に向かって突き進んでいるように思われます。
たしかに生成AIから返ってくるのは、既存データの総合から導き出されたもっとも間違えの少ない回答で、私たちはついついそれを「正解」と捉えがちです。しかし、その先に待っているのは、人間が生成AIに従う、生成AIが人間に代わって主体となる社会でしょう。
しかし、日本には、「間」という観念の歴史があります。「間」とは、古来、日常的な意味での「あいだ」である以上に、2つの事物の応答(対話)が孕むテンションであり、そのテンションのふるまいがひとつの虚なる主体として潜在するという観念でした。この伝統に倣うなら、主体を人間に置くのでも、生成AIに置くのでもなく、そのあいだの虚なる「中立点」つまり「対話」に主体を措定することに賭けてみる価値があると考えられますし、ここで提案するのもまさにその試みの実践です。人間も間違えるし、生成AIも間違える。その間違えと間違えとのやりとりのなかから、それらどちらにも属さない創造的な「つくること」が生まれるのではないか。まだ生成AIが揺籃期にあるうちに、生成AIとの生産的な付き合い方を確立し、それを今後の生成AIの進化の方向付けに役立てられないか、というのが狙いです。
今回は、「日本館」そのものをその試みの対象とします。生成AIを「日本館」を構成する複数の部位に憑依させ、それら生成AIとのギクシャクした対話のなかから、「日本館」をフィクショナルに、またアクチュアルに「改装」することを通して、人間と生成AIの「中立点」という主体を浮かび上がらせようとするものです。
ヴェネチア・ビエンナーレ(Biennale di Venezia)について
ヴェネチア・ビエンナーレは、イタリア・ヴェネチア市の市内各所を会場とする国際的なフェスティバルです。1895年に最初の美術展が開かれて以来、120年以上の歴史を刻んでいます。近年、世界各地で美術を中心に、国際展が開催されていますが、ヴェネチア・ビエンナーレはそれらのモデル・ケースとなった最も著名な存在です。「ビエンナーレ」とは「2年に一度」を意味するイタリア語で、同様な国際展の多くが「ビエンナーレ」や「トリエンナーレ」(3年に一度)と命名されているのは、ヴェネチア・ビエンナーレに範をとったものとされています。ヴェネチアには現在、美術展、建築展、音楽祭、映画祭、演劇祭の各部門がありますが、 建築展は、現代の建築の動向を俯瞰できる場として、また国別参加方式を採る数少ない国際建築展として世界の注目を集めています。
コミッショナーについて
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示の主催者/コミッショナーである「独立行政法人国際交流基金(JF)」は、世界の全地域において、総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関です。1972年に外務省所管の特殊法人として設立され、2003年10月1日に独立行政法人となりました。海外に25か国・26か所の拠点を持ち、「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ」をミッションに掲げ、世界の人々と日本の人々の間でお互いの理解を深めるため、さまざまな企画や情報提供を通じて人と人との交流をつくりだしています。2022年には、日本のヴェネチア・ビエンナーレ公式参加70年を記念して、『ヴェネチア・ビエンナーレと日本』(平凡社)を出版しました。
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藤倉麻子+大村高広, Fixing Garden, 2022ー
藤倉麻子+大村高広, Trans-prompt, 2023
砂木, 小豆島ハウス, 2022
(C)Kaori Yamane
砂木, 小豆島ハウス, 2022
(C)Kaori Yamane
砂木, 小豆島ハウス, 2022
(C)Kisshomaru Shimamura
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