海外の日本語教育環境の整備

海外において質が高く安定した日本語教育が広く実施されるよう、各国・各地域の状況を踏まえつつ、現地の行政機関や主要な日本語教育機関と連携して主に次の事業を行い、各地の日本語教育環境の整備を進めました。

日本語専門家等の海外派遣

教室でプロジェクターを使用して研修をする様子

ラオス教育スポーツ省教育科学研究所に派遣された日本語専門家が、中等教育機関のラオス人教師を対象とした夏期集中研修を実施(ラオス)

JF海外事務所や海外の教育省、大学等の教育機関に日本語教育の専門家や指導助手、若手日本語教員を派遣し(38か国126ポスト)、日本語講座の実施、現地日本語教師への研修、教材作成・日本語教授法等の助言、教師間ネットワーク形成支援、教育機関への巡回指導等を実施しました。アフターコロナで対面での教師研修やイベントも本格的に再開され、世界中の日本語教育の現場は活気を取り戻しています。

日本語教育機関支援

JFにほんごネットワーク(さくらネットワーク)メンバーや世界各国の日本語教育機関が実施する、日本語講座運営、教材購入・制作、弁論大会、日本語教育セミナー、シンポジウム等の日本語普及活動に対して助成を行いました。

  • 「さくらネットワーク」メンバーは、各国の中核的日本語教育機関・団体。2023年度末現在101か国・地域355機関。

メダルを首にかけ、トロフィーを手にする女性と、机にテキストを広げて学習している女性の2枚の写真
購入教材で学習した高校生が弁論大会で優勝し日本留学を果たす等、学習者の日本語能力の向上に寄与した (カンボジア)

3人の女性が製本した教材いろどりを手に持つ様子。机の上には製本した教材が積まれた三つの山が置かれている。
電子版『いろどり 生活の日本語』を印刷・製本した教科書が新設の日本語クラス等で利用されている(ウズベキスタン)

海外の日本語教師に対する研修

日本語国際センター及び各海外拠点において、海外での日本語教育を担う人材の育成とスキルアップを目的とした日本語教師研修を実施しました。日本語国際センターでは、世界中の国・地域の日本語教師を日本に招へいし、日本語・教授法・日本文化について学ぶ機会を提供しています。また、日本語学習プラットフォーム「みなと」を使い、日本語教師向けの教授法オンライン自習コースを新たに開始しました。

テキストやノートPCをを広げた机を囲む5名の研修参加者
教授法総合研修(夏期)

オンライン研修中の教材と5名の参加者の画像が画面右端に並んだキャプチャ
日本語専門家のミャンマー派遣再開後、ヤンゴン日本文化センターで初めて実施された「日本語教師育成プログラム第6期オンライン平日夜コース」

海外の学習者へ向けた学習機会の提供

各国の外交官・公務員や日本研究者等を招へいし、職務や研究に役立つ専門日本語の研修を行ったほか、日本語学習者等の訪日研修を実施しました。日本語能力の向上だけでなく、協力機関との交流や各種文化体験を通じ、参加者の総合的な日本理解を深めることを目的としています。

図書館の閲覧席に座ってプロジェクター画面を見ながら授業を受けている様子
関西国際センター図書館で授業を受ける各国成績優秀者研修参加者

広島平和記念公園を訪問する外交官・公務員研修参加者たちの集合写真
広島平和記念公園を訪問する外交官・公務員研修参加者

海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育

日本語国際センターでは各国の継承日本語教育関係者を日本に招へいし、「日本につながる子どもの日本語教育関係者ミーティング」を実施しました。各国における継承日本語教育の現状や課題について情報共有を行い、今後必要な取り組みについて議論しました。また、同センターの佐藤郡衛所長は、シドニー日本文化センターの共催事業として開催された国際繋生語大会(ICNTJ)において特別講演を行い、パネルディスカッションに登壇しました。

正面のプロジェクター画面を見ている参加者を会場の後ろから見た様子

国際繋生語大会(豪州シドニー)でのパネルディスカッション「ケイショウゴのこれからを考える」

リマ日本文化センター開所記念

リマ日本文化センターの開所と日ペルー外交関係樹立150周年を記念し、筑波大学とペルー日系人協会との共催で、日本語シンポジウム・教師研修会を開催しました。ペルーを含む南米スペイン語圏8か国から日本語教師27名を招き、南米地域における日本語教育のネットワーク構築の機会を提供しました。

机の置かれた教室の前方で、研修参加者が終了証を手に何列かに並んだ記念撮影の様子

日本語教師研修会閉会式での修了証授与

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