民間からの資金協力
国際交流基金は、企業、団体、個人等、広く民間からの資金協力による支援を受けて国際文化交流事業を実施しています。
ここでは、2023年度の民間からの資金協力について寄附金制度を中心に紹介するとともに、主に寄附金制度を通じて資金協力をいただいた方々や、その協力による支援を受けた事業を紹介します。
1. 資金協力の種類
(1)一般寄附金
国際交流基金による国際文化交流事業の経費の財源として活用します。
1. 一般寄附金制度
企業、団体、個人より、時期、金額とも任意で受け入れる寄附金です。2023年度に寄附金をいただいた方々は、下記の「事業費への寄附者」、「民間出えん金寄附者」のとおりです。
- 事業費への寄附
寄附金を受け入れた年度の事業経費として活用します。寄附者の希望により、実施事業の中から、寄附金を充当する事業を指定することも可能です。 - 基金(ファンド)への寄附(民間出えん金)
寄附金を基金(ファンド)に組み入れ、その運用利息を毎年度の事業費として恒久的に活用します。過去に受け入れた民間出えん金による2023年度の事業実施状況は、下記の「民間出えん金による支援事業」のとおりです。
2. 法人会員制度(賛助会)
企業、団体等の法人より年会費として一定額の寄附金を受け入れ、受け入れた年度の事業経費として活用します。1口10万円で、普通会員(1~4口)と特別会員(5口以上)があります。会員には、催しの案内、「国際交流基金年報」の送付等、各種特典を提供しています。2023年度に支援をいただいた会員は下記の「賛助会会員」のとおりです。
(2)特定寄附金
国内の法人や個人が国内外の国際文化交流事業を支援する場合に、特定公益増進法人である国際交流基金が、その支援資金を寄附金として受け入れ、対象事業への助成金として交付する制度です。本制度を利用することで、法人や個人は寄附金に対する税制上の優遇措置を受けることができます。
対象となる事業は、国際文化交流を目的とする人物交流、海外における日本研究や日本語教育、国際文化交流を目的とする公演・展示・セミナー等の催し等です。特定寄附金の受入れは、外部専門家で構成される審査委員会への諮問を経て決定します。2023年度の支援事業は下記の「特定寄附金による支援事業」のとおりです。
(3)その他
上記の寄附金のほか、協賛金、助成金等、さまざまな形で民間からの資金協力による支援をいただいております。2023年度の主な支援の例は、下記の「寄附金以外の主な支援例」のとおりです。
2. 寄附金に対する税制上の優遇措置
国際交流基金は法人税法施行令第77条及び所得税法施行令第217条により「公益の増進に著しく寄与する法人」(特定公益増進法人)に指定されており、上記の資金協力のうち、国内での寄附金については税制上の優遇措置の対象となります。
(1)法人の場合
特定公益増進法人に対する寄附金の合計額、または、特別損金算入限度額のいずれか少ない金額が損金に算入されます。
- (注1)特定公益増進法人に対する寄附金のうち、損金に算入されなかった金額(特別損金算入限度額を超える部分の金額)は、通常の寄附金の額に含めます。寄附金の損金算入限度額は次の算式によります。
- 特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入限度額
(特別損金算入限度額)
(資本金等の額×当期の月数/12 × 0.375%+所得の金額 × 6.25%)× 1/2 - 通常の寄附金の損金算入限度額
(資本金等の額×当期の月数/12 × 0.25%+所得の金額 × 2.5%)× 1/4
(2)個人の場合
所得の40%を上限として、寄附金の合計額から2,000円を差し引いた金額が所得控除の対象となります。相続財産からの寄附についても、税制上の優遇措置があります。
3. 2023年度寄附金額実績
件数 | 金額 | |
---|---|---|
一般寄附金 | 52件 | 163,406,000円 |
賛助会 | 27件 | 5,400,000円 |
事業費への寄附 | 25件 | 163,006,000円 |
民間出えん金 | 0件 | 0円 |
特定寄附金 | 16件 | 356,583,923円(注2) |
- (注2)うち、393,842,307円(2022年度より繰り越した特定寄附金58,091,284円含む)を13事業(下記「特定寄附金による支援事業」参照)に対する助成金として交付しました。残額(20,832,900円)は、6件の事業に対する助成金として2024年度に交付予定です。
- (注3)1972年の国際交流基金設立以来2023年度末までの累計で、一般寄附金として約32億7,367万円、特定寄附金として約724億2,166万円を受け入れています。
- (注4)寄附金以外の民間からの資金協力として、2023年度に総額約1億円の支援(協賛金、助成金等)をいただいています。
2023年度の寄附金等による支援者や支援事業一覧
事業費への寄附者(( )内は寄附対象事業、順不同)
- 柳井正氏(UCLA マイケル・エメリック教授の主導する日本学研究推進事業)
- 大林剛郎氏、株式会社南方ホールディングス、株式会社アルフレックスジャパン、株式会社レジストアート、ほか4法人並びに個人14人(第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示)
- 久米真氏、中山博規氏(事業費全般)
民間出えん金による支援事業(順不同)
(寄附者の意向に基づき特別事業を設定し、事業名に寄附者の名を付する冠寄附の例)
- 高砂熱学工業・日本研究フェローシップ
(寄附者は高砂熱学工業株式会社) - 渡辺健基金・日本研究フェローシップ
(寄附者は渡辺行信氏、米国研修中に事故で逝去された元外務省職員渡辺健氏のご遺族)
賛助会会員(2023年度末現在、50音順)
(1)特別会員
SMBC 日興証券株式会社/松竹株式会社/株式会社みずほ銀行
(2)普通会員
公益財団法人あすか財団/一般財団法人池坊華道会/出光興産株式会社/一般財団法人NHK財団/カトーレック株式会社/株式会社講談社/公益財団法人講道館/一般財団法人今日庵/株式会社資生堂/一般財団法人少林寺拳法連盟/一般財団法人全日本剣道連盟/株式会社第一成和事務所/大和証券株式会社/東京ビジネスサービス株式会社/一般社団法人日本映画製作者連盟/株式会社日本折紙協会/一般財団法人日本国際協力センター/野村證券株式会社/株式会社日立製作所/株式会社凡人社/株式会社三井住友銀行/三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社/森ビル株式会社ほか法人1社
特定寄附金による支援事業(( )内は事業実施国、順不同)
- アジア女子大学奨学金プログラム(バングラデシュ)
- 三笠宮記念財団支援事業(トルコ)
- CWAJ女性のための国際文化交流奨学金制度(日本他)
- LSHアジア奨学金(日本)
- 第27回ホノルルフェスティバル(米国)
- MOGU絵本プロジェクト(ベトナム)
- 南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ2023(日本)
- バルカン室内管弦楽団公演2023(日本)
- 「ミュージック・フロム・シャパン2024年音楽祭」アーティスト・レジデンス(米国)
- JACSO海外公演プロジェクト2024(イタリア)
- 四天王寺ワッソ(日本)
- 日韓交流おまつり2023 in Tokyo(日本)
- ジャパン・インスティテュート:プレミアアートスタジオとシアター(米国)
寄附金以外の主な支援例(順不同)
- パリ日本文化会館・日本友の会(会員数70社/2023年度末現在)によるパリ日本文化会館への事業実施支援
- 公益財団法人石橋財団(日本美術リサーチフェローシップ事業への寄附助成、現代美術キュレータ等交流事業への寄附助成、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展における日本館展示への寄附助成)
- 公益財団法人大林財団(ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展における日本館展示協賛)
- 株式会社竹中工務店、(同)ヴォーチェ、太平ビルサービス株式会社(ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展における日本館展示協賛)
- 株式会社コミックス・ウェーブ・フィルム(インドにおける日本映画祭事業協賛)
- 一般社団法人尚友倶楽部(タマサート大学大学院日本研究科博士課程訪日研修)
- 一般社団法人尚友倶楽部(タマサート大学大学院日本研究科博士課程訪日研修)
- 公益財団法人かめのり財団(「にほんご人フォーラム」関連事業共催分担金、ほか)