第1回キュラトリアル・ワークショップ

近年、「Mono-ha」展(ブルーム&ポー)、「草間彌生」展(ホイットニー美術館)、「Tokyo:1955-1970」展(MoMA)、「GUTAI」展(グッゲンハイム美術館)、「アクションと未知の間で-白髪一雄と元永定正」展(ダラス美術館)など現代日本美術に焦点を当てた大型展覧会が米国で頻繁に開催されるようになりました。それと同時に日本の現代美術作品のアートマーケットでの評価が高まり、米国の美術館や個人の現代日本美術作品に対する収集意欲も盛んで、米国の美術館やコレクターが所蔵する日本の現代美術作品の数も増えてきています。他方、米国の美術館や個人コレクターが所蔵するこれらの日本現代美術作品に関する体系的なデータが存在しておらず、作品が死蔵されるケースもあり、日米の専門家ともに十分な情報を共有しているとはいえません。

在米日本古美術品は東京文化財研究所によりかなり調査が進んでおりますが、これに加え、日米美術館のキュレーターや日本側の研究者とともに在米日本現代美術作品を調査し、それらを学問的に適切に位置づけ、調査研究の成果を米国や日本での美術館活動などに活かし、日本現代美術作品の価値をより多くの人に伝えて行くことが今後の日米美術交流を考える上での重要な課題となっています。

国際交流基金は、これまでに日米学芸員交流や米国の主要美術館との共催による大型企画展の開催等を通じて米国で築いてきたネットワークを生かし、日米の美術館のキュレーターや研究者など美術専門家同士をつなぎ、美術館の役割や美術品収集のあり方などをめぐる情報共有のプラットフォームを作ることで、将来の日米間の恒常的な美術対話や共同作業の構築につなげます。

このようなプロジェクトによって、日本の現代美術史を世界のモダニスムという大きな歴史の中に位置づけ、更なる評価を得ることができるでしょう。

平成26年度は、下記のとおりキュレーター、研究者等によるワークショップを開催しました。

ワークショップ 概要

開催日程

平成27年3月25日、26日

開催場所

ダラス美術館

参加者

*日本側
加治屋健司(京都市立芸術大学准教授)
蔵屋美香(東京国立近代美術館美術課長)
光田由里(DIC川村記念美術館学芸課長)
高橋瑞木(水戸芸術館キュレーター)
近藤建一(森美術館キュレーター)

*米国側
Erin O'Toole(サンフランシスコ近代美術館写真キュレーター)
Eric Crosby(ウォーカー・アート・センター、アソシエイト・キュレーター)
Francesca Wilmott(ニューヨーク近代美術館、キュラトリアル・アシスタント、プリント・挿絵部門)
Mika Yoshitake(ハーシュホーン彫刻庭園美術館)
Amanda Maddox(ゲッティ美術館、アシスタント・キュレーター、写真)
Gabriel Ritter(ダラス美術館、アシスタント・キュレーター)
Karin Oen(クロー・コレクション、教育部門ディレクター)

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 事業第1チーム
担当:岡部、山田
電話:03-5369-6061 ファックス: 03-5369-6038

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