シリーズ第1弾:トランスフィア#1
「創意のランドスケープ」 真鍋大度+石橋素

シリーズ第1弾では、最先端の技術に精通する2人のクリエイターが私たちにその最新の創作を見せてくれます―それは、クリエイションの過程の予見不可能な進化を楽しむ二人のコンセプター(提案者)による、未知の光景が広がるインスタレーションです。パリで発表される新作《rate-shadow》では、昨年オランダの「STRP 2015」メディア・フェスティバルに出品した自発光する球体を使った《rate》が進化し、それを影と色彩で反映・表現する空間インスタレーションです。アートとテクノロジー、現実と仮想の境が混じりあうこの作品は、興奮や驚き、そして深い考察へと私たち誘うでしょう。
また、真鍋大度氏と石橋素氏によるこれまでのプロジェクトの記録映像を上映、MIKIKO演出兼振付による同氏主宰のELEVENPLAYの公演、聴覚障害のダンサーと恊働した電気刺激デバイスによる《Music for the Deaf》プロジェクトなども発見/再発見できます。

極めて高い創意のあるプログラミングを行う真鍋氏と、卓越したデバイス技術をもつ石橋氏。この2人によって、芸術と科学技術は融合され最先端の風景が描き出されます。彼らはエンターテイメントやインタラクションデザインなどの領域で、研究開発と作品発表を重ねるRhizomatiks Research(ライゾマティクス リサーチ)のディレクターです。女性ダンサーとドローンの共演が驚きを与えた現代創作ダンス公演の実現にも協力しました(《MOSAIC》、2014年)。
また、アルス・エレクトロニカで受賞した詩的な《particles》をはじめ、レーザー光線を駆使した《pulse》、白い球体の写真を撮るとカラフルな色彩が現れる《rate》などでも、未知の戦慄と美しさを湛える空間構成を展開してきています。

rhizomatiks.com / rzm-research.com

  • ディディエ・フォスティノの作品の写真
    Rhizomatiks Research
    particles at YCAM, 2011
    Photo by Ryuichi Maruo (YCAM)
  • アトリエ・ワンの作品の写真
    Rhizomatiks Research + ELEVENPLAY,
    border, 2015
    Photo by Muryo Homma (Rhizomatiks Research)
概要
展覧会名 創意のランドスケープ
会期
出展作家
キュレーター
ウェブサイト
主催
特別助成
助成
協賛 資生堂、日本航空

プロフィール

真鍋大度氏と石橋素氏の写真
Photo : Shizuo Takahashi

真鍋大度

1976年東京都生まれ、東京都を拠点に活動[右]

アーティスト/プログラマー(サウンドデザイン、インタラクションデザイン)。
東京理科大学理学部数学科卒業、大手企業システムエンジニアを経て、 国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)に進学。2006年、ウェブからインタラクティブデザインまで幅広いメディアをカバーする デザインファーム「Rhizomatiks(ライゾマティクス)」を立ち上げる。2015年よりRhizomatiksの中でも研究開発的要素の強いプロジェクトを行う「Rhizomatiks Research(ライゾマティクス リサーチ)」を石橋素氏と共同主宰。ジャンルやフィールドを問わず、プログラミングを駆使して様々なプロジェクトに参加し、テクノロジーに芸術を融合した作品を最先端のクリエイションとして発信している。

石橋素氏との共作《particles》は2011年、 世界で最も伝統あるメディアアートのコンペティション「Prix Ars Electronica(プリ・アルスエレクトロニカ)」のインタラクティブ部門にてThe Award of Distinction(準グランプリ)を受賞。同年よりダンスカンパニーELEVENPLAYとのコラボレーションをスタート。新たな身体表現を発明するためにコンピュータービジョンなどの機械学習技術、ドローン、ロボットアームなどのテクノロジーを用いて作品制作を行う。

石橋素

1975年静岡県生まれ、東京都を拠点に活動[左]

エンジニア/アーティスト 。東京工業大学制御システム工学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。デバイス制作を主軸に、数多くの広告プロジェクトやアート作品制作、ワークショップ、ミュージックビデオ制作など、精力的に活動行う。過去に、Ars Electronica 優秀賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞。2015年より、アート、テクノロジー、エンターテイメントを活動の中心とした研究・開発部門「Rhizomatiks Research」を真鍋大度と共同主宰する。

岡部あおみ

美術評論家・キュレーター

東京都生まれ。パリのポンピドー・センターで「1910-70 前衛芸術の日本」展(1986-87年)に関わり、フランスの近現代美術の展覧会を開催する メルシャン軽井沢美術館でチーフキュレーターを務める。パリ国立高等美術学校では日本の文化と現代美術の講義を担当。武蔵野美術大学芸術文化学科で 12年間専任教員として芸術と社会について実践的な講義と活動を行い、ニューヨーク大学でも1年間研究に携わる。1995年の震災後、阪神アートプロジェクトを企画、 2013年春に松島でジョルジュ・ルースアートプロジェクトin宮城を企画・実施する。2012年から2014年まで「文化庁メディア芸術祭」アート部門審査委員会、 2014年には、エスパス ルイ・ヴィトン「IN SITU-1」展の作家を選出する審査委員会での委員を歴任。現代アートを支える人々と対話を行う Culture Power のウェブイトを創設。資生堂ギャラリー・アドバイザー。著書に『アート・シード─ポンピドゥ・センター美術映像ネットワーク』『アートと女性と映像─グローカル・ウーマン』他。 映像作品に『田中敦子 もうひとつの具体』。

「をちこちMagazine」に、図録『トランスフィア#1』に掲載されたインタビュー(英語・フランス語)の転載記事を掲載しました。

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 事業第2チーム
担当:小林、永田
電話:03-5369-6063
Eメール:arts2@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください)

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