Open Draft – 日ASEAN映画プログラマー交流事業(2025年度開催分)
第一フェーズ(東京でのワークショップ・リサーチ)
開催時期:2025年10月~11月


国際交流基金本部でのプレゼンテーションの様子
国際交流基金(JF)では、日本とASEAN諸国の次世代交流および人材育成を目指す包括的なプロジェクト「次世代共創パートナーシップ-文化のWA2.0-」の一環として、映画の上映企画や上映作品選定に関わる専門家(映画プログラマー)にフォーカスしたプログラムを2024年度に開始しました。以下は2025年度の実施報告です。
本事業の第一フェーズでは、日本映画の上映プログラム作りを前提としたワークショップのほか、日本をはじめとする各国の映画関係者とのネットワーク構築と日本映画に関する情報収集などを行います。
2025年度はASEAN各国から10名、日本から5名の映画プログラマー等上映に携わる若手専門家計15名が東京に集まり、以下のようなプログラムに参加しました。参加者からは、「各国の参加者と上映企画について語り合ったことで、今後の活動に間違いなく活かせる経験ができた」「上映機関を訪れたことで、地域の人々との繋がりの大切さを学び、自国でも同じように人々に愛される空間を創りたいと感じた」等のコメントが寄せられました。

ユーロスペース訪問の様子

深谷シネマにて
| 開催期間 | 2025年10月23日(木曜日)~11月1日(土曜日) |
|---|---|
| 開催場所 | 東京近郊(国際交流基金本部(東京都新宿区)、深谷シネマ(埼玉県深谷市)、シネマテークたかさき(群馬県高崎市)ほか) |
| 主催者 | 国際交流基金 |
| アドバイザー | 土田環(山形国際ドキュメンタリー映画祭、早稲田大学) |
| メンター | 土田環 山下宏洋(イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター) 若井真木子(山形国際ドキュメンタリー映画祭) Sri Ratna Setiawati(ヌサンタラマルチメディア大学講師、International Documentary Film Festival Amsterdam (IDFA)アドバイザー) |
| 参加者 |
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| プログラム |
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第二フェーズ
本事業の第二フェーズでは、第一フェーズ(東京滞在)の成果発表として、ASEANからの参加者が上映会などを行います。
ベトナムの実施報告
ハノイ


上映会場・トークセッションの様子
第二フェーズの第一弾として、ベトナム・ハノイ唯一のミニシアター「White Light Cinéhub」にて、映画プログラマーのHa Quoc Minh氏が、「Silence and (dis) connection 沈黙、すれ違い、繋がり」と題し、家族の関係性に焦点を当てた日本映画5作品を上映しました(概要は下記のとおり)。
開館間もない施設であるにもかかわらず、各回とも申込が定員に達し、上映後には継続開催を望む声が多数寄せられました。また、本企画を通じて同シネマのSNSフォロワー数は約1.5倍に増加するなど、現地において大きな反響を得ました。
さらに、日本から参加した上野迪音氏がトークセッションに登壇し、自身が支配人を務める高田世界館を中心に、日本のミニシアターの現状やその重要性についてトークを行いました。併せて、映画監督のNguyen Le Hoang Viet氏との対談および参加者との意見交換も実施しました。
企画者からは、「観客のニーズを把握する中で、自身の関心や可能性も明確になり、今後も異なる上映会を企画したいと考えている。この経験を他のプログラマーとも共有していきたい。」という趣旨のコメントがありました。

左から、Nguyen氏、上野氏、Minh氏
| 事業名 | Silence and (dis) connection 沈黙、すれ違い、繋がり |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年4月3日(金曜日)~2026年5月3日(日曜日) |
| 開催場所 | White Light Cinéhub |
| 企画者 | Ha Quoc Minh (White Light Cinéhub映画プログラマー) |
| 企画協力 | 上野 迪音 (高田世界館支配人) |
| 上映作品 |
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| 関連イベント | トークイベント
|
| 主催者 | 国際交流基金ベトナム日本文化センター、White Light Cinéhub |
| 事業URL | White Light Cinéhub |
マレーシアの実施報告
クアラルンプール(マレーシア)


上映会場・トークイベントの様子
第二フェーズの第二弾として、映画プログラマーのYeap Swee Leong氏が、「Cinema Pairing Japan x Malaysia」と題し、日本映画3作品とこれらの映画から影響を受けた監督のマレーシア映画2作品を上映しました(概要は下記のとおり)。
3日間の会期中、『東京物語』の前売券完売をはじめ各回で多くの来場者を集め、若年層を中心に高い関心が示されるなど、現地において良好な反響を得ました。
また、Chong Keat Aun監督やAl Jafree Md Yusop監督によるトークイベントでは、日本映画からの影響や制作手法について具体的な言及がなされました。日本映画の影響を受けつつも、各監督が独自の文化的アイデンティティや個別のスタイルを維持していることを明確に示し、映画という共通言語の中での日本とマレーシア間の文化交流の一端がうかがえる重要な機会となりました。
企画者からは、「本企画を通じて、自分のやりたいことがより明確になった。プログラミングという行為を自分の中で説明がつけられるようになったと思う。」という趣旨のコメントがありました。
| 事業名 | Cinema Pairing Japan x Malaysia |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年5月15日(金曜日)~17日(日曜日) |
| 開催場所 | GSC Mid Valley Megamall |
| 企画者 | Yeap Swee Leong (映画製作者・フィルムプログラマー・レインタウンフィルムフェスティバル創始者) |
| 上映作品 |
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| 関連イベント | トークイベント
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| 主催者 | 国際交流基金クアラルンプール日本文化センター |
| 共催者 | GSC International Screens |
インドネシアの実施報告
ジャカルタ(インドネシア)


上映会場・トークイベントの様子
第二フェーズの第三弾として、映画プログラマーのHasta Aisyah Trida Pramita氏が、「Et Cetera:Dan Lain Lain」と題し、「都市における疎外感」をテーマに、日本映画三作品とインドネシア映画二作品の上映及び関連イベントを企画・実施しました(概要は以下のとおり)。
各上映回には多くの参加申込があり、特に『トウキョウソナタ』及び『こちらあみ子』は満席となりました。上映に加え、本企画をサポートした相馬航佑氏と映画祭主宰のJuan Hendry氏による、東京とジャカルタの上映空間をめぐるトークセッションや、ZINE制作のワークショップも実施されました。
さらに、来場者が鑑賞前後に作品への期待や感想を紙に記して掲示したり、上映後のセッションで自由にコメントを共有したりするなど、観客参加型の取り組みも行われ、会場は大いに活気に包まれました。
企画者からは、「『Open Draft – 日ASEAN映画プログラマー交流事業』への参加は、これからのキャリアにとって非常に良い経験となった。今後は、また別の視点から上映企画に取り組み、さまざまな場所で実施していきたい」という趣旨のコメントが寄せられました。
| 事業名 | Et Cetera:Dan Lain Lain |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年5月23日(土曜日)~24日(日曜日) |
| 開催場所 | Teater Sjumandjaya (Taman Ismail Marzuki内) |
| 企画者 | Hasta Aisyah Trida Pramita |
| 上映作品 |
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| 関連イベント | トークイベント:「都市空間から鑑賞空間へ ―東京、ジャカルタ、そして疎外感」
|
| 主催者 | 国際交流基金ジャカルタ日本文化センター |
カンボジアの実施報告
プノンペン(カンボジア)


上映会場・パネルディスカッションの様子
第二フェーズの実施企画として、映画プログラマーのRochivorn Then氏が、「Cinema Adrift: What if movie theatres disappeared?」と題し、映画館の存在意義と将来をテーマに、日本映画とカンボジア映画を中心とした上映及び関連イベントを企画・実施しました(概要は以下のとおり)。
会期中には7作品の上映に加え、パネルディスカッション、写真展が開催されました。オープニング上映となったカンボジア映画『Becoming Human』には多くの来場者が集まり、上映後には監督や出演者らによるトークが実施されました。また、日本をベースに活躍するリム・カーワイ監督が来場し、『ディス・マジック・モーメント』と『あなたの微笑み』の上映後に観客との質疑応答が行われました。「もし映画館がなくなったら?」をテーマにしたパネルディスカッションでは、日本やカンボジアにおける映画館や映画鑑賞体験のあり方について活発な意見交換が行われました。さらに、会場ではカンボジアと日本の映画館を紹介する写真展も実施されたほか、観客や映画関係者が交流するネットワーキングの機会も設けられました。

写真展
企画者からは、「『Open Draft‐日ASEAN映画プログラマー交流』への参加を通じて、プログラミングへのより深い理解や実務上の経験を得、そして国際的な映画ネットワークを広げることができた。今後の上映企画や映画文化振興活動に活かしていきたい」という趣旨のコメントが寄せられました。
| 事業名 | Cinema Adrift: What if movie theatres disappeared? |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年8月6日(木曜日)~9日(日曜日) |
| 開催場所 | Institut français du Cambodge、Legend Cinema Exchange Square |
| 企画者 | Rochivorn Then |
| 上映作品 |
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| 関連イベント | パネルディスカッション
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| 主催者 | 国際交流基金プノンペン連絡事務所 |
| 事業URL | Institut Français du Cambodge - Cinema Adrift |
タイの実施報告
チェンマイ(タイ)


キュレータートーク、歴史散策の様子
第二フェーズの実施企画として、映画プログラマーのNattakun Khamphinit氏(以下、企画者)が、「Hearing the Voice of the Absence」と題し、声、場所、記憶の関係を手がかりに、公の記憶から薄れつつある歴史やその記録のあり方を問い直すことをテーマに、上映及び関連イベントを、チェンマイのSuan Anyaで企画・実施しました(概要は以下のとおり)。
会期中には、3プログラム計8作品の上映に加え、関連イベントとして、第一フェーズから協働して本上映企画を準備してきた企画者と三好剛平氏によるキュレーター・トーク、チェンマイ大学及び周辺コミュニティを巡り、すでに「見えなくなってしまった」歴史を辿るウォーキングツアー、本事業のメンターである山下宏洋氏による特別講義が実施され、これらの関連イベントは、緻密に構成された上映プログラムと緊密に補完し合う形で設計されており、3日間のプログラム全体として、観客が上映テーマへの理解を多角的に深めることのできる構成となりました。
企画者からは、「自分のコミュニティに向けて日本映画を上映する機会はこれまであまりなく、リサーチや配給会社との交渉などチャレンジングなことが多かったが、結果には満足している。今後も訪日を含めて日本映画のリサーチを深め、自分の活動に活かしていきたい」という趣旨のコメントが寄せられました。
| 事業名 | Hearing the Voice of the Absence |
|---|---|
| 開催期間 | 2026年8月7日(金曜日)~9日(日曜日) |
| 開催場所 | Suan Anya |
| 企画者 | Nattakun Khamphinit(Dude, Movie映画プログラマー) |
| 上映作品 | Programme 1: Landscape and the Order of Seeing
|
| 関連イベント | 1. キュレーター・トーク
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| 主催者 | Dude,Movie |
| 助成 | 国際交流基金バンコク日本文化センター |
| 協力 | Suan Anya、Lanyim Theatre、タイ・フィルムアーカイブ |
| 事業URL | The Open draft special film screenings “Hearing the Voice of Absence” - The Japan Foundation, Bangkok |
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