TICAD7公式サイドイベント
越境するアフリカ映画 ―新たな連携をめざして
『密林の慈悲』特別上映&シンポジウム

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国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、外務省、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)との共催により、2019年8月28日から30日にかけて横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の公式サイドイベントとして、2019年8月29日に、アフリカ映画の上映と、アフリカ映画をめぐる状況をよく知る映画製作者や映画祭代表らを招いたシンポジウムを行います。

特別上映では、ブルキナファソで開催されるアフリカ最大の国際映画祭、ワガドゥグ全アフリカ映画祭(通称「フェスパコ(FESPACO)」)で2019年にグランプリを受賞した『密林の慈悲(英題:The Mercy of the Jungle)』(ジョエル・カレケジ監督、フランス・ベルギー・ルワンダ、91分)を日本で初めて紹介するほか、同作のプロデューサーを含めたアフリカと日本の文化人・映画関係者を迎えて開催されるシンポジウム「越境するアフリカ映画 ―新たな連携をめざして」では、映画を通じた日本とアフリカの連携の可能性を探ります。

イベント詳細

日時 2019年8月29日(木曜日)18時30分~21時35分(18時開場)
会場 横浜ブルク13 スクリーン6
神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7 コレットマーレ6F
(JR京浜東北線・根岸線「桜木町駅」下車 徒歩1分、横浜市市営地下鉄「桜木町駅」下車 徒歩2分、横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい駅」下車 徒歩7分)
プログラム
18時
開場
18時30分
主催者あいさつ
18時45分
映画『密林の慈悲』特別上映
20時25分
シンポジウム「越境するアフリカ映画 ―新たな連携をめざして」
21時35分
閉会

シンポジウム登壇者(姓アルファベット順、敬省略):

  • オーレリアン・ボディノー(『密林の慈悲』プロデューサー)
  • フィデリス・ドゥカー(アブジャ国際映画祭代表)
  • 河瀨 直美(映画作家)
  • アンソニー・クラウス(ユネスコ文化局文化表現多様性課研究政策ユニット長)
  • 岡島 尚志(国立映画アーカイブ館長)
  • アルディウマ・ソマ(ワガドゥグ全アフリカ映画祭代表)
  • 吉田 未穂(シネマアフリカ代表)
言語 映画:フランス語、スワヒリ語(日本語・英語 字幕付)
シンポジウム:日本語、英語、フランス語(同時通訳付)
主催 国際交流基金、外務省、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)

国際交流基金ロゴ画像 外務省ロゴ画像 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)ロゴ画像

協力 シネマアフリカ

シネマアフリカロゴ画像

参加申込 要事前登録、入場無料
申込はこちらから (定員:200名)
https://eventregist.com/e/africa
※定員に達したため、受付を締め切りました。

映画情報

『密林の慈悲(英題:The Mercy of the Jungle)』

密林の慈悲の一場面の写真
(C) NRW sprl / TACT PRODUCTION

1998年、第二次コンゴ戦争の争いが激しくなるなか、ルワンダ軍のグザヴィエ軍曹と若い兵隊のフォスティンは本隊からはぐれてしまい、アフリカ大陸でもっとも深いとまでいわれるコンゴのジャングルをさまようこととなる。敵に襲われる恐怖、疲労、空腹、孤独と戦いながら、ふたりは危険なジャングルを抜け出し、本隊に合流することができるのか。極限状態における、ふたりの心の葛藤を描いたドラマ。

2019年、50周年を迎えたアフリカ最大の国際映画祭「ワガドゥグ全アフリカ映画祭(フェスパコ)」でエタロン・ドール(グランプリ)を受賞。2018年トロント国際映画祭、2018年シカゴ国際映画祭で上映。日本では初上映となる。

2018年、フランス・ベルギー・ルワンダ、91分、フランス語・スワヒリ語
監督:ジョエル・カレケジ、プロデューサー:オーレリアン・ボディノー
キャスト:マルク・ジンガ、ステファン・バク

シンポジウム

デジタル機材の普及によりアフリカの映画界は急速な成長を遂げました。ノリウッド(※)は1年間に2000を超える製作本数を誇り、今年50周年を迎えるワガドゥグ全アフリカ映画祭(ブルキナファソ)は全アフリカから出品作品を集め、8日間の会期中に上映された回数は434回にのぼりました。2019年のカンヌ映画祭では、セネガル系フランス人のマティ・ディオップ監督の「Atlantics(英題)」がグランプリを受賞するなど、アフリカ映画は、世界の注目を浴びています。

そして、いま、アフリカの映画界は、若い世代の製作者の台頭、経済・社会の変化により、新しい時代を迎えようとしています。2019年5月には、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定が発効され、域内の経済活動の発展と、人やモノの行き来の活性化が期待されるなか、映画界においても、既存の市場の枠組みや国境を越えた製作技術や人材の交流、映画文化の醸成が進んでいくかもしれません。シンポジウムでは、アフリカ映画の製作者や映画祭代表から、その課題や現状について共有していただき、アフリカにおける映画産業振興に取り組んできたユネスコ関係者の報告も得て、これからの日本・欧州・アフリカの連携の可能性を探ります。
※「ノリウッド」とは、ナイジェリアの映画産業全般につけられた俗称のこと。

登壇者プロフィール(姓アルファベット順)

オーレリアン・ボディノー(『密林の慈悲』プロデューサー/ベルギー)

オーレリアン・ボディノー氏の写真

ベルギー生まれ。国立舞台芸術高等学院(Superior National Institute of Performing Arts)を卒業後、米国のニューオーリンズ大学で映画専攻の修士号を取得。2002年に独立プロダクション、ネオン・ルージュ・プロダクションを設立し、ドキュメンタリーや劇映画の製作を行う。アフリカ映画には特に造詣が深い。アフリカドキュメンタリー協会(AFRICADOC)等の会員であるほか、ベルギー・フィルム・コミッションの理事を務め、世界各国の映画学校やトレーニングプログラムの講師としても活躍している。

フィデリス・ドゥカー(アブジャ国際映画祭代表/ナイジェリア)

フィデリス・ドゥカー氏の写真

ナイジェリアの映画界で最も有名な製作者の一人。25年以上にわたって、80本以上の映画の監督、脚本、製作を務めてきたキャリアを持ち、その作品は数々の賞を受賞。ナイジェリアの監督協会の前会長を務め、現在は2019年に16回目を迎えるアブジャ国際映画祭(ナイジェリア)の代表。2012年に、アフリカ・フェスティバル・ネットワーク(AFRIFESTNET)の会長に就任。汎アフリカ映画人連盟(FEPACI)局長も務める。

河瀨 直美(映画作家)

河瀨直美氏の写真
Photo by Leslie Kee

生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける。一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリーフィクションの域を越えて、カンヌ国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭での受賞多数。代表作は『萌の朱雀』『殯の森』『2つ目の窓』『あん』『光』『Vision』など。世界に表現活動の場を広げながらも故郷奈良にて、2010年から「なら国際映画祭」を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。東京 2020 オリンピック競技大会公式映画監督に就任。最新作『朝が来る』は2020年全国公開予定。

アンソニー・クラウス(ユネスコ文化局文化表現多様性課研究政策ユニット長)

アントニー・クラウゼ氏の写真

2003年からユネスコで勤務し、事務局長室(2003~2009年)を経て、ヨーロッパ科学・文化局文化ユニット長(2009~2013年)に就任し、東欧・南欧の文化プログラムの運営責任者となる。現在は、文化局政策・調査部長として、クリエイティブ産業の開発プログラムに従事している。ユネスコでの勤務前は、フランス国立東洋言語文化学院(INALCO)の現代史の博士号を取得し、准教授として教鞭を執り、ブダペストの中央ヨーロッパ大学高等研究所(Central European University, Institute for Advanced Study)フェローも務めた。

岡島 尚志(国立映画アーカイブ館長)

岡島尚志氏の写真
(c)Pamela Gentile

専門分野は映画史、映画保存、フィルムアーカイブ研究。東京国立近代美術館フィルムセンターにて研究員(1979~)、同主任研究官(1992~)、同主幹(2005~)を務め、2009~2011年には国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)第12代会長に就任。ジャン・ミトリ賞受賞(2016)。2018年4月より現職。

アルディウマ・ソマ(ワガドゥグ全アフリカ映画祭代表/ブルキナファソ)

アルディウマ・ソマ氏の写真

ブルキナファソのワガドゥグ大学、フランスのパリ第1大学にて映画や文化産業について学ぶ。1988年からワガドゥグ全アフリカ映画祭(フェスパコ)のプログラマーとして活躍し、2014年に事務局長に就任し、現在に至る。フェスパコに従事する傍ら、2012年から2014年にかけてブルキナファソ文化観光省の映画・視聴覚長を務めたほか、ブルキナファソにおける著作権の浸透にも貢献した。

吉田 未穂(シネマアフリカ代表)

吉田 未穂氏の写真

東京生まれ。東京都立大学大学院修了。1998年からケニアにてフィールドワーク、以降もアフリカ各地を訪ね現地事情や文化を日本へ紹介。東京アフリカ映画祭「アフリカンドキュメンタリー2003」に参加しアフリカ映画の魅力に目覚める。2006年にシネマアフリカを立ち上げ映画祭を開催してきた。2017年山形国際ドキュメンタリー映画祭ではアフリカ部門コーディネーター。アフリカ各地を訪れ修行中。

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[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
映像事業部 映画チーム
担当:近藤、井上
電話:03-5369-6064
Eメール:ticad7_film@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

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