日中国交正常化45周年記念事業「松竹大歌舞伎 北京公演」
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、本年で日中両国の国交正常化から45周年を迎えることを記念し、3月18日から20日までの3日間、中国・北京で松竹大歌舞伎の公演を開催いたします。当基金では、日中国交正常化45周年記念事業として複数のプロジェクトを企画している中において、本歌舞伎公演は、周年事業の開幕を飾る事業として実施します。
このたびの松竹大歌舞伎北京公演は、歌舞伎の魅力を中国の観客に存分に堪能いただけるよう、工夫されたプログラムで構成されます。『義経千本桜』では歌舞伎の様式美を、『恋飛脚大和往来』では歌舞伎のドラマ性を、そして、『藤娘』では女方の舞踊を楽しんでいただくという趣向です。主な出演者には、中村鴈治郎丈、中村芝翫丈、片岡孝太郎丈ら豪華な顔ぶれが並びます。
2月7日に開催しました記者発表会におきましては、中村鴈治郎丈より「『封印切』をどのように受け入れていただけるか楽しみです」「日本人の心、人と人とのつながりを感じていただきたい」、中村芝翫丈より「中国の皆様に歌舞伎の文化を理解していただけますよう一生懸命努力していまいります」、片岡孝太郎丈からは「女方の舞踊は歌舞伎の基本です。日本の美を見せたい」とのコメントがありました。
©松竹株式会社
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概要
日中国交正常化45周年記念事業
国際交流基金と松竹、中国・北京で松竹大歌舞伎公演を開催
日程 | 2017年3月18日(土曜日)13時30分開演/19時開演(2回公演) 2017年3月19日(日曜日)13時30分開演/19時開演(2回公演) 2017年3月20日(月曜日)19時開演(1回公演) |
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会場 | 北京天橋芸術中心 中劇場(900席) |
入場料 | 380元、 280元、 100元、 80元 |
チケット販売ページ (中国語のみ) |
http://www.tartscenter.com/item/151590629613565396.html |
上演演目 | 『義経千本桜 鳥居前』 『玩辞楼十二曲の内 恋飛脚大和往来 封印切』 『藤娘』 |
主な配役 | 『義経千本桜 鳥居前』
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主催 | 独立行政法人国際交流基金 |
運営 | 中国対外文化集団公司 |
企画・製作 | 松竹株式会社、中国対外演出公司 |
後援 | 中国人民対外友好協会、在中国日本国大使館 |
上演演目・見どころ
『義経千本桜 鳥居前』
兄源頼朝との不和により謀反の疑いをかけられた義経は、やむなく都を追われ、武蔵坊弁慶ら、わずかな家来とともに伏見稲荷にたどり着きます。そこへ義経らの後を追って愛妾の静御前が現れますが、義経は静御前に都へ留まるように諭し、初音の鼓を自らの形見として預け、立ち去ります。残された静御前は、鎌倉方の追手に捕われそうになりますが、駆けつけた家臣佐藤忠信が救い出します。そこに戻ってきた義経は、忠信に静御前の守護を命じ、西国へ落ち延びて行くのでした。
『義経千本桜』より狐忠信が豪快な荒事で活躍する一幕を、芝翫の狐忠信、門之助の義経でご覧いただきます。
『玩辞楼十二曲の内 恋飛脚大和往来 封印切』
淡路町の飛脚問屋亀屋の養子・忠兵衛は大坂新町の遊女梅川と言い交わす仲ですが、丹波屋八右衛門が梅川を身請けすると言い出して喧嘩となります。忠兵衛には身請けの金すらないと、八右衛門に満座の中で恥をかかされた忠兵衛は、屋敷へ届けるはずの為替の金の封印を切ってしまいます。公金横領の大罪を犯してしまった忠兵衛は訳を知った梅川と共に、何も知らない廓の皆に見送られ、死出の旅立ちをするのでした。
「玩辞楼十二曲」は上方の名優・初世中村鴈治郎が自身の得意芸を制定したもの。現・四代目鴈治郎の忠兵衛、芝翫の八右衛門で、廓を舞台に情緒豊かな上方歌舞伎の醍醐味を存分にご堪能ください。
『藤娘』
松の大木に藤の花が絡んで咲き乱れているところへ、塗笠をかぶり藤の枝を手にした愛らしい娘が現れます。大津絵から抜け出したように可憐な娘は実は藤の精。男心のつれなさを名所近江八景によせて踊り、恋のもどかしさを艶やかに踊っていきます。そして、松の大木に去っていった藤の精は、やがて小蔭から現れ、ゆったりと踊り始め、ほろ酔いの姿を艶やかに見せます。続いて娘の可愛らしさと、廓の女性の色気が織り混ざった華麗な手踊りとなりますが、やがて日も暮れ、いつしかその姿を消すのでした。
孝太郎の華やかで可憐な舞踊をご堪能ください。
主な出演者プロフィール
中村鴈治郎(四代目、成駒家)
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1959年2月6日生まれ。坂田藤十郎の長男。1967年11月歌舞伎座『紅梅曾我』の一萬丸で中村智太郎を名のり初舞台。1995年1月中座『封印切』の忠兵衛ほかで五代目中村翫雀を襲名。2015年1~2月大阪松竹座において、『封印切』の忠兵衛、『廓文章』の伊左衛門で、上方歌舞伎を代表する名跡のひとつ、中村鴈治郎を四代目として襲名。海外公演は今回で9度目。中国、北京での公演は2004年6月、2007年9月以来3回目となる。この2007年公演は日中国交正常化35周年を記念して行われ、北京はじめ、上海、杭州、広州の4都市を巡演した。
中村芝翫(八代目、成駒屋)
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1965年8月31日生まれ。七代目中村芝翫の次男。1970年5 月国立劇場『柳影沢蛍火』の吉松君で中村幸二の名で初舞台。 1980年4月歌舞伎座『沓手鳥孤城落月』の裸武者石川銀八ほかで三代目中村橋之助を襲名。2015年10・11月歌舞伎座で八代目中村芝翫を襲名。立役として時代物、世話物、新歌舞伎など、幅広い分野で当り役を持つ。『熊谷陣屋』熊谷直実、『義経千本桜 渡海屋・大物浦』渡海屋銀平実は新中納言知盛、『極付幡隨長兵衛』幡隨長兵衛、『天保遊侠録』勝小吉など多くの持役がある。海外公演は、今回で5度目となる。
片岡孝太郎(初代、松嶋屋)
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1968年1月23日生まれ。十五代目片岡仁左衛門の長男。1968年7月歌舞伎座『夏祭』の市松で片岡孝太郎を名のり初舞台。『毛谷村』のお園、『神霊矢口渡』のお舟、『御浜御殿綱豊卿』のお喜世、『野崎村』のお光、『妹背山婦女庭訓』のお三輪など幅広いレパートリーで時代を担う女方の一人。上方歌舞伎の女方の役にも色気があり『女殺油地獄』のお吉、『河庄』の小春などでも好評を得る。テレビや映画でも活躍の場を広げており、海外公演は今回で3度目となる。
プレスリリース
日中国交正常化45周年記念事業
国際交流基金と松竹、3月に中国・北京で松竹大歌舞伎公演を開催
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文化事業部 事業第1チーム
担当:島田、倉田
電話:03-5369-6061
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