猿八座による古浄瑠璃「弘知法印御伝記」ロンドン公演

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、新潟に拠点を置き海外でも積極的に公演活動を行っている猿八座をロンドンへ派遣し、17世紀に長崎から欧州へ渡り、1962年に大英博物館で発見された作品「弘知法印御伝記」を大英図書館にて復活上演します。

300余年の時を得て実現する幻の古浄瑠璃の英国「里帰り」公演であり、公演では、ドナルド・キーン氏(コロンビア大学名誉教授・国際交流基金賞受賞者(1983年度))による講演、及び、発見当時ケンブリッジ大学で教鞭と執られていた発見者の鳥越文蔵氏(早稲田大学名誉教授)による公演作品発見秘話についての講演も実施します。

事業概要

公演日時 ロンドン:2017年6月2日(金曜日)19時、3日(土曜日)14時
会場 大英図書館ノレッジセンター
主催 国際交流基金、大英図書館
制作 古浄瑠璃「弘知法印御伝記」ロンドン公演実行委員会
大英図書館ウェブサイト

公演団プロフィール

猿八座

「猿八座」は、佐渡に残る国指定の重要無形民俗文化財「文弥人形」を基本に、数ある説教、古浄瑠璃の中から現代向きの作品を選び出し、復活上演に取り組んでいます(浄瑠璃:越後角太夫)。

上演予定作品

古浄瑠璃『弘知法印御伝記』(こうちほういんごでんき)

古浄瑠璃『弘知法印御伝記』の写真
写真 島倉英嗣

17世紀の末、人形浄瑠璃は歌舞伎と並んで、庶民の間で最も人気がある娯楽でした。そうした時代の中、人形浄瑠璃『弘知法印御伝記』は、1685年に江戸日本橋の説教座で上演されました。
江戸時代、日本は鎖国をしていたが、オランダとだけは交易をしていました。そのオランダ商館が長崎にあり、博物学者でもあったドイツ人の医師、ケンペルは、1692年に帰国する際、この台本を船の積み荷の下に隠して持ち出しました。やがて、日本に原本が存在しない幻の浄瑠璃となりました。
それから300年以上の時が過ぎて、1962年、ケンブリッジ大学で日本の中世演劇を教えていた早稲田大学の鳥越文藏先生が大英博物館で発見しました。
六段からなる浄瑠璃に仕立てられた『弘知法印御伝記』は、新潟県長岡市寺泊の西生寺に日本最古の即身仏として安置されている弘智法印にまつわる伝説をもとに、虚構を加えた高僧の一代記で、当時の庶民の人生観や宗教心を生き生きと描き出す貴重な浄瑠璃です。

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 事業第2チーム
担当:堀田
電話:03-5369-6063
Eメール:arts2@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

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