宮城聰演出・SPAC『アンティゴネ』 ニューヨーク公演

世界最高峰の一つである演劇の祭典・アヴィニョン演劇祭にて、アジア圏の劇団初のオープニング作品として話題となった宮城聰演出・SPAC『アンティゴネ』を、「Japan 2019」公式企画 の一環としてニューヨークにて上演いたします。

会場はニューヨークでも名だたるアーティストを招へいしているダイナミックな文化施設の一つ、パーク・アベニュー・アーモリー。建物はかつての軍事・社交施設であり、ルイス・カムフォート・ティファニーらが手がけたデザインの重要性が評価され、アメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されています。アリアーヌ・ムヌーシュキン率いる太陽劇団やケネス・ブラナー演出・主演『マクベス』、誉れ高いコメディ・フランセーズなど世界の最前線で活躍するアーティストの公演を行っている同会場にて、演劇招へい作品としては日本人初の公演となります。

会場の「ウェイド・トムソン・ドリル・ホール」は、巨大なドーム状の屋根に覆われたヨーロッパの鉄道駅を思い起こさせる空間で、アーチ型の高い天井と約5100平方メートルの広さを誇ります。本公演では、この広壮な歴史的建造物を用い、フランス・法王庁での公演とほぼ同じ規模の舞台装置で上演が実現。独創的な空間設計と、人を敵と味方に区別しない王女アンティゴネの思想に日本人の死生観を重ねた演出で、アヴィニョン演劇祭にて大きな反響を呼んだ本作が、今日のアメリカでどう受け止められるのか注目です。

アンティゴネ@アヴィニョンの写真
(c) Christophe Raynaud de Lage

劇場公演

構成・演出:宮城 聰/作:ソポクレス/訳:柳沼 重剛
音楽:棚川 寛子/空間構成:木津 潤平
衣裳デザイン:高橋 佳代/照明デザイン:大迫 浩二/ヘアメイク:梶田 キョウコ
出演:SPAC

会場・日時:

都市 ニューヨーク
会場 Park Avenue Armory, Wade Thompson Drill Hall
公演日 2019年9月25日(水曜日)~10月6日(日曜日)
全11公演・休演日:10月1日(火曜日)
※10月4日(金曜日):公演前にアーティスト・トークあり
※10月2日(水曜日):学生向け公演のため、一般発売なし

※言語:日本語上演・英語字幕

パーク・アベニュー・アーモリーウェブページ(英語)
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主催:国際交流基金、パーク・アベニュー・アーモリー、SPAC-静岡県舞台芸術センター
協賛:Citi、Bloomberg Philanthropies、全日本空輸株式会社

プロフィール

宮城 聰(みやぎ さとし)

宮城 聰(みやぎ さとし)氏の写真
(c) Ryota Atarashi

1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島雄志・渡邊守章・日高八郎各師から演劇論を学び、1990年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招へい、またアウトリーチにも力を注ぎ「世界を見る窓」としての劇場運営をおこなっている。2017年『アンティゴネ』をフランス・アヴィニョン演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『マハーバーラタ』『ペール・ギュント』など。2004年第3回朝日舞台芸術賞受賞。2005年第2回アサヒビール芸術賞受賞。2018年平成29年度第68回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2019年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。

SPAC–静岡県舞台芸術センター

公益財団法人静岡県舞台芸術センター(Shizuoka Performing Arts Center : SPAC)は、専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動を行う日本で初めての公立文化事業集団であり、舞台芸術作品の創造・上演とともに、優れた舞台芸術の紹介や舞台芸術家の育成を事業目的としている。1997年から初代芸術総監督鈴木忠志のもとで本格的な活動を開始。2007年より宮城聰が芸術総監督に就任し、更に事業を発展させている。演劇の創造、上演、招へい活動以外にも、教育機関としての公共劇場のあり方を重視し、中高生鑑賞事業公演や人材育成事業、アウトリーチ活動などを続けている。13年、全国知事会第6回先進政策創造会議により、静岡県のSPACへの取り組みが「先進政策大賞」に選出。18年度グッドデザイン賞を受賞、無形の活動が一つのデザインとして高く評価された。

Japan 2019」とは

フランス・パリを舞台に、さまざまな日本の芸術と文化を紹介した日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム 2018:響きあう魂」に続き、米国において日本文化を海外に向けて発信する取組「Japan 2019」。ニューヨーク・ワシントンを中心に国際交流基金が主催・共催、または協力する「Japan 2019公式企画」と、その他官民が実施する日本文化紹介事業、日米交流事業「Japan 2019参加企画」により、米国において、日本の文化に関する理解・関心の裾野が広がるよう推進しています。2019年3月ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催した「『源氏物語』展 in New York~紫式部、千年の時めき~」や、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリーオブ・アートでの「日本美術に見る動物の姿」展などの展覧会を開催し、今秋、宮城聰演出『アンティゴネ』および『杉本文楽 曾根崎心中』の舞台公演を、「Japan 2019公式企画」として実施します。

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 舞台芸術チーム
担当:横山(よこやま)、十万(じゅうまん)
電話:03-5369-6063
Eメール:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

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