『杉本文楽 曾根崎心中』 ニューヨーク公演

人形浄瑠璃文楽に新たな魅力を与えてきた現代美術作家・杉本博司による『杉本文楽 曾根崎心中』をJapan 2019」公式企画 の一環としてニューヨークにて上演します。

人形浄瑠璃文楽は2003年にユネスコの「世界無形遺産」に登録され、今や世界中から注目されている日本を代表する芸能のひとつです。『杉本文楽 曾根崎心中』は、その文楽に現代美術作家・杉本博司が新しい魅力を注ぎ込んだ渾身の作品(2011年8月初演)。杉本のコンセプトに賛同した鶴澤清治(人間国宝)らが、近松の完全版ともいえる『杉本文楽 曾根崎心中』を共作し、現代美術作家・束芋の映像作品がスクリーンに登場。伝統芸能と現代美術が見事に融合し、誰も観たことのない文楽の新たな魅力を繰り広げます。ヨーロッパ公演(2013年9月~10月マドリード、ローマ、パリ)、日本凱旋公演(2014年3月東京、大阪)を経て、大好評を博した「杉本文楽」が、この秋、いよいよ米国に上陸します。ニューヨークが誇る総合芸術施設であるリンカーン・センターにおいて、ホワイト・ライト・フェスティバルのオープニングを華々しく飾ります。

  • 文楽人形の写真
    (c) Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Odawara Art Foundation

劇場公演

構成・演出・美術:杉本 博司/作曲・演出:鶴澤 清治
振付:山村 友五郎
映像:束芋、杉本 博司
原作:近松 門左衛門 『曾根崎心中付り観音廻り』より
出演:豊竹 呂太夫、鶴澤 清治、吉田 玉助 ほか

会場・日時:

都市 ニューヨーク
会場 Rose Theater, Jazz at Lincoln Center’s Frederick P. Rose Hall
公演日 2019年10月19日(土曜日)~22日(火曜日)(全4回公演)

※言語:日本語上演・英語字幕

リンカーン・センター ウェブサイト(英語)
ホワイト・ライト・フェスティバルウェブページ(英語)
チケットのお求めはこちら(英語)

主催:国際交流基金、リンカーン・センター ホワイト・ライト・フェスティバル
共催:公益財団法人小田原文化財団
協力:国立文楽劇場
制作協力:公益財団法人文楽協会、公益財団法人せたがや文化財団 世田谷パブリックシアター

プロフィール

杉本 博司(すぎもと ひろし)

杉本 博司(すぎもと ひろし)氏の写真

1948年東京生まれ。1970年渡米、1974年よりニューヨーク在住。活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理と多岐に渡り、世界のアートシーンにおいて地位を確立してきた。杉本のアートは歴史と存在の一過性をテーマとし、そこには経験主義と形而上学の知見をもって、西洋と東洋との狭間に観念の橋渡しをしようとする意図があり、時間の性質、人間の知覚、意識の起源、といったテーマを探求している。世界的に高く評価されてきた作品は、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)やポンピドゥセンター(パリ)など世界有数の美術館に収蔵。代表作に『海景』、『劇場』、『建築』シリーズなど。
2008年に建築設計事務所「新素材研究所」を設立、IZU PHOTO MUSEUM(2009)、MOA美術館改装(2017)などを手掛ける。2009年に公益財団法人小田原文化財団を設立。2017年10月には構想から10年の歳月をかけ建設された文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を小田原市江之浦にオープン。古美術、伝統芸能に対する造詣も深く、演出を手掛けた『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』公演は海外でも高い評価を受ける。主な著書に『苔のむすまで』、『現な像』、『アートの起源』、『空間感』、『趣味と芸術-謎の割烹味占郷』。1988年毎日芸術賞、2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009年高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)受賞。2010年秋の紫綬褒章受章。2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ叙勲。2017年文化功労者。

鶴澤 清治(つるさわ せいじ)

人形浄瑠璃文楽座 三味線。1945年10月生まれ。1953年四代鶴澤清六に入門、7歳で「鶴澤清治」と名のる。1954年四ツ橋文楽座で初舞台。1964年に十代竹澤弥七の門下となる。1976年から13年間、人間国宝・四代竹本越路大夫の三味線をつとめる。毎年東京、大阪の国立劇場を中心に1年を通して舞台に出演。これまでに、芸術選奨文部大臣新人賞、大阪府民劇場賞、国立劇場文楽賞文楽優秀賞、大阪文化祭賞本賞、松尾芸能賞(優秀賞)、国立劇場文楽賞文楽大賞、モ-ビル音楽賞「邦楽部門」、日本芸術院賞・恩賜賞、大阪府知事表彰、国立劇場文楽特別賞、大阪市市民表彰、など多数受賞。また、2006年には紫綬褒章受章。2007年9月には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、「三味線格」(三味線弾きとしての最高格)になる。2014年日本藝術院会員。

束芋(たばいも)

1999年京都造形芸術大学卒業制作としてアニメーションを用いたインスタレーション作品《にっぽんの台所》を発表、同作品でキリン・コンテンポラリー・アワード最優秀作品賞受賞。以後2001年第1回横浜トリエンナーレを皮切りに、2011年には第54回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出される等、数々の国際展に出品。近年は舞台でのコラボレーションも展開。2016年はシアトル美術館にて「写し」をテーマに大規模個展を開催。2017年1月から2018年5月まで、朝日新聞朝刊連載小説『国宝』(吉田修一著)の挿絵を担当。2020年には束芋が構成・演出を手がけたパフォーマンス作品・映像芝居『錆からでた実』のアメリカツアーが決定。

Japan 2019」とは

フランス・パリを舞台に、さまざまな日本の芸術と文化を紹介した日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム 2018:響きあう魂」に続き、米国において日本文化を海外に向けて発信する取組「Japan 2019」。ニューヨーク・ワシントンを中心に国際交流基金が主催・共催、または協力する「Japan 2019公式企画」と、その他官民が実施する日本文化紹介事業、日米交流事業「Japan 2019参加企画」により、米国において、日本の文化に関する理解・関心の裾野が広がるよう推進しています。2019年3月ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催した「『源氏物語』展 in New York~紫式部、千年の時めき~」や、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリーオブ・アートでの「日本美術に見る動物の姿」展などの展覧会を開催し、今秋、宮城聰演出『アンティゴネ』および『杉本文楽 曾根崎心中』の舞台公演を、「Japan 2019公式企画」として実施します。

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 舞台芸術チーム
担当:木谷(きたに)、村越(むらこし)
電話:03-5369-6063
Eメール:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

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