アーティスト サエボーグの南米初パフォーマンスが決定 ~サンパウロにおいて「日・ブラジル外交関係樹立130周年事業」として開催~
国際交流基金(JF)は、日・ブラジル外交関係樹立130周年を記念し、2025年11月にサンパウロ(ブラジル)で、パフォーマンスアーティスト・サエボーグ氏による『Super Farm』公演を開催します。自身初となる南米公演です。
サエボーグ氏は、自作のラテックス製のボディスーツを装着し、「半分人間で半分玩具の不完全なサイボーグ」として、人間と動物の関係や生態系をテーマとしたパフォーマンスやインスタレーションを国内外で展開しています。
これまでに、岡本太郎現代芸術賞 岡本敏子賞やTokyo Contemporary Art Award 2022-2024などを受賞、ドイツ、オーストリア、ポルトガル、オーストラリアでの発表も好評を得ています。『Super Farm』は、おもちゃのようにカラフルな牧場を舞台に、デフォルメされた家畜たちが授乳、出産、屠畜といったライフサイクルを演じるパフォーマンスで、ビジュアルのインパクトとポップさと共に、その批評性が高く評価されています。
本公演に先立ち、2025年8月にサエボーグ氏と美術評論家・杉田敦氏をサンパウロに派遣し、レクチャーと現地の専門家とのトークを実施します。世界的な現代アートの潮流や、パフォーミングアーツの文脈の中における、サエボーグ氏の作品の位置づけについて考察します。また、サエボーグ作品を契機としながら「アートとケア」をキーワードとするトークイベントも開催予定です。
本事業を通じ、ブラジルにおける日本の現代的な表現の多様性や独自性、普遍性への理解が深まることで、今後の両国間における文化芸術交流がより一層促進されることを期待します。
「Cycle of L」高知県立美術館、2020
写真:釣井泰輔
「Slaughterhouse」、2019
Photo Credit : Dark Mofo 2019
日程 | 2025年11月15日(土曜日)、16日(日曜日)、18日(火曜日)、19日(水曜日)(ブラジル時間)(詳細決まり次第発表します) |
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会場 | SESC Consolação支部(ブラジル サンパウロ市) |
出演 | サエボーグ、ちぇちりあ、露木妙、今井美帆他 |
主催:国際交流基金、SESC(セスキ・ブラジル商業連盟社会サービス連盟)
日程 | 2025年8月28日(木曜日)(ブラジル時間) |
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会場 | SESC Consolação支部(ブラジル サンパウロ市) |
登壇者 | レクチャー:杉田敦(美術批評家) ゲスト:サエボーグ コメンテーター・ファシリテーター:Christine Greiner(サンパウロ・カトリック大学) |
主催:国際交流基金(JF)、SESC(セスキ・ブラジル商業連盟社会サービス連盟)
日程 | 2025年8月29日(金曜日)(ブラジル時間) |
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会場 | ジャパン・ハウス サンパウロ(https://japanhousesp.com.br/ja/) |
登壇者 | レクチャー:杉田敦(美術批評家) ゲスト:サエボーグ コメンテーター・ファシリテーター:Victor Hugo Kebbe(文化人類学者) |
主催:国際交流基金(JF)
協力:ジャパン・ハウス サンパウロ
プロフィール
【サエボーグ】
(C)宇壽山貴久子 1981年富山県生まれ。女子美術大学卒業。家畜や害虫などを題材にした自作のラテックス製ボディスーツで、パフォーマンスやインスタレーションを展開する。2014年第17回岡本太郎現代芸術賞 岡本敏子賞、2022年Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024受賞。
近年の主な発表として、「世界演劇祭2023」(Zoogesellschaftshaus、ドイツ/2023) 、「Tangente St.Pölten」( Jahnturnhalle、オーストリア/2024)、「Engawa A Season of Contemporary Art from Japan」(グルベンキアン近現代美術館、ポルトガル/2024)等の公演、近年の個展に「黒部市美術館開館30周年 サエボーグ Enchanted Animals」(黒部市美術館、2024年)、グループ展に「Swingers,RISING(Flinders Street Station、オーストラリア、2025年)、「Ultra Unreal」(シドニー現代美術館、オーストラリア/2022)、「Enchanted Animals」(黒部市立美術館/2024)、「Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展」(東京都現代美術館/2024)等の展覧会の他、多数の発表を国内外で展開。
【杉田敦】
美術批評家、芸術理論研究者。元女子美大学教授。その他、コレクティヴ、communal kitchen を主催。素粒子物理学専攻から芸術理論に転じ、芸術、科学、哲学を柱とした著書を発表。アーティストのゲルハルト・リヒターと小説家のトーマス・ベルンハルト、ピアニストのグレン・グールドについて論じた『リヒター、グールド、ベルンハルト(Richter, Gould, Bernhard)』以降、より美術、芸術にフォーカスした著述を行っている。それ以外に、越後妻有アートトリエンナーレへの参加や、個展開催など、種々のプロジェクトを実施している。既存のアート教育のあり方を問い直そうとした『ナノ・スクール(nano school)』は、6年間にわたって実施されたが、AI研究者であり教育者でもあったシーモア・パパートの教育観に触発されたもので、パパートはその基盤を、ブラジルのサンバ・スクールにおいていた。
[お問い合わせ]
国際交流基金(JF)
文化事業部 舞台芸術チーム
担当:山、湯橋
電話: 03-5369-6063
E-mail:pa@jpf.go.jp
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