ホストサイト内外でのアウトリーチ活動及びイベント
Ethnicity classでの講義
大学でのEthnicity講座は、毎回心待ちにしているクラスだった。BGMに民謡をアレンジした曲を流していたところ好評で、曲や映像についても質問が飛び交った。
旅先などで他国の人と話していると、歴史的な背景や文化の違いが話題に上ることが少なくない。自分の国がどのように他の国や地域に関与したか尋ねられることもある。民俗、文化的な背景を辿ると、その地に暮らす人の考え方や精神性が見えてくる。講座を通じて地理的・環境的要因や歴史と文化の関わり、そして日本の自然環境と文化への関心を少しは広げられたように思う。
折り紙は、老若男女問わず好き・得意という人が少なくない
陶芸家を招いて
日本から陶芸家を招き、日本の焼き物の素材や技法についてのレクチャー及び職人の技を近くで見ることができるクラスとワークショップを開催。米国と日本の焼き物は、原料や手法、手順が大きく異なるため、会場は常に驚きに満ちていた。
米国はアート教育が盛んで、学校の授業やサマーキャンプなどを通じ、多様なアートに触れる機会が充実している。小さなうちから焼き物などに挑戦する環境が整っていて驚かされる。陶芸を学ぶ若い生徒さんたちにとって、直接工程を見て技術に触れ、異なる技法と考え方を持つ陶芸家と言葉を交わしたことは忘れえぬ体験になったと思う。
大学の焼き物クラスでの実演の様子
フィンドリーで 皆既日食観測
冬は曇天続き、一日の中に四季があり、窓の外を見るまで今日の天気はわからないといわれるオハイオで、皆既日食をくっきりと観測できたことは、地元の方々と各地からフィンドリーを訪れたゲストにとって本当に喜ばしいことだった。この日のためにコミュニティでは各組織が集まり、長い年月をかけて準備してきた。
毎回好評を博すミュージアムの家族イベントのゲストに、宇宙飛行士のトレーニングを紹介した絵本「How to Spacewalk」を書いたキャサリン・サリバン博士と、絵を担当したマイケル・ローゼン氏(オハイオ出身)を招き、子どもたちへのサイン会、大人向けのトーク会も実施した。宇宙と深海を舞台にチャレンジし続けるキャサリンの体験談、そしてマイケルの素晴らしいリードとイラストレーターの視点は、来場者に何にも代え難い印象を残した。
当日はミュージアムも大学も朝からオープンし、STEAM施設やプラネタリウムでもゲストを受け入れアクティビティを行った。元NASA勤務の方がレクチャーに訪れ、会場は一層の盛り上がりを見せた。来場者は1500人を超え、近隣州の他、カリフォルニアなど遠方の州からのゲストもおられた。観測時刻が迫るとキャンパスの芝生は賑わい、持ち込んだチェアにかけたり芝生に寝転んだり、思い思いのスタイルで天体ショーの瞬間を待った。家族連れも多く、通路に思いきり絵を描くことができるチョークアートや、設置された巨大な日食メガネ越しに欠け始めている太陽の写真を撮るなど、この日ならではの過ごし方を楽しんだ。辺りが暗くなり、太陽がすべて隠れた瞬間は歓喜の渦が巻き起こった。
フィンドリー大学の他、いくつかの公園も解放され観測会が行われた