地域でのアウトリーチ活動
スクールでの折り紙レクチャー
JOIコーディネーターとして地域での認知が広まるにつれ、小学校や中学校、さらにはホームスクールの子どもたちが集まる学びの場に呼ばれる機会が増えてきました。
小学生は毎回リアクションが大きく、折り紙を教える楽しさを感じさせてくれます。中学校を訪問した際には、体育館で一日に約600人の生徒に折り紙を教えましたが、皆が協力し合い、私の手を借りることなく、見事に作品を完成させていました。
ホームスクールの子どもたちの集まりでは、保護者も同席するため、大人と子どもが一緒になって楽しむ、和やかな折り紙の時間となります。折り紙の時間は、参加者の集中力や創造力・想像力を高めてくれるため、まるでメディテーションのような効果があることを、子どもたち自身に体験してもらえる貴重な機会です。こうした瞬間に、コーディネーターとしてのやりがいを強く感じます。

小学校でみんなで折り紙
中学校体育館での一斉折り紙タイム
ホームスクールの子どもたちと折り紙
博物館での書道デモンストレーション・折り紙展示
私のホストサイトはフロリダ州の西端に位置しているため、隣接するアラバマ州からもアウトリーチ活動のリクエストをいただくことがあります。アラバマ州モービル市にある歴史博物館で「日本の侍」に関する特別展示が開催された際には、会期中に2度、折り紙の展示と書道のデモンストレーションを行う機会をいただきました。
来場者は、鎧や刀といった侍に関する展示を鑑賞した後、私のブースにも立ち寄ってくださることが多く、大人も子どもも、自身の日本の歴史や文化に対する関心を語ってくれました。その声を、テーブル越しに直接聞くことができたのは、非常に嬉しい体験でした。
書道のデモンストレーションでは、侍が教養として書道をたしなんでいたことをご紹介しながら、筆の持ち方や運び方を説明しつつ、一文字ずつ丁寧に書き上げていきました。
なお、モービル市は千葉県市川市と姉妹都市関係にあり、過去の交流事業で市川を訪問したことのある方々にも多くお会いすることができました。今回の文化紹介を通して、モービルの皆さんが日本への関心を持ち続け、さらに深めていただけたのであれば、JOIコーディネーターとしてこれ以上の喜びはありません。
担当テーブルにてスタンバイ。博物館の皆さんが素敵なテーブルカバーを用意してくださいました。」
折り紙コーナーは大人には鶴、子どもたちには動物が大人気。」
シニアセンターでのプレゼンテーション
シニアセンターからは、定期的にプレゼンテーションやワークショップの依頼をいただいています。折り紙や茶道など、伝統的な日本文化を紹介してほしいというリクエストが多く、私はいつも参加者との会話を大切にしながら進行するように心がけています。皆さんそれぞれに日本文化への思い出や関心があり、それを参加者同士で共有する時間はとても楽しく、温かいものです。
「茶道」についてお話しした際には、単にお茶をいただくという行為だけでなく、その背景にある歴史や精神性についてもご紹介しました。千利休など、茶道の成立に関わる重要な人物の話を交えつつ、クイズ形式を取り入れて、内容がより印象に残るように工夫しました。
プレゼンテーションの後には、「自宅でも抹茶を点ててみたい」という声もいただき、日本の文化が参加者の日常に取り入れられるきっかけになったことをとても嬉しく思いました。
茶道に関するプレゼンテーション。クイズを交えつつ楽しく説明
実際の茶道具を使って、お点前のデモンストレーション