「ホストサイト外でのアウトリーチ活動」 

ホストサイト外でのアウトリーチとは

皆さん、こんにちは。普段はホストサイトのあるテキサス州ダラス周辺でのアウトリーチ活動が中心ですが、プログラムが支給する遠方活動補助費という金銭的支援のおかげで、ホストサイトから150マイル以上離れたエリアでの活動も可能となっています。実際、コーディネーターとしての任務にも慣れてきた2年目にこの補助費を利用し、私の出身地の岡山県倉敷市の姉妹都市ミズーリ州カンザスシティでのジャパン・フェスティバルやオクラホマ州の大学でのシンポジウムでのサポート業務に赴きました。ホストサイト外でのアウトリーチ活動は、派遣されているホストサイトの活動に影響がないこと、スーパーバイザーの許可を得ることが前提となります。

きっかけ

今回のレポートでは、この4月にテキサス州ヒューストンにあるライス大学で行った、ホストサイト外でのアウトリーチ活動について紹介します。この活動では、国際交流基金が実施する米国若手日本語教員(J-LEAP)派遣事業でヒューストン近郊のウッドランズ・カレッジパーク・ハイスクールに派遣されている前川穂香さんと協働して活動しました。前川さんとのコラボレーションは今回が2回目です。ライス大学で日本語を専門的に教えておられる高山裕美先生と前川さんが知り合いのため、この活動が実現しました。高山先生は、JOI第9期で派遣されたコーディネーターとも繋がりがあったということも判明し、話がはずみました。

計画と準備

高山先生から50分の授業を3クラス任せていただけると伺っていたので、前川さんとのオンラインによる事前の話し合いで、日本のゴミ分別をテーマにレジ袋の代替案となる風呂敷について紹介することで合意しました。プレゼンテーションの役割を分担し、Googleスライドを共有しながら準備を進めていきました。スライド完成後、日本語の表現や内容を高山先生にも確認をしていただき、助言をもとに修正を加えました。

当日の様子

日本語を履修している学生は3クラスとも10名ほどだったため、アットホームな雰囲気でした。自己紹介をした後、ゴミの処分や分別について、クイズやペアワークを交えながら授業を進めていきました。風呂敷の話に移ると、その名前の由来、レジ袋の代用品としての活用方法に参加者は興味を持ち始めてくれました。基本の真結びをデモンストレーションし、真結びがうまくできるとそれをほどくのも簡単にできることを知り、何度も試す学生もいました。高山先生にも入っていただき、風呂敷バッグの作り方を全員、覚えることができました。

一つは紫の生地に桃色の桜と緑の葉っぱが散りばめられた柄の風呂敷と、もう一つは淡い格子柄の入ったオレンジ色の風呂敷を、それぞれ学生が手に持って見せている。
完成した風呂敷バッグ

成果

今回、アウトリーチの対象者が日本語を履修する学生であったため、風呂敷をテーマに日本文化を紹介しつつ、それにまつわる言葉(広げる・結ぶ・折る・包む、といった動詞)なども紹介しました。このように文化と言語の両方を意識した授業を展開できたことは、JOIコーディネーターとJ-LEAPのコラボレーションとして意義があったように思えます。また、時間の都合で風呂敷の包み方のアクティビティーを体験してもらうことができなかったのですが、今なお風呂敷を愛用する日本人の生活文化は伝えられたかなと思っています。

レンガ色の壁が続く校舎の前には木陰の並木道が続いている
ライス大学のキャンパス

白い壁の教室で、くらしきびがんちくという文字と運河の様子が映されたプロジェクタースクリーンの横でプレゼンをする黒いシャツを着た男性とそれを見ている生徒の後ろ姿
自己紹介の様子

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