アラバマ州:南部の歴史と自然を巡る旅

こんにちは。アラバマ州バーミングハム市にあるサムフォード大学に派遣されている、22期コーディネーターの田口恵理です。

まだまだ暑い日が続いていますが、10月に入りアラバマでも少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。

今回は、私が暮らすアラバマ州のおすすめ観光スポットをご紹介します。
アラバマ州はアメリカ南部に位置し、なんと私の出身地・熊本と緯度がわずか0.7度しか違いません。そのため気候は九州ととてもよく似ています。人々のあたたかい気質やおもてなしの心にも、どこか九州と通じるものを感じます。

一見すると、アラバマは観光地としてあまり目立たない州かもしれません。しかし、「住めば都」とはまさにこのことで、1年住んでみると行きたい場所のリストがどんどん増えてしまいました。今回はその中から、特に印象に残った3つのスポットを厳選してご紹介します。

1. ヘレン・ケラー生誕の地(Tuscumbia)

こちらに来るまで知らなかったのですが、ヘレン・ケラーはアラバマ州出身です。彼女の生家は現在、小さな博物館として一般公開されており、残存する家具を用いて当時の生活の様子が再現されています。

あの有名な「water」と初めて言葉を発した井戸も敷地内に残っています。ガイドの方が彼女の幼少期から晩年まで、家族の背景やエピソードを交えて丁寧に説明してくださり、非常に感動的でした。

また、敷地内ではヘレン自身のスピーチ音声も流れており、歴史の重みを直に感じられる場所です。

一般公開されているヘレン・ケラーの生家である博物館
ヘレン・ケラーの誕生の地

2. バーミングハム公民権運動博物館(Birmingham Civil Rights Institute)

バーミングハム市は、1950〜60年代の公民権運動と深い関わりを持つ場所として知られています。黒人教会の爆破事件、バス・ボイコット運動、キング牧師の逮捕など、アメリカ史に残る多くの出来事がここで起きました。
館内には当時の写真や資料が豊富に展示されており、一つひとつの展示から当時の人々の苦難と希望が伝わってきます。中でも、KKK(クー・クラックス・クラン)の白いマントが匿名で展示されているのを見たときには、歴史の生々しさを痛感し、「決して忘れてはならない過去」だと強く感じました。

博物館の隣には、当時唯一の黒人専用ホテルが修復・再現されており、さらに近くには実際に爆破された教会も残されています。現地を歩くことで、歴史が今も息づいていることを実感できるエリアです。

バーミングハム公民権運動博物館に隣接している、修復し再現された、かつての黒人専用ホテルの外観
A.G. Gaston Motel(かつての黒人専用ホテル)

3. バッキーズ(Buc-ee’s)

最後に少しユニークなスポットをご紹介します。バッキーズは、アラバマ州をはじめ南部各地に展開している大型ガソリンスタンドチェーンです。
「ガソリンスタンドが観光地?」と思うかもしれませんが、ここは一種のテーマパークのような場所です。広大な売り場には、その土地ならではのお土産やスナック、スパイス、グリルメニューなどがずらりと並んでおり、見ているだけで楽しくなります。ビーバーのマスコットも愛らしく、南部を訪れるなら一度は立ち寄ってほしいスポットです。

アラバマ州には、歴史を感じる場所から思わず笑顔になるローカルな体験まで、魅力がぎゅっと詰まっています。ぜひ皆さんも、アメリカ南部の温かさと深い歴史を体感しに訪れてみてください。

大型ガソリンスタンドチェーン「バッキーズ」のビーバーのマスコットと一緒に撮影した写真
Buc-ee'sにて
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