ブラックヒルズとネイティブアメリカン

私のホストサイトであるサウスダコタ州ブラックヒルズは、広大な自然とともに、ネイティブアメリカンの歴史と深く関わってきた土地である。特にラコタ族(スー族)は、この地に長く暮らしてきた先住民族であり、今でも州内には9つの部族政府(以下、リザベーション)が存在する。サウスダコタ州におけるネイティブアメリカンの存在は、文化的・歴史的にとても重要といわれている。

およそ100人ほどのダンサーと、約20名ほどの応援している人が写っている。
ホストサイトで行われたネイティブアメリカンのダンスコンペティションの様子

そこで今回お伝えするのが、ネイティブアメリカンの歴史とも深く関わるブラックヒルズにそびえ立つマウント・ラシュモアである。日本の英語の教科書ニューホライズンにも記載されていることもあり、日本国内でも広く知られているのではないだろうか。

アメリカ・サウスダコタ州にあるマウント・ラシュモアは、アメリカの歴代大統領4人の顔が山に彫られている有名な観光地である。冬が明けると、多くの観光客が全米各地から訪れる。ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーンの4人がアメリカの建国や発展を代表する人物として選ばれた。しかし、このモニュメントは、すべての人にとって誇らしいものではない。特に、先住民であるラコタ族にとっては、深い悲しみや怒りの象徴となっている。冒頭でも述べたように、マウント・ラシュモアがあるブラックヒルズという地域は、ラコタ族にとってとても大切な聖地である。1868年、アメリカ政府とラコタ族の間で結ばれた条約では、この土地はラコタ族に永遠に守られると約束されていた。しかし、1870年代に金が見つかると、アメリカ政府はその約束を破り、白人の入植を許してしまったことにより、ラコタ族は大切な土地を奪われてしまった。その後、この奪われた土地の中に、観光地誘致プロジェクトの一環としてマウント・ラシュモアが作られた。先住民にとっての聖なる山に、大統領たちの顔が刻まれたことは、「侵略の象徴」ともいわれている。特に、トーマス・ジェファーソンは先住民の土地を奪う政策を進めた人物でもあり、多くのネイティブアメリカンにとっては侮辱だと感じられている。

また、マウント・ラシュモアの近くでは、「クレイジー・ホース記念碑」という新たな彫刻が作られている。これは、ラコタ族の英雄であるクレイジー・ホースの姿を山に刻むもので、先住民の歴史や誇りを表すものとして建設が長いこと進められている。

山にラコタ族の英雄であるクレイジー・ホースの顔が刻まれてる。
建設途中のクレイジー・ホース

マウント・ラシュモアは、多くのアメリカ人にとっては誇りの象徴であるが、ラコタ族などのネイティブアメリカンにとっては、土地を奪われた歴史や痛みを思い出させる場所でもある。深い歴史が関わっており、安易に述べられるものではないが、このエリアについてもっと知見を広げたいと思うと同時に、他文化へのアクセスが非常に制限されているリザベーションでのアウトリーチにも挑戦してみたい。

快晴のサウスダコタ州のマウント・ラシュモアを背景に女性3名が写っている。
二人のJOIコーディネーター達とマウント・ラシュモアにて
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