Winter Program Series- 過去と現在を日本文化ワークショップでつなぐ

今回は、この冬にホストサイトで行ったアウトリーチ活動をご紹介します。以前のブログ投稿でも触れたとおり、この地域は夏は観光地となるため、主に冬の期間に地元の方向けのシリーズもののワークショップを開催しています。この冬は、12月は折り紙でクリスマスオーナメント作り、1月は餅つきと盆踊り、2月は恵方巻、3月は漬物、4月は生け花とお酒のテイスティングというラインナップでワークショップを実施しました。

ここはかつて日系アメリカ人の強制収容所があった場所であるため、当時、彼らが行っていた文化活動と絡めて企画をするように心がけています。戦後、日系アメリカ人は西海岸または他州に移ったため、今はこの地域に日系人コミュニティはほとんど残っていません。日本文化のワークショップを通して、当時彼らがどのような生活をしていたのかを知ってもらうきっかけになればと思っています。また、彼らが行っていた文化活動はもちろん彼らの文化そのものでもありますが、当時の厳しい生活から気を逸らすためのコーピング手段とも捉えることができると思います。

二人の女性が餅つきをしている
杵と臼はお手製の物がホストサイトに寄付されていました

参加者同士がお互いの民族衣装を着て記念撮影
お互いの民族衣装で記念撮影

餅つき

例えば、1月の餅つきワークショップではハートマウンテンでお正月がどう祝われていたかを紹介し、日本でのお正月の祝い方、お餅の意味について説明します。アメリカではアイスクリームが中に入ったものが「mochi」として一定の認知度があるのですが、お雑煮やきな粉は食べたことがない方が多いので、新しい味として皆さんに喜ばれました。

盆踊り

踊りのワークショップは、ハートマウンテンの地と関わりの深いネイティブ・アメリカンのクロウ族であるスタッフと一緒に企画しました。当日は、クロウの踊りとともに、皆で炭坑節を踊りました。夏には盆踊りがハートマウンテン内でも開催されていたうえ、炭坑節は日系アメリカ人のコミュニティの中でもよく知られた曲です。また、月、山、煙突、炭坑といった歌詞はハートマウンテンやワイオミングの情景を連想させ、偶然にも嬉しい驚きでした。不思議なもので、円になって踊ることや、男性が腰を低く落として踊る姿からは、ネイティブ・アメリカンと日本の盆踊りの親和性を感じる面もある、興味深いワークショップとなりました。

二人の女性が餅つきをしている
一人ひとつ、ビンを持って帰ってもらいました

参加者同士がお互いの民族衣装を着て記念撮影
作品を並べると個性が際立ちより美しく感じます

漬物

日系アメリカ人はこの地域の農業に多大な貢献をしたことでも知られています。農業に必要不可欠である灌漑の整備に貢献し、難しいとされる標高の高い砂漠でも40種を超える野菜や穀物を育てました。彼らのノウハウは今も地元の農家の人々に受け継がれています。漬物のワークショップでは、当時ハートマウンテンでも多く収穫した大根にスポットを当て、大根の甘酢漬けを作り、一汁三菜などの和食の考え方についても紹介しました。

生け花

生け花は当時ハートマウンテン内でも毎週教室が開催されるほど人気の習い事でした。当時は物資も不足していたので、人々は紙で花を作ったり、このあたりではよく見かけるセージブラシを取り入れたりして作品を作っていたようです。ワークショップでは、西洋のフラワーアレンジメントと生け花の違いや、侘び寂び、ミニマリズム、アシンメトリーといったポイントを伝えます。果たしてこのコンセプトがきちんと伝わるのか?と最初は不安に思っていたのですが、いざやってみると初めての方でも見事に花を生けるので、見ていてこちらも楽しいワークショップとなりました。

日々のワークショップを通じて、私自身も日本文化やアメリカの歴史について多くを学びます。企画、集客、準備、実施となかなかスムーズに進まないこともあるのですが、2年目となるとだいぶ慣れてきた気がします。残りの時間も最大限、ワイオミングのコミュニティに貢献していきたいです。

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