第10回 日中韓文化交流フォーラム 韓国・釜山 概要報告
2005年より日本、中国、韓国の3カ国持ち回りで毎年開かれている「日中韓文化交流フォーラム」は今回で10回目の節目を迎えました。この記念すべき会が、今回は韓国・釜山で開催され、釜山国際映画祭の時期に合わせて日中韓3カ国の映画共同制作について話し合いが行われました。本報告書は、同会議・関連事業の概要をまとめたものです。
1. 日時
2014年10月7日(火曜日)~10月10日(金曜日)
2. 会場
大韓民国釜山/Westin Chosunホテル
3. テーマ
日中韓映画製作の現況及び相互協力
4. 出席者
日本
- 小倉 和夫
- 国際交流基金顧問
- 宮田 亮平
- 東京芸術大学学長、文化財保護・芸術研究助成財団 理事長
- 小宮 浩
- 文化財保護・芸術研究助成財団 専務理事
- 堀越 謙三
- 東京芸術大学名誉教授・特別教授 <映画専門家>
中国
- 陳昊蘇(Chen Haosu)
- 前中国人民対外友好協会 会長 (代理委員長)
- 馮佐庫 (Feng Zuoku)
- 中国人民対外友好協会 副会長、中韓友好協会 副会長
- 王秀云 (Wang Xiuyun)
- 中日友好協会 副会長、中国人民対外友好協会 日本部 主任
- 黄丹 (Huang Dan)
- 北京映画大学文学学科 学部長、教授<映画専門家>
韓国
- 鄭求宗(Chung Kuchong)
- 韓日文化交流会議 委員長、東西大碩座教授
- 孔魯明(Gong Romyung)
- 前駐日大使、前外交通商部長官
- 権丙鉉(Kwon Byonghyon)
- 韓中文化青少年協会 会長、「未来の森」代表、前駐中大使
- 李元泰(Lee Wontae)
- 韓中友好協会 副会長、錦湖アシアナグループ顧問
- 金亨駿(Kim Hyong Joon)
- 映画製作者、前韓国映画製作者協会 会長<映画専門家>
5. 会議内容
今回は、3カ国から映画専門家をお招きし、委員討論に先立ち、各国の映画制作の現状と今後の共同制作の可能性について、次のような話をうかがいました。
- (1)中韓間の共同映画制作は非常に進んでいる。かつ中韓間で映画制作の共同出資に関する協定が近年結ばれた。これにより、今後中国資本の投資があった韓国作品は、中国市場で中国作品として扱われることになり、外国作品の少ない枠ではなく、中国国内作品の枠で韓国映画を上映できるため、このような韓国映画の市場は拡大する傾向にある。
- (2)その反面、共同作品の難しさも明らかになった。共同制作であっても、中国・韓国市場の受け入れられ方は異なるため、必ずしも両国で同じような反応が得られるわけではない。したがって、どこによりどころを置くかを考える必要がある。
- (3)また、例えば韓国では20年以上前に撮影された映画作品のオリジナル資料は世界各地に散逸しているため、過去の作品に関する情報を多国間で共有する機会が今後必要となるだろう。
これらの専門家による講演を受け、各国委員により感想や意見が述べられました。
今回のフォーラムの鄭求宗議長(韓国)は、アジア映画の将来性に希望を持てるとし、「今後『Dream of Asia Made』がさらに発展していくような時代になった」と述べました。
小倉和夫委員長(日本)は、共同制作の困難を知る努力が、今後の映画共同制作を動かす鍵となることに言及しました。また、特に今後芸術的な映画を守るためには、知識人が教養として映画を認知し、守っていく必要性があると感じると意見を述べました。
中国の陳昊蘇委員長は、日中韓が新たな三国志の時代と言われていると言及し、映画は西洋の産物という認識を持っていたが、これからはアジアでも映画がさらに発展していくことを期待したいと話しました。
Figure 1 今回のフォーラムのパネルと垂れ幕
Figure 2 会議場の様子
Figure 3 日本側参加者の様子
Figure 4 参加者集合写真
6. 関連イベント
映画の共同制作に関するフォーラムの開催にあたり、下記の文化交流イベントが実施されました。
- (1)釜山国際映画祭の中心的な会場となっている「映画の殿堂」の小劇場にて、韓国伝統芸能・ドンレハクチュム(鶴の舞)、『私は未来』合唱とASIANA国際短編映画祭出品作品上映会を実施。
- ドンレハクチュムを韓国の重要文化技術保持者であるLee Seonghun氏が文化交流フォーラムの参加者のために披露。
- 韓国の小学生コーラス30名による日本語・中国語・韓国語の『私は未来』の合唱とその他2曲の発表を鑑賞。『私は未来』は、2013年、本フォーラムのために、夢枕獏氏に作詞、松下功・東京藝術大学副学長に作曲いただいた合唱曲です。
- ASIANA国際短編映画祭に出品された3カ国の作品(各20分)を鑑賞。
- (2)釜山市が韓国政府と共に文化都市を形成しており、これまで莫大な投資を行ってきた中で特に力を入れている映画制作の本拠地、釜山総合映画スタジオを見学。
Figure 5 会場となった映画の殿堂
Figure 6 委員と映画専門家の合同写真
[お問い合わせ]
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
日本研究・知的交流部 アジア・大洋州チーム
担当:宮﨑彩
電話:03-5369-6070 / ファックス:03-5369-6041