「ポスターネットワーキングセッション -Meet JF Fellows-

JFフェローによるネットワーキング企画
「ポスターネットワーキングセッション -Meet JF Fellows-」実施レポート

国際交流基金(JF)が毎年世界各国から招へいしている、日本研究に携わる研究者及び博士課程学生のフェローを対象に 、全ての研究者に共通した「3つの質問」を投げかけ、集まった回答について、お互いにアドバイスや感想、意見などをコメントしあう、分野横断型のネットワーキング企画を実施しました。オンライン開催と、対面開催を組み合わせて構成。3つの質問に対して、現役フェロー82人からの回答があり 、オンラインでは過去のフェローを含め250人以上、対面では現役(来日中)のフェローおよび受入教員や関連機関からの参加者を含め、総勢80人以上にご参加いただきました。

  • ポスターネットワーキングセッションの様子1
  • ポスターネットワーキングセッションの様子2

〈3つの質問〉

  1. 1.自分の研究を専門外の人にどう説明しますか。
    -How would you explain your research to someone outside your field?
  2. 2.日本について研究しようと思ったきっかけは何ですか。
    -Why did you decide to research about Japan?
  3. 3.いま困っていること、不安に思っていることは何ですか。
    -What are you currently concerned about?

目的

JFフェローは文学、美術、外交、歴史など多様な分野の研究を行っています。フェローとして来日後は日本各地の受入研究機関に散らばってしまうため、日本滞在中に交流する機会は多くありませんでした。また、分野を超えて国内の日本研究者と繋がる機会も限られていたため、提示した「3つの質問」を通して、お互いの研究・バックグラウンド・課題を共有することで、まずは気軽な意見交換を実現。そこから更なる研究上の交流につなげ、世界中の研究機関に帰った後も、今回のネットワーキングを活用して、日本研究をより豊かに、また日本への理解をより深くするため、分野を超えた交流機会の提供を目指しました。同時に、対面イベントに参加いただいた国内の研究者に向けて、JFフェローを紹介する場所となりました。

方法

  • Meet JF Fellows ポスターネットワーキングセッションのチラシ
  1. 1.オンラインプラットフォーム(Miro)上で「3つの質問」への回答と各自のプロフィール写真を掲載し、1週間の掲載期間に参加者が付箋にコメント。言語は回答・コメント共に日英自由。
  2. 2.対面で開催した2回のフェロー・カンファレンス(東京大学東洋文化研究所及び国際日本文化研究センターとそれぞれ共催)にて、オンライン上に掲載した回答と付箋を、ポスターとして展示。当日はその上に付箋やリアクションシールを貼りながら、気になる研究者と対話。
ポスターネットワーキングセッションの様子3

対面開催では、現場での交流を促すため、ポスターに実名とご本人の写真を掲載しました。さらに、興味のある研究者の名刺を気軽に収集できるように工夫しました。更には、フェローをグループ分けし、ポスター上でのやりとりについてグループセッションで議論を深めたり、話したいフェローをリストに書き出すオリエンテーリングシートを活用したりといったアクティビティを実施し、活発な交流に繋げました。

  • ポスターネットワーキングセッションの様子4
  • ポスターネットワーキングセッションの様子5

参加者の声

「日本文学の研究だが、世界とつながった」

「「ポスターネットワーキングセッション -Meet the Fellows-」の形はお見合いみたいです。すごく面白いと思います。」

「専門についてキーワードがあるとわかりやすい」

“The networking event was fun and engaging.”

“I really like the poster system and also the break-out session. At big conferences sometimes it could be hard to get to know new people, but JF really makes it easy and smooth to mingle with others, and to know their names, research interests, and even personal interests in depth.”

今後に向けて

オンライン上での交流を踏まえた対面開催を通し、現場に集まったフェローや参加者間の「賑やかな交流」を生み出すことができました。事前に研究内容などを読んでおくことで、現場で会いたいフェローをリストアップしていたり、ポスターを見ながら話し合ったりする場面が多く見られました。

課題として、長すぎて全てのポスターを読むことが難しいという意見が目立ったため、字数に制限を設ける、共通の短いキーワードやハッシュタグを設けるなどの改善が必要と考えています。今回参加したフェローが、次年度以降のセッションにも「先輩」としてコメントする形で参加が広がっていくことが理想です。今回の経験を、一過性でなく、継続的なフェロー・アルムナイ・コミュニティとして発展させるにはどのような工夫が必要かを引き続き検討していきます。

*本イベントは「京都大学100人論文」プロジェクトを参考に、発案者の宮野公樹先生のご了承を得て企画しました。

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