ポスターネットワーキングセッション -Meet JF Fellows- 2024
JFフェローによるネットワーキング企画
「ポスターネットワーキングセッション -Meet JF Fellows-」実施レポート
昨2023年度に引き続き今年も国際交流基金(JF)フェロー(世界各国から招へいした日本研究に携わる研究者及び博士課程学生)を対象に、各々の研究に関する「3つの質問」への回答を募集・掲示し、参加者がアドバイスや感想、意見などをコメントする、分野横断型のネットワーキング企画「ポスターネットワーキングイベント -Meet JF Fellows-」を実施しました。オンライン開催と、対面開催を組み合わせて構成し、今年は91人からの回答があり、オンラインでは過去のフェローを含め200人以上、対面のカンファレンスでは現役(来日中)のフェローや受入教員、関連機関からの参加者を含め、総勢120人以上にご参加いただきました。今年は昨年のフィードバックを活かして、研究に関連する3つのキーワードを付けたり、3つの質問も新たにリニューアルしたりと工夫の上実施しましたが、みなさん積極的にご参加くださり盛り上がりを見せました。
〈3つの質問〉
- 1.あなたの研究を説明してください。
-How would you explain your research? - 2.日本研究を続けるモチベーションは何ですか。
-What keeps you going as a Japanese Studies researcher? - 3.他のフェローや研究者に聞きたいことは何ですか。
-What questions would you like to ask other Fellows and Researchers?
A 目的
JFフェローは文学、美術、外交、歴史など多様な分野の研究を行っています。フェローとして来日後は日本各地の受入研究機関に散らばってしまうため、日本滞在中に交流する機会は多くありませんでした。また、分野を超えて国内の日本研究者と繋がる機会も限られていたため、提示した「3つの質問」を通して、お互いの研究・バックグラウンド・課題を共有することで、まずは気軽な意見交換を実現。そこから更なる研究上の交流につなげ、世界中の研究機関に帰った後も、今回のネットワーキングを活用して、日本研究をより豊かに、また日本への理解をより深くするため、分野を超えた交流機会の提供を目指しました。同時に、対面イベントに参加いただいた国内の研究者に向けて、JFフェローを紹介する場所となりました。
B 方法
- 1.オンラインプラットフォーム(Zoom Whiteboard)上で「3つの質問」への回答と研究を表す一枚の写真を掲載し、1週間の掲載期間に参加者が付箋にコメント。言語は回答・コメント共に日英自由。
- 2.対面で開催した2回のフェロー・カンファレンス(東京大学東洋文化研究所及び国際日本文化研究センターとそれぞれ共催)にて、オンライン上に掲載した回答と付箋を、ポスターとして展示。当日はその上に実際に付箋を貼りながら、気になる研究者と対話。
対面開催では、現場での交流を促すため、ポスターに実名を掲載しました。さらに、興味のある研究者の名刺を気軽に収集できるように工夫しました。更には、フェローをグループ分けし、ポスター上でのやりとりについてグループセッションで議論を深める等アクティビティを実施し、活発な交流に繋げました。
参加者の声
「異なる研究分野の学者と交流しながら多くの知見を得ることができました。多くの刺激と新しい繋がりを得られて、大変有意義な時間を過ごすことができたと感じています!」
「専門家たちのそれぞれの領域についての発表を聞き、自分の研究にも勉強になります。他の研究方法とか研究視点を学び、もっと研究視野が広げられました。」
「研究発表を聞くだけではなく、直接話ができるのがとても嬉しかったです。また、私が研究分野に全然明るくない時でもフェローの皆様が優しく教えてくれたり、積極的にコミュニケーションをとってくれたのが大変助かりました。」
“I was wondering if it might be better to have a short time allocated for poster Q&A for each category.”
“JF fellow conference was very fruitful where I got wonderful opportunity to interact with numerous researchers/scholars from various fields.”
今後に向けて
2回目の開催となった今回は、ポスターに用いる文字数の削減や、研究に関するキーワードを用いることで、多くのポスターを読みやすくし、関心のある研究者により簡単に出会えるように工夫しました。昨年参加したアルムナイや、来日前のフェローの多くもオンラインで参加し、日本にいなくても新しいコホートと意見交換する場所を提供することができました。対面イベントでは、ポスターに記載した内容をもとに活発な議論が行われ、学際的な交流は視野を広げるだけでなく、各自の研究活動に刺激を与えていました。今後経験のあるアルムナイが増えていくことで、より広い学際的日本研究コミュニティとしてのネットワークを支えていくため、引き続き改善を重ねたイベントを実施していきます。