EPA日本語講師インタビュー
H28(2016)年度フィリピン派遣

Republic of Philippines
フィリピン

フィリピンEPA講師写真1

『みんなの日本語』で直接法にチャレンジ!明るく情熱あふれる人たちに助けられています。

中国語が少しわかるので、台湾の日本語学校で日本語教師として3年近く働いた後、応募。ここでは教科書『みんなの日本語』を使った「直接法」での教授法の経験を積み、将来的には日本で教えたい。EPA研修は1回目。

QなぜEPAを選びましたか?

A

もともと海外で働きたいと思っていたので、就職活動をしていた頃からEPA訪日前研修は知っていました。以前講師をしていた台湾は漢字圏なので、その分、教えやすさもありますが、次の機会には非漢字圏にチャレンジしてみたいと思っていました。台湾では独自教材を使って中国語による「間接法」で教えていましたが、このプログラムでは日本語を使って日本語を教える「直接法」での教授法になります。

Q来る前に不安だったことは? そして今は?

A

(日本で行われた)派遣前研修でも外にはあまり出ない方が良い、と言われていたので、治安がどの程度なのかわからず不安でした。実際には、自由に外を歩けるわけではないけど、生活拠点のマンションの中にジムやプールもあるので、気分転換も出来、大きなストレスはありません。こちらに来て3か月ですが、驚くような事態には遭遇していません。教えることに関しては、経験を積みチャレンジしたかったので、不安ではありませんでした。自分自身はまだまだですが、明るく情熱あふれる候補者たちに助けられています。

Q実際に現地で教えてみての感想は?

A

看護師や介護福祉士を目指す人々(候補者)に、専門的な用語や技術ではなく、ゼロスタートの日本語を教えていますが、一方的に話す講義型ではなく、やり取りの中で彼らと一緒に作っていくという感覚があります。一つのクラスを日本人とフィリピン人の講師数人で受け持つので、毎日のミーティングで情報共有をしています。クラス担当同士は勿論、それ以外でも講師間のつながりは心強く、授業面、生活面ともに相談できます。

EPA日本語講師を一言で表現すると?

経験

授業やクラス運営など試行錯誤で、日々取り組んでいることが「経験」となっています。

フィリピンEPA講師写真2

現地の文化や宗教、考え方など多くのことを知る機会に!こちらでの生活は、慣れてしまえば平気です。

海外で仕事をすることに興味があり、大学の教授に薦められてEPA研修を知った。大学卒業後すぐにEPA研修に参加。一人で行くのは不安だったが、このプログラムは日本人のスタッフや講師たちと共に参加するので、安心できると思い応募。EPA研修は2回目。

Q実際に現地で教えてみての感想は?

A

現地で教えるということは、講師にとっても現地の文化や宗教、考え方など多くのことを知る機会になります。候補者にとって学ぶことが多いということは、講師にとっても学ぶことが多いということになります。教材は『みんなの日本語』を使っていますが、授業の準備を進めるなかで、自分自身が改めて日本語を見直す作業からはじめ、彼らが今後遭遇するであろうシーンを想定し、例文を考え、授業を組み立てています。チームで働いているので、仲間の講師は頼りになる存在です。授業に関する相談をチーム内でよくします。環境も整っていて、候補者との絆を深められ、こんなに面白い仕事はないと思います。

Q候補者の印象は?

A

みなさんすごく真面目だと思います。私はジャカルタとマニラの二つを経験していて、マニラは今頑張っている途中なんですが、すごく真面目な候補者が多いと思います。みなさん介護福祉士・看護師になるために、国家試験を受けるので、同じ目標に向かって勉強していて、真面目に取り組んでいる学生が多いと思います。

Q現地での生活は?

A

休日は宿舎の近くに買い物に行ったり、宿舎の中のジムで身体を動かしたり、近くの喫茶店にこもって授業準備をしたりしています。現地には調整員がいて、生活上困ったことがあれば相談しています。お店の清潔感とかセキュリティとか、日本でのクオリティを求めると驚くこともありますが、こちらでの生活に慣れてしまえば平気です。

EPA日本語講師を一言で表現すると?

試練

講師も候補者も、日々の事象を一つ一つ乗り越えてクリアにしていく、試練の毎日。

フィリピンEPA講師写真3

チームワークが重要であり、さらにそれが安心感にも!候補者たちが日本で働くのに困らないように、と責任を感じます。

元英語教師。日本語教師も5年ほどしていたが、海外での仕事を希望し、公的機関で環境が整えられているEPA訪日前研修に応募。若い人を育てる役割になるのはまだ自信がなく、自分自身が現役で日本語教師をしたい。EPA研修は2回目。

Q来る前に不安だったことは? そして今は?

A

介護や看護の経験と知識が無いこと。一人暮らしの経験もほとんど無いこと。期間の長さに対して、健康で最後まで過ごせるだろうか。という3点が不安でした。訳も分からず必死でしたが、まずは日本語に重きを置いて授業をしています。自分の知識を総動員して(知ったかぶりもして)教えています。現地に派遣される前の研修時から実際の授業まで、何段階も相談することが出来るので、自分の常識の範囲でなんとかやっています。体調を崩したときなどは、同僚や調整員のサポートが心強く、一人暮らしですが「一人」ではないと感じています。

Q候補者の印象は?

A

親しみやすく、明るく、前向きで、礼儀正しい。彼らの笑顔は周りの人を和ませます。不愉快な思いをして授業をすることはありません。彼らに刺激されて、自分ももっと彼らのサポートをしたいという気持ちに自然になります。また、学習者の真剣度が高く、こちらも授業に集中して取り組めますし、とても楽しそうに学んでくれます。彼らの表現力の豊かさは、特に会話の練習の時に発揮されています。いい出会いだと思います。

Q想定外だったことは?

A

日本語指導のほか、彼らが日本で困らないように、日本の文化、マナーなどの授業があることです。さらに、先を見通した学習計画(自律学習)と併せて、訪日前研修の3本柱です。日本語指導以外にも重きをなしており、結構大変です。

EPA日本語講師を一言で表現すると?

自律

自分を律する、という意味の自律です。候補者たちにほぼ毎日「自律」と言っています。そのことについて考えることも多く、自分自身の生活も自律していなければならないと思うので、象徴的な言葉だと思います。

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