アルバニア(2020年度)
日本語教育 国・地域別情報
2018年度日本語教育機関調査結果
機関数 | 教師数 | 学習者数※ |
---|---|---|
1 | 1 | 200 |
教育機関の種別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初等教育 | 0 | 0.0% |
中等教育 | 0 | 0.0% |
高等教育 | 200 | 100.0% |
学校教育以外 | 0 | 0.0% |
合計 | 200 | 100% |
(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
2011年よりマリン・バーレティ大学において課外科目として試験的に日本語教育が開始された(2017年現在は休講)。また、2012年にアルバニア初の日本語辞書が完成した。2014年4月には首都ティラナ市内の民間の日本語学校で日本語講座が開講された。同年6月には『みんなの日本語 初級Ⅰ』のアルバニア語版文法解説が完成した。2016年10月にはティラナ工科大学において単位科目としての日本語コースが開講された。
背景
アルバニアは1990年代に入り、それまでの半鎖国的な体制から開放路線に転じた。1989年から日本の文部科学省による国費留学生の受け入れが開始されており、元国費留学生や日本留学・滞在経験者が、近年、日本語教育への取り組みを開始している。
2014年にEU加盟候補国となったが、国内の経済状況は依然厳しく、多くが近隣のイタリアや諸外国に出稼ぎに出ている。外国語能力は就職に直結するものであるため、特に若者の中には英語など主要欧州言語を学ぶ者が増えている。
特徴
日本語学習者の特徴としては、他の欧州諸国同様、アニメ・マンガの影響で日本や日本語、日本文化に興味を持つ若者が少なくない。日本語教育全体では、ティラナ工科大学で教鞭をとる日本留学・滞在経験のあるアルバニア人日本語講師を中心に、日本語教材の翻訳や日本語教育の普及が進められており、2017年1月の在アルバニア日本国大使館の開設以降、その動きが活発になってきている。
最新動向
2017年1月に在アルバニア日本国大使館が開設された。 また、2019年1月に平成30年度草の根文化無償資金協力「ティラナ工科大学日本語ラボ整備計画」の贈与契約が締結され、同年11月に機材贈与式が実施された。
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
2011年よりマリン・バーレティ大学において課外科目として試験的に日本語教育が開始され、2013年度は45名が登録したが、2019年10月現在、実施は確認できていない。
2016年10月より、ティラナ工科大学において全学部の学生を対象とした選択科目として、アルバニア人講師による日本語コースが開講されている。また、2019年11月には平成30年度草の根文化無償資金協力による日本語ラボが完成し、今後同大学において日本語教育がますます盛んになることが期待されている。
学校教育以外
日本語教育の実施は確認されていない。
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
4-5-4制。
義務教育は、小学校からの9年間で、前期(4年間)と後期(5年間)に分かれる。義務教育後の中等教育は通常3年間であり、職業訓練校の場合は2年・1年・1年の3段階、最長で4年間となる。大学制度はボローニャ・プロセスへの参加により3~6年となっている。
教育行政
教育科学省が管轄している。
言語事情
アルバニア語が公用語。イタリア語、英語などの主要欧州言語を話せる者も多い。
外国語教育
外国語教育は初等教育の3年次から開始。
外国語の中での日本語の人気
日本語教育は非常に限られており、他の外国語と比較されうる選択肢とはなっていない。
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
2016年10月より開講したティラナ工科大学の日本語コースでは『みんなの日本語』及び同大学のアルバニア人講師が翻訳した教材などが使用されている。
学校教育以外
日本語教育の実施は確認されていない。
IT・視聴覚機材
大学の大講堂や比較的大きな教室にはコンピュータ、プロジェクター、インターネット環境が整っている。
教師
資格要件
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
資格要件は特に定められていない。 2019年10月現在、日本留学・滞在経験のあるアルバニア人日本語教師1名がティラナ工科大学で教鞭をとっている。
学校教育以外
日本語教育の実施は確認されていない。
日本語教師養成機関(プログラム)
日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。
2017年度にアルバニア人日本語講師1名が、国際交流基金日本語国際センターの「海外日本語教師短期研修(夏期)」に参加した。
日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
2019年10月現在、ネイティブ教師の雇用は確認できていない。
現職教師研修プログラム(一覧)
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
国際交流基金ローマ日本文化会館より日本語専門家が出講した「日本語教師向けワークショップ」に参加した在留邦人が「アルバニア日本語教師会」を立ち上げたが、2019年10月現在、活動は確認できていない。一方、ティラナ工科大学で教鞭をとっているアルバニア人日本語講師が中心となって、日本語教育関係者の緩やかなネットワークが形成されつつある。
最新動向
特になし。
日本語教師派遣情報
国際交流基金からの派遣
国際協力機構(JICA)からの派遣
国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。
その他からの派遣
(情報なし)
日本語教育略史
2011年 | マリン・バーレティ大学において課外科目として試験的に日本語教育が開始 |
---|---|
2012年 | アルバニア初の日本語辞書が完成 |
2014年 | 民間の語学学校で日本語講座が開講 『みんなの日本語 初級Ⅰ』のアルバニア語版文法解説が完成 |
2016年 | 『みんなの日本語 初級Ⅱ』のアルバニア語版文法解説が完成 |
2017年 | 『かな入門』のアルバニア語版が完成 |
2019年 | ティラナ工科大学に、平成30年度草の根文化無償資金協力による日本語ラボが完成 |