ベナン(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数※
1 2 225
※学習者数の内訳
教育機関の種別 人数 割合
初等教育 0 0.0%
中等教育 0 0.0%
高等教育 0 0.0%
学校教育以外 225 100.0%
合計 225 100%

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 2003年9月、IFE財団( 代表:ゾマホン前駐日ベナン大使)が、日本とベナンとの間での教育、社会福祉、環境保護、文化交流による相互理解及び技術移転を目的として、ベナン初の日本語学校「IFE日本語学校(通称:たけし日本語学校)」を設立した。同校では、日本語母語教師による指導の下、さまざまな職業・年齢・経験の学習者が性別を問わず日本語を学んでいる。その他にも日本語クラブを自主的に運営している団体がいくつかある。また、ボランティアベースなるも、2009年以後、JICA海外協力隊員がそれぞれの活動地域で日本語教室を運営している。

背景

 ベナンでは、教育を通じて高度な経済社会の発展を実現した国として、日本への評価・関心が高く、対日イメージは良好である。日本文化としては、柔道協会及び空手協会が設置されているほか、剣道協会設置の動きもある。日本のポップカルチャーに対する関心も、若年層の間では少しずつ高まっている。2003年の「たけし日本語学校」設立に伴い、日本語学習への興味が高まりつつある段階である。
 しかし、伝統的には日本よりもフランスをはじめとする欧米諸国との結びつきの方が強いので、現在、日本のプレゼンスを向上させている段階である。

特徴

 ベナンには日本研究を専門とするコースを設置している大学はなく、また日本企業もほとんど進出していない。そのため、日本語学習は、学習者のキャリアには直結しがたい。しかし、こうした状況にあっても、技術立国日本を憧憬するベナンの人の中には、日本の大学等への留学や日本での就職を目指して日本語学習に取り組む学習者も増加している。

最新動向

 2015年度、日本の草の根文化無償スキームを通じて、「たけし日本語学校」の増改築が行われた。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 IFE財団によって運営されている「たけし日本語学校」がコトヌにある。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 6-4-3制。
 小学校6年間、中等・高等学校第一課程(日本の中学校にあたる)4年間、中等・高等学校第二課程(日本の高等学校にあたる)3年間。義務教育は4歳6ヶ月以降6年間となっているが、入学年齢に上限はない。
 小学校では、6年次にCEP試験(初等教育課程修了証明取得試験)がある。小学1年から、毎年上級へ行くためには、期末試験などの成績等を考慮した総合評価において、一定のレベルに達している必要がある。
 中等・高等学校第一課程では4年次にBEPC試験がある。また外国語科目として英語が導入される。
 中等・高等学校第二課程では、最終学年時に大学入学資格試験であるバカロレアを受験する。この試験に合格すると、希望の大学へ進学することができる。
 大学では1~3年次は入学者が受験したバカロレア試験に関連する分野の勉強を幅広く行う。多くの大学生は、経済的理由から学士を修得する3年修了時に大学を辞め、4年次以降に進学する者は少ないが、働きながら学び直す者もいる。ベナンにある国立大学は、アボメイ・カラヴィ(Abomey-Calavi)大学、パラク(Parakou)大学、ポルト・ノボ農業大学の3つである。

教育行政

 ベナンにおいて教育行政を所管しているのは、幼少・初等教育省、中等教育・技術職業訓練省、並びに高等教育・科学研究省である。

言語事情

 公用語はフランス語。
 母語としてはフォン語、ヨルバ語、バリバ語など約26の言語がある。

外国語教育

 中等・高等学校第一課程の段階で、英語教育が行われている。また、2017年9月より一部の小学校において,1年生からの英語教育を実験的に導入している。英語教育以外では中等・高等学校第一課程4年次より、文系の生徒はスペイン語かドイツ語のどちらかを必修科目として勉強する。

外国語の中での日本語の人気

 英語等欧米の言語と比べて、まだ日本語の人気が高いとは言えないが、上昇している。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

 ベナンの書店では、日本語学習の教科書や参考書、辞書等は置かれていない。入手するには、海外から取り寄せるほかない。

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 たけし日本語学校では『みんなの日本語初級Ⅰ・Ⅱ』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)が使用されている。

IT・視聴覚機材

 ベナンでは、電気、通信のインフラが十分に整備されていないため、日本語教育にIT・視聴覚機材は使用していない。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 たけし日本語学校にて、実際に授業を持たせるなどして、ベナン人日本語教師を養成している。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 「たけし日本語学校」では、日本語母語教師1名による指導が行われている。

教師研修

 現職の日本語教師対象の研修はない。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 たけし日本語学校で教鞭をとった日本語教師のネットワークがある。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 たけし日本語学校には1名の日本語母語教師がいる。

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。たけし日本語学校では、独自に作成している。

評価・試験

 共通の評価基準や試験はない。

日本語教育略史

2003年 IFE財団が運営する日本語学校「IFE日本語学校(通称:たけし日本語学校)」設立
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