カメルーン(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数※
2 5 380
※学習者数の内訳
教育機関の種別 人数 割合
初等教育 0 0.0%
中等教育 30 7.9%
高等教育 0 0.0%
学校教育以外 350 92.1%
合計 380 100%

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

 学校教育では、中北部の地方の高校に日本語クラブが存在し、日本文化を知る一環として日本語を学習している。首都ヤウンデ及び商業都市ドゥアラには民間語学学校が存在し、主に高校生や大学生が日本語を学んでいる。

沿革

 2008年に日本語を独学で学んだカメルーン人青年によって中北部アダマウア州ンガウンデレの高校に日本クラブが設立された。続いて2014年に2校目が高校で、2016年に3校目が中学校で、2019年に4校目が高校で設立された。2020年11月現在、クラブは4校での活動を続けている。2009年以来、首都ヤウンデには民間の語学学校が存在し、商業都市ドゥアラでは、2008年に民間語学学校が開校された。なお、2008年から2015年まではヤウンデ第二大学政治戦略学術研究センター(CREPS、 修士課程)の学生向けに日本語の授業が行われていた。

背景

 日本に対する認知度は比較的高いが、電化製品や自動車などをはじめとする技術力の高さや、武道など伝統的な日本文化といった側面に偏っているのが現状である。

特徴

 日常生活では日本語に接する機会がほとんどないことから、日本語学習者は授業以外で日本語を実際に練習することは難しい。

最新動向

 首都ヤウンデにて元国費留学生が日本語教室を開校している。アニメなどのメディアを通じて日本語学習に関心を持つ若者の層の広がりが見られるものの、教師や教材、資金不足のため日本語教育の拡大に繋がっていない。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 授業として日本語教育は実施されていないが、アダマウア州ンガウンデレにてカメルーン人青年たちがボランティアで日本語クラブを運営し、日本語や日本文化を教えている。

高等教育

 大学、大学院において日本語教育は実施されていない。

学校教育以外

 首都ヤウンデ及び商業都市ドゥアラに民間語学学校が存在し、主に高校生や大学生が日本語を学んでいる。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 英語圏とフランス語圏で教育制度が異なる。
 フランス語圏は6-4-3制。小学校は4~6歳(一般的には6歳)で入学し6年間で、初等教育修了証書(CEP)取得者が卒業・進級できる。中等教育(前期4年、後期3年)は4年修了時の前期中等教育修了証書(BEPC)取得者が高校(後期中等教育)に進級できる。大学入学資格はバカロレア。
 英語圏は6-5-2制。
 小学校は4~6歳で入学し6年間、Class1(日本の小学1年生に相当)からClass6(日本の小学6年生に相当)まである。初等教育修了証書(FSLC)取得者が卒業・進級できる。中等教育(前期5年、後期2年)は、前期がForm1から始まりForm5まである。後期に進級するにはForm5修了時に修了証書(GCE Ordinary level)を取得する。その後高校はLower6Upper6の2学年となる。大学入学資格はGCE Advanced Level

教育行政

 小学校は初等教育省、中等教育(中学校・高校)は中等教育省、高等教育(大学・大学院)は高等教育省がそれぞれ管轄している。

言語事情

 部族語は約250存在すると言われており、国の公用語はフランス語と英語となっている。英語は西部のナイジェリア国境付近で使われているが、カメルーン全体としてはフランス語話者の方が多い。
 国営テレビ(CRTV)のニュースは英語とフランス語の時間帯を変えて放映し、政府系新聞(Cameroon Tribune)はフランス語と英語の記事が混在している。

外国語教育

外国語の中での日本語の人気

 学習施設も少ないことから、他の外国語(スペイン語、ドイツ語)と比較すると学習者の数は非常に少ないが、アニメ等を通じて日本語に関心を持つ学生は多い。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本クラブの設立者はNHKラジオの日本語講座で学習し、地域の高校生に教えている。

高等教育

 2008年から2015年までヤウンデ第二大学政治戦略学術研究センター(CREPS、 修士課程)で開講されていた日本語の授業では『技能実習生のための日本語「みどり」』(公益財団法人 国際研修協力機構)が使われていた。
 http://hiroba.jitco.or.jp/categories/index/1

学校教育以外

 詳細については把握していない。

IT・視聴覚機材

 高校の日本語クラブでは、NHKホームページに日本語でカラオケをした動画を投稿して活動していた。 その他NHKラジオも使われている。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語を学んだカメルーン人がボランティアで教えている。

高等教育

 特に規定はない。

学校教育以外

 特に規定はない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関(プログラム)はない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用は確認されていない。

教師研修

 現職の日本語教師対象の研修はない。

現職教師研修プログラム(一覧)

 特になし。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークは確認されていない。

最新動向

 特になし。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 (情報なし)

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムは確認されていない。

評価・試験

 共通の評価基準や試験は確認されていない。

日本語教育略史

2008年 ヤウンデ第二大学政治戦略学術研究センター(CREPS、 修士課程)の学生向けに日本語の授業を開始
ドゥアラの民間語学学校が学生受け入れ開始
ンガウンデレの高校(Lycée Classique et Moderne de Ngaoundéré)で日本語を独学で学んだカメルーン人により日本語クラブが発足
2009年 首都ヤウンデにて元国費留学生による民間語学学校が開設
2014年 ンガウンデレの高校(Lycée de Ngaoundéré-Mardock)で2校目の日本語クラブが発足
2015年 教師不在によりヤウンデ第二大学政治戦略学術研究センター(CREPS、 修士課程)の日本語の授業が閉講
2016年 ンガウンデレの中学校(Collège la victoire)で3校目の日本語クラブが発足
2019年 ンガウンデレの高校(Lycée de Sabongari)で4校目の日本語クラブが発足
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